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不動産

スプレッドシートで始める不動産KPI管理—まず見るべき5つの数字

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この記事のポイント

不動産会社が追うべきKPIは「反響数」「内見率」「成約率」「客単価」「リードタイム」の5つ。高いツールは不要で、スプレッドシート1枚あれば今日から計測を始められる。この記事では、各KPIの目安値・計算方法・シートの列構成まで具体的に紹介する。

「うちの営業、数字で管理できてる?」と聞かれて、自信を持って「はい」と答えられる不動産会社はどのくらいあるだろうか。

ポータルサイトの反響件数は見ている。成約件数も月末に数えている。でも「反響から内見に進んだ割合は?」「問い合わせから成約までに平均何日かかってる?」と聞くと、答えに詰まるケースが多い。

KPI管理というと大げさに聞こえるかもしれないが、要は「営業の数字を分解して、どこで落ちているかを見えるようにする」こと。それだけで、打ち手がまるで変わってくる。

不動産会社が追うべき5つのKPI

従業員5〜30名規模の売買仲介・賃貸仲介を想定している。まずはこの5つを押さえれば、営業のボトルネックが見える。

1. 反響数(月間)

SUUMOやHOME'S、自社サイトからの問い合わせ件数の合計。すべての起点になる数字なので、チャネル別に分けて記録するのが大事。

目安: 営業1人あたり月20〜40件(賃貸仲介の場合)。売買仲介だと月5〜15件が一般的。この数字が足りていないなら、広告や掲載の見直しが先になる。

2. 内見率(反響→内見)

反響があった顧客のうち、実際に内見まで進んだ割合。計算式は「内見実施数 / 反響数 x 100」。

目安: 賃貸で30〜50%、売買で20〜40%。この数字が低い場合、初回対応のスピードや電話・メールの内容に改善余地がある。反響から24時間以内に連絡できているかどうかが、内見率に直結する。

3. 成約率(内見→成約)

内見した顧客のうち、成約に至った割合。「成約数 / 内見実施数 x 100」で算出する。

目安: 賃貸で20〜30%、売買で10〜20%。ここが低い場合は、物件提案の精度やクロージングのタイミングに課題があることが多い。「内見は多いのに決まらない」という会社は、この数字をまず確認してほしい。

4. 客単価(成約あたりの売上)

1成約あたりの仲介手数料の平均値。「月間仲介手数料合計 / 成約件数」で出す。

目安: 賃貸で8〜15万円、売買で80〜150万円。客単価が低い場合、扱っている物件の価格帯を見直すか、オプションサービス(引越し手配、保険など)の提案で底上げできないかを検討する。

5. リードタイム(反響→成約の日数)

問い合わせから成約までにかかった日数の平均。「成約日 - 初回反響日」を案件ごとに計算して平均を取る。

目安: 賃貸で7〜21日、売買で60〜120日。リードタイムが長すぎる場合、フォローが途切れている可能性がある。逆に極端に短い場合は「すぐ決まる客」だけを追っていて、育成が必要な見込み客を取りこぼしているかもしれない。

スプレッドシートの列構成—まずこの1枚から

5つのKPIを計測するために必要なデータは、実はそんなに多くない。以下の列構成で、1枚のシートにまとめる。

内容入力例
A: 反響日問い合わせが来た日付2026/03/01
B: 顧客名お客様の名前田中 太郎
C: チャネル流入経路(プルダウン)SUUMO / 自社HP / 紹介
D: 担当者営業担当(プルダウン)佐藤
E: 内見日内見を実施した日付2026/03/05
F: 成約日成約した日付2026/03/12
G: 仲介手数料成約時の手数料(円)120000
H: ステータス進捗(プルダウン)反響 / 内見済 / 成約 / 失注

ポイントは「1行1案件」のルール。月ごとにシートを分けたり、担当者ごとにシートを分けたりしない。全案件を1枚に入れて、フィルタで絞る。これだけで集計が格段に楽になる。

関数でKPIを自動計算する

ダッシュボード用のシートを別に作り、以下の関数で5つのKPIを自動集計する。

反響数(今月分)

