不動産の反響単価はいくらが適正?—媒体別の相場と反響単価を下げる3つの方法
この記事のポイント
不動産の反響単価は媒体によって0円〜5万円まで大きく異なる。媒体別の相場を把握し、掲載物件の厳選・自社SEO強化・追客の仕組み化の3つで反響単価を下げる方法を解説。
「うちの反響単価って高いのか安いのかわからない」——不動産会社の経営者からよく聞く悩みだ。
SUUMOに月50万円払っている。HOME'Sにも30万円。でも、それで何件反響が来ていて、1件あたりいくらかかっているのか、ちゃんと把握できていない。媒体ごとの相場を知らないと、広告費が適正かどうか判断できない。
今日は、不動産における媒体別の反響単価の相場と、反響単価を下げるための具体的な方法を整理する。
媒体別の反響単価の相場
まず、主要な集客媒体ごとの反響単価の目安を一覧にする。エリアや物件種別で変動はあるが、おおむねこの範囲に収まる。
| 媒体 | 反響単価の相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| SUUMO | 3万〜5万円 | 集客力は最大。ただし掲載料が高く、反響単価も高め |
| HOME'S | 2万〜4万円 | SUUMOに次ぐ集客力。問い合わせ課金型のプランあり |
| at home | 1.5万〜3万円 | 地方エリアに強い。掲載料が比較的安い |
| 自社サイト(SEO) | 5,000〜1万円 | 記事制作の工数はかかるが、長期的に最もコスパが良い |
| 自社サイト(リスティング広告) | 1万〜3万円 | 即効性がある。キーワード選定次第で単価が大きく変動 |
| Googleビジネスプロフィール | ほぼ0円(運用工数のみ) | 口コミ・写真の運用が必要。来店型ビジネスに特に有効 |
SUUMOの反響単価が3万〜5万円というのは、月額掲載料を反響件数で割った数字。掲載料が月50万円で反響が10件なら、反響単価は5万円。15件取れれば約3.3万円。掲載する物件数や写真の質によっても変わる。
一方、自社サイトのSEOは反響単価が5,000〜1万円と圧倒的に安い。ただし、成果が出るまでに3〜6ヶ月かかる。「今すぐ反響がほしい」という場合にはポータルやリスティング広告が必要になる。
反響単価だけで判断してはいけない—成約単価で見る
反響単価が安い媒体がベスト、とは限らない。重要なのは「成約単価」——つまり、1件の成約を取るのにいくらかかったか。
たとえば、ある不動産会社の数字を見てみる。
例:SUUMOと自社サイト(SEO)の比較
SUUMO:反響単価4万円、成約率10%、成約単価40万円
自社サイト(SEO):反響単価8,000円、成約率5%、成約単価16万円
SUUMOは反響単価こそ高いが、ポータル経由のユーザーは物件への関心度が高く、成約率も高い傾向にある。ただ、この例では成約単価で見ると自社サイトの方が安い。
成約単価の計算式はシンプルだ。成約単価 = 広告費 / 成約数。媒体ごとにこの数字を出して比較する。反響単価だけ見て「SUUMOは高い」と判断するのは早い。逆に「自社サイトは安い」と思い込むのも危険。必ず成約単価で判断する。
反響単価を下げる3つの方法
方法1:ポータルの掲載物件を厳選する
「とりあえず全物件を掲載」している会社は多い。でも、反響が来ない物件に掲載料を払い続けるのは無駄。過去3ヶ月の反響データを見て、反響が多い物件・成約につながった物件に絞る。掲載物件数を半分にしても、反響数が2割しか減らないケースはザラにある。結果的に反響単価は下がる。
方法2:自社サイトのSEOを強化する
「エリア名 + 物件タイプ」のキーワードで記事を10本書く。たとえば「渋谷区 1LDK 賃貸」「世田谷区 ファミリー向け 戸建て」のような記事。1本あたり2,000〜3,000文字で十分。3ヶ月後には検索流入が増え始め、ポータルに頼らない反響導線ができる。反響単価は5,000〜1万円まで下がる。
方法3:反響後の追客を仕組み化する
反響単価を下げる方法は「反響を増やす」だけではない。反響からの成約率を上げれば、成約単価は下がる。具体的には、反響が来たら5分以内に初回連絡する。これだけで成約率が2倍になるというデータもある。5分以内の連絡を仕組み化するには、反響通知をスマホにプッシュで飛ばす設定と、初回連絡のテンプレートを用意しておくことが最低限必要。
効果テーブル
3つの方法を実行した場合の効果を、ある不動産会社(従業員15名・賃貸仲介)のモデルケースで示す。
| 指標 | Before | After(3ヶ月後) |
|---|---|---|
| 反響単価(加重平均) | 3.5万円 | 1.8万円 |
| 成約単価 | 35万円 | 15万円 |
| 月間広告費 | 80万円 | 60万円 |
| ROI(広告費対売上) | 300% | 520% |
広告費を減らしながら成約数を維持できれば、ROIは大きく改善する。ポイントは「掲載物件の厳選で無駄な広告費を削り」「自社SEOで安い反響を増やし」「追客の仕組み化で成約率を上げる」の3つを同時に動かすこと。
最後に
御社の反響単価、媒体別に把握できているだろうか。
「SUUMOに月○万円払っている」は知っていても、「SUUMOからの反響単価は○万円で、成約単価は○万円」まで答えられる会社は少ない。
まずは先月の媒体別の反響数を数えるところから始めてほしい。反響単価が見えれば、どこに投資すべきかが見えてくる。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。
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