Power Appsとは|料金(月額)と無料で使える範囲、中小企業が使う前に確かめる4つ
料金の見方から、使い始める前に確かめることまでを、公式の記載にもとづいてまとめました。
執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

結論
経営管理・業務・データの仕組みを会社の成長に合わせて整えるSalesDockの立場から見ると、ライセンス代よりも、作ったあとに誰が直し続けるかのほうが、あとから大きく効いてきます。
- Power Apps(パワーアップス)は、Microsoftが提供する業務アプリの作成サービスです。画面や入力フォームを、プログラムをほとんど書かずに作れます。
- 料金の基本は、Power Apps Premiumの1ユーザー月額2,998円相当(年払い・税別)です。開発者向けの無料プランもありますが、公式は運用環境での使用を目的としたものではないと説明しています。
- Microsoft 365の範囲で足りるかは、つなぐデータ次第です。Premiumなどのコネクタを使うなら、スタンドアロンの有料プランが前提になります。
この記事はPower Appsの意味と料金の見方を扱います。ノーコード全般の意味はノーコード(No Code)とは、業務アプリを自作するかどうかの線引きは業務アプリをノーコードで作る前に決める4つで扱っています。
「Power Appsを会社で使えそうか、いくらかかるのか」を調べると、プラン名とライセンスの用語が並び、結局いくらになるのかが分かりにくいと感じる人が多いはずです。この記事では、Microsoftの公式ページに書かれている金額を先に示し、そのあとで中小企業が自社の場合を見積もる手順を書きます。金額は2026年10月17日に確認した内容です。
Power Apps(パワーアップス)とは
Power Appsは、Microsoftが提供する、業務アプリを作るためのサービスです。入力フォーム、案件台帳、申請の画面などを、部品を組み合わせて作ります。情報処理推進機構(IPA)の解説でも、社内の業務システム向けのノーコード/ローコードツールの例として、kintoneやプリザンターと並んで挙げられています。
特徴は、Microsoft 365(ExcelやSharePoint、Teams)と同じ契約の延長で使い始められることです。一方で、つなぐデータの種類によって必要なライセンスが変わるため、「Microsoft 365に入っているから無料で作れる」とは言い切れません。この違いが料金を分かりにくくしています。
Power Appsの料金は月額いくらか
基本になるのは、Power Apps Premiumの1ユーザーあたり月額2,998円相当(年払い・消費税は含まれない)です。以下はMicrosoftの料金ページに掲載されている内容です。
| プラン | 料金 | 補足 |
|---|---|---|
| 開発者向けプラン | 無料 | 公式は「非運用環境でアプリをビルドしてテストする個人向け」と説明しています。開始にクレジットカードが必要です |
| Power Apps Premium | ¥2,998/ユーザー・月(年払い) | プレミアムコネクタなど、Microsoft 365付属の範囲を超える接続を使う有料プランの基本形です。税別 |
| Premium(2,000席以上) | ¥1,799/ユーザー・月(年払い) | 大規模向けの割引価格です。営業担当への問い合わせが前提で、中小企業は対象外になりやすい水準です |
| Dataverseの容量追加 | ¥5,997/GB・月(年払い) | データが増えて容量が足りなくなったときの追加分です |
Premiumを割り当てられたユーザーは、Power AppsとPower Pagesを無制限に使え、既製・カスタム・オンプレミスのコネクタも使えます。Dataverseの容量は、ライセンス1つあたりデータベース250MB・ファイル2GBが付きます。アプリごとに契約する「Per App」のプランもあり、使うアプリが限られる場合の選択肢です。ただし、確認した料金ページ(2026年10月17日)には金額が載っていませんでした。金額は購入画面や販売窓口で確かめてください。
無料で使える範囲とMicrosoft 365との違い
無料で使えるのは、開発者向けプランとMicrosoft 365に付属する範囲です。どちらも、会社の業務を全員で回す本番用途には条件があります。
- 開発者向けプラン:無料で使えます。公式は、非運用環境でアプリをビルドしてテストする個人向けと説明しており、運用環境で動かすにはPremium(または従量課金制)が必要としています。なお、ライセンスのよくある質問によると、2026年11月15日以降は、開発者プランにサインアップしても開発環境は作成されなくなります。
- Microsoft 365に付属する範囲:MicrosoftのPower Apps・Power Automateのライセンスに関するよくある質問では、Microsoft 365アプリケーション向けの使用権では、Premium・オンプレミス・カスタムの各コネクタにアクセスするにはスタンドアロンのPower AppsまたはPower Automateのプランが必要と説明されています。Teams向けのDataverse環境でも、Premiumコネクタを使うにはユーザーにアプリごと、またはユーザーごとのライセンスが必要とされ、この環境は新規作成が2026年11月15日から止まります。導入前に、自社のMicrosoft 365のプランと使うコネクタを公式の案内で確認してください。
社内のExcelやSharePointのデータだけを扱う小さな台帳なら、付属の範囲で足りる場合があります。Premiumなどのコネクタが必要になった時点で、有料プランの検討に移ります(会計ソフトや基幹システムがどのコネクタに当たるかは、公式の一覧で確認してください)。
年額はどう計算するか(5人・10人・20人の目安)
Premiumで全員に割り当てる場合の年額は、人数 × 2,998円 × 12か月で出せます。いずれも税別で、Dataverseの容量追加は含みません。