=COUNTIFS(データ!A:A,">="&DATE(YEAR(TODAY()),MONTH(TODAY()),1),データ!A:A,"<"&DATE(YEAR(TODAY()),MONTH(TODAY())+1,1))

内見率

=COUNTIFS(データ!E:E,"<>",データ!A:A,">="&B1) / COUNTIFS(データ!A:A,">="&B1)

※ B1に対象月の初日を入れる想定。内見日(E列)が空でないレコードを数えて、反響数で割る。

成約率

=COUNTIFS(データ!H:H,"成約",データ!A:A,">="&B1) / COUNTIFS(データ!E:E,"<>",データ!A:A,">="&B1)

客単価

=SUMIFS(データ!G:G,データ!H:H,"成約",データ!A:A,">="&B1) / COUNTIFS(データ!H:H,"成約",データ!A:A,">="&B1)

リードタイム(平均日数)

=AVERAGEIFS(データ!F:F-データ!A:A,データ!H:H,"成約",データ!A:A,">="&B1)

※ リードタイムは成約案件のみ対象。AVERAGEIFS が使えない場合は、I列に「=F2-A2」の補助列を作って、その列をAVERAGEIFSで平均する方法でもOK。

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まずこの1シートから始めよう—実践ステップ

ステップ1: シートを1枚作る(30分)

上記の列構成(A〜H列)をそのままコピーして、Googleスプレッドシートに貼る。チャネル・担当者・ステータスの列にはプルダウン(データの入力規則)を設定しておく。手入力をなくすだけで、データのブレがなくなる。

ステップ2: 過去1ヶ月分のデータを入れる(1時間)

完璧じゃなくていい。反響日・顧客名・チャネル・ステータスだけでも入れてみる。手元にあるメモや受信メールから拾えるものだけで十分。この作業で「どの情報が記録されていないか」がわかるのが最大の収穫になる。

ステップ3: ダッシュボードシートを作る(30分)

新しいシートを追加して、先ほどの関数を貼る。反響数・内見率・成約率・客単価・リードタイムの5つが自動で表示される状態を作る。

ステップ4: 週次ミーティングで画面共有する

ここが一番大事。シートを作るだけでは定着しない。毎週の営業ミーティングで、このダッシュボードを画面に映して話す。「今月の内見率、先月より10%下がってるけど、何かあった?」—こういう会話が自然に生まれるようになれば、KPI管理は回り始める。

よくある失敗パターン

最後に、KPI管理シートを作ったのにうまくいかないケースを3つ挙げておく。

  • 入力項目が多すぎる。最初から物件名・間取り・家賃・備考まで全部入れようとすると、入力が面倒で続かない。まずはA〜H列の8項目だけに絞る
  • 月ごと・担当ごとにシートを分ける。集計が複雑になるし、横断分析ができなくなる。1枚のシートに全案件を入れて、フィルタで絞る方が圧倒的に楽
  • 数字を見るだけで終わる。KPIは「見て終わり」ではなく「次に何をするか」を決めるための道具。内見率が低いなら初回対応を見直す、リードタイムが長いならフォロー頻度を上げる—数字から打ち手につなげるのがポイント

FAQ

Q. まず追うべきKPIはどれですか?

反響数・内見率・成約率の3つから始めるのがおすすめ。この3つが把握できれば「どこで数字が落ちているか」がわかる。客単価とリードタイムは、3つが安定してから追加すれば十分。

Q. スプレッドシートとCRM、どちらがいいですか?

いきなりCRMを導入する必要はない。まずスプレッドシートで「何を測るか」を決めて運用に乗せることが先。スプレッドシートで数字を見る習慣がついてから、CRMに移行するほうが定着率も高くなる。

Q. シートを作ったのに現場が入力してくれません

入力項目が多すぎることが一番の原因。最初は1行あたり5〜6列に絞り、入力にかかる時間を1件30秒以内にするのがコツ。また、週次ミーティングでシートを画面共有して使う習慣をつけると、入力しないと会議で話せない状態になり、自然と定着する。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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