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不動産

不動産の顧客管理をエクセルでやり続ける限界——CRMの前に「シート1枚」でできること

8分で読める

この記事のポイント

不動産の顧客管理、CRMの前に「Googleスプレッドシート1枚に集約」するだけで世界が変わる。列の統一→1シート化→自動集計の3ステップ。CRMはこの習慣ができてから。

「顧客管理、何使ってますか?」

不動産会社にこの質問をすると、7割以上が「Excel」か「Googleスプレッドシート」と答える。残りはCRMを入れているか、そもそも管理していないか。

Excel管理が悪いわけじゃない。問題は「Excelの使い方」にある。

よくある不動産会社のExcel顧客管理

ある不動産仲介会社での話。営業が5人いて、顧客管理のExcelファイルが5個あった。

営業Aのファイル:列が12個。物件名、顧客名、電話番号、メールアドレス、反響日、対応メモ。営業Bのファイル:列が8個。顧客名と電話番号はあるが、反響日がない。営業Cのファイル:3ヶ月前から更新されていない。

店長が「今月の見込み客、何件ある?」と聞くと、各営業が自分のファイルを開いて口頭で報告する。数字が合わない。定義がバラバラだから当然だ。

「CRMを入れれば解決する」わけではない

この状態を見て「CRM入れましょう」と提案するベンダーは多い。ただ、CRMを入れて失敗する会社も同じくらい多い。

理由はシンプルで、入力が定着しない。CRMの画面は入力項目が多い。営業は忙しい。物件案内の合間にCRMを開いて、ステータスを更新して——やらなくなる。3ヶ月後にはExcelに戻っている。

ある会社では、CRMの導入に100万円以上かけたが、半年後の入力率が30%以下だった。

CRMの前に「シート1枚」を整える

CRMが悪いわけじゃない。タイミングの問題だ。営業が5人5様でバラバラにExcelを使っている状態から、いきなりCRMに飛ぶのは段差が大きすぎる。

間に1ステップ挟むといい。Googleスプレッドシート1枚に全員の顧客データを集約する

ステップ1:列を統一する

全営業で共通のフォーマットを決める。不動産の顧客管理なら、最低限これだけあればいい。

内容
反響日問い合わせが入った日2026/03/15
顧客名氏名山田太郎
電話番号090-xxxx-xxxx
反響元どこから来たかSUUMO / HP / 紹介
希望エリア渋谷区・目黒区
予算5,000万〜6,000万
ステータスプルダウンで選択初回対応済 / 内見調整中 / 成約 / 見送り
担当者営業名佐藤
最終対応日最後に連絡した日2026/03/18
メモ自由記述駅近希望、ペット可必須

ポイントはステータスをプルダウンにすること。自由記述にすると「対応中」「フォロー中」「様子見」と表記ゆれが起きて集計できなくなる。

ステップ2:全員が同じシートに書く

「自分のシートに書く」をやめて、1枚のシートに全員が入力する。Googleスプレッドシートなら同時編集できるので、これだけで「店長が全体を見られる」状態になる。

ステップ3:自動集計を入れる

シートが1枚になったら、集計は関数で自動化できる。今月の反響数はCOUNTIFS関数、ステータス別件数はCOUNTIF関数、担当者別の進捗はQUERY関数で一覧表示。

ここまでやると、「今月の見込み客は何件?」に対して、シートを見れば即答できる状態になる。

3日間対応なしを自動で拾う

さらに1歩進めるなら、フォロー漏れの自動検知を入れる。「最終対応日」と今日の日付の差を計算する列を追加して、3日以上空いている案件を条件付き書式で赤くする。もしくは、Google Apps Scriptで毎朝Slackに通知を飛ばす。

この仕組みを入れた会社では、追客のフォロー漏れが月15件→2件に減った。

CRMに移行するタイミング

スプレッドシート1枚で運用してみて、こういう状況が出てきたらCRMを検討していい。

  • 顧客数が500件を超えて、シートの動作が重くなった
  • 自動メール配信や追客のシナリオ管理が必要になった
  • 複数店舗で権限管理が必要になった

大事なのは「全員が同じフォーマットで、同じ場所に入力する」という習慣ができること。この習慣がないままCRMに行くと、入力率30%の悲劇が繰り返される。


SalesDockでは、不動産会社向けの顧客管理シート設計から、自動集計・通知の仕組みづくりまでワンストップで支援しています。「Excel管理の限界を感じているけど、CRMはまだ早い」という方は、まずはお気軽にご相談ください。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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