| 使う人数 | 計算 | 年額(税別) |
|---|---|---|
| 5人 | 5 × 2,998 × 12 | 179,880円 |
| 10人 | 10 × 2,998 × 12 | 359,760円 |
| 20人 | 20 × 2,998 × 12 | 719,520円 |
この金額はライセンスだけで、アプリを作る手間や直す手間は入っていません。アプリの見積もりでは、「作る費用」と「直し続ける費用」を分けて出すと、あとから総額がずれにくくなります。たとえば、開発は1本ごとの費用、作ったあとの改修は別枠で見積もる、という分け方です。ライセンス費に加えて、この2つを見ておいてください。
中小企業が使う前に確かめる4つ
料金の安さより先に、次の4つを確かめておくと、導入したあとに使われなくなる事態を減らせます。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 使うデータはどこにあるか | Microsoft 365の中(SharePointやExcelなど)だけか、会計・基幹・外部サービスにも接続するかで、必要なライセンスが変わります |
| 何人が使うか | 料金は使う人の数に比例します。入力するだけの人も、アプリを開くなら1人に数えます |
| 作る人と直す人は誰か | ライセンス代より、作った担当者が異動・退職したあとに直せる人がいるかのほうが、あとで効きます |
| 今の仕組みと何が違うか | Excelや既存のkintoneで足りているなら、移す理由を数字で言えるかを先に確かめます |
3つ目は、ツールが何であっても共通して起きる問題です。たとえば、外注で作った集計用のダッシュボードが、担当者の退職で直せなくなり、使われなくなることがあります。月次の集計が各自のExcelに戻ると、数字がそろわない状態が続きます。アプリを作る前に、作った人以外が直せる状態を決めておくと、この止まり方は避けられます。kintoneで同じことが起きる理由はkintoneが社内で使われない理由にも書きました。
来週やること:業務を1つ選び、ライセンスの要否を見る
最初の一歩は、作りたいアプリを1つだけ決め、そのアプリがつなぐデータを書き出すことです。Microsoft 365の中だけで完結するのか、外部のサービスや基幹システムにつなぐのかを分けると、必要なプランがほぼ決まります。ほかのツールとの比べ方はノーコードツール一覧の見方、コードを書く量が増える場合の判断軸はローコードとは|中小企業が導入前に比べる6つの判断軸が参考になります。
業務ごとにアプリを増やすと、使う側の入口も業務の数だけ増えます。入口の数が増えるほど使われなくなるので、アプリを1本足す前に、既存の画面のどこに組み込めるかを先に考えてください。
一次情報・公式情報
- Microsoft「Power Apps の価格」
- Microsoft Learn「Power Apps と Power Automate のライセンスに関するよくあるご質問」(Microsoft 365付属の使用権、開発者プラン、Dataverse for Teams)
- 情報処理推進機構(IPA)DX SQUARE「ノーコード/ローコード開発とは?今さら聞けないDX関連用語をわかりやすく解説」
料金とライセンスの条件は2026年10月17日時点の記載です。改定されることがあるため、契約前にMicrosoftの公式ページでご確認ください。
Power Appsについてよくある質問
Power Appsは無料で使えますか?
開発者向けプランは無料です。Microsoftの料金ページでは、対象を非運用環境でアプリをビルドしてテストする個人向けと説明し、運用環境にアプリをデプロイするにはPower Apps Premium(または従量課金制)が必要としています。ライセンスのよくある質問にも、開発者プランは運用環境での使用を目的としたものではないとあります。開始にはクレジットカードが必要です。会社で本番運用するときのライセンスは、使うデータとコネクタを確認してから決めてください。
Power Appsの料金は税込ですか?
Microsoftの料金ページでは、Power Apps Premiumは1ユーザー月額2,998円相当(年払い)で、消費税は含まれていないと書かれています。税込の金額は別途かかる税を加えて考えてください。価格は改定されることがあるため、契約前に公式ページで最新の金額を確認します。
Microsoft 365に入っているPower Appsで足りますか?
Microsoft 365付属の範囲で足りるかは、アプリがつなぐデータ次第です。MicrosoftのPower Apps・Power Automateのライセンスに関するよくある質問では、Microsoft 365付属の使用権のもとでは、Premium・オンプレミス・カスタムの各コネクタにアクセスするにはスタンドアロンのPower AppsまたはPower Automateのプランが必要と説明されています。どのコネクタがどちらに当たるかは、自社のアプリで使うものを公式の一覧で確認してください。
kintoneやExcelからPower Appsに移す意味はありますか?
すでにMicrosoft 365を全社で使っていて、承認や台帳をTeamsやSharePointと一体にしたいときは候補になります。逆に、今のkintoneやExcelで回っているなら、移す理由を処理時間や入力の手戻りの数字で説明できるまでは、動かさないほうが安全です。
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泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI自走プラン(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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