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製造業

歩留り率、毎月「だいたい」で把握していませんか?—製造ロスを数字で見える化する方法

7分で読める

この記事のポイント

歩留り率を「全体平均」で見ている限り、改善すべきポイントが分からない。製品別・工程別に分解することで、効果の高い改善箇所が見えてくる。

「歩留りはだいたい95%くらい」

製造業の現場で、歩留り率を聞くとこう返ってくることが多い。「だいたい」。この「だいたい」が曲者だ。

製品別・工程別・時間帯別に見ると、特定のポイントでロスが集中していることがほとんど。全体平均では見えないボトルネックが、分解した瞬間に浮かび上がる。

「だいたい」を「数字」に変えるだけで、改善の打ち手が見えてくる。

なぜ「だいたい」になるのか

現場を見ていると、「だいたい」になる原因はいくつかのパターンに集約される。

  • 日報に不良数を書いているが、集計していない
  • 集計していても「全体の不良率」しか見ていない
  • 不良の種類(寸法不良・外観不良・機能不良)を分けていない
  • そもそも正確な投入数を記録していない工程がある

つまり、データはあるのに「使える形」になっていない。あるいは、データ自体が歯抜けになっている。

まず記録する4つの数字

歩留り管理の出発点は、4つの数字を正確に記録すること。

記録項目何を見るか記録方法
投入数工程に入った数量日報に記録
良品数合格した数量検査記録
不良数不合格の数量検査記録
不良種別どんな不良か分類コード(5〜10種類)

歩留り率 = 良品数 / 投入数 x 100

シンプルな計算だが、分母(投入数)が正確に記録されていない現場が意外と多い。ここが曖昧だと、歩留り率そのものがブレる。

分解して見る—パレート分析

4つの数字が揃ったら、次は不良の種類をパレート図(多い順に並べた棒グラフ)で可視化する。

やってみると分かるが、上位3種類の不良で全体の70〜80%を占めていることが多い。10種類の不良を全部同時に改善しようとすると手が止まるが、まず上位3つに集中すればいい。

たとえば「寸法不良40%、外観キズ25%、バリ残り15%」なら、寸法不良の原因を潰すだけで全体の4割が改善する。全体平均の歩留り率だけ見ていたら、この優先順位は見えない。

時間帯・曜日・担当者で見る

不良の種別だけでなく、「いつ」「誰が」という切り口でも分解できる。

  • 月曜朝に不良が多い → 設備の立ち上げ条件が安定していない
  • 特定の担当者で不良率が高い → 作業手順の確認が必要
  • 午後3時以降に増える → 疲労による集中力低下

数字で見ると「なぜ不良が出るか」のヒントが見える。感覚ではなくデータで原因を追えるようになる。

スプレッドシートで始める管理テンプレート

Googleスプレッドシートで十分。専用システムは不要だ。

シート構成はこの3つ。

  • シート1: 日別記録 — 投入数・良品数・不良数・不良種別を毎日入力
  • シート2: 月次集計 — 工程別の歩留り推移をグラフで表示
  • シート3: パレート図 — 不良種別のランキングを自動集計

入力は日報を書くついでに。追加の手間は1日5分程度。「日報に数字を書いているのに集計していない」状態を、スプレッドシートで自動化するだけだ。

改善の優先順位の付け方

データが溜まったら、どこから手をつけるか。判断基準はこの3つ。

判断基準優先度高優先度低
発生頻度毎日出ている月1回程度
影響金額1個あたりの原価が高い原価が低い
改善の難易度作業手順の変更で済む設備投資が必要

「頻度高 x 影響大 x 改善しやすい」から手をつける。逆に言えば、頻度が低くて原価も安い不良は、今は放置でいい。リソースを集中させることが大事だ。

来週からできること

  1. 今週の不良品を種別ごとに数える
  2. スプレッドシートに投入数と不良数を記録し始める
  3. 1ヶ月後にパレート分析をやってみる

歩留り率を1%改善するだけで、年間の利益が数十万〜数百万変わる。まずは「だいたい」を「数字」に変えるところから始めてみてほしい。


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SalesDockでは、製造業の歩留り管理の仕組みづくりから、スプレッドシートテンプレートの設計、データ集計の自動化まで支援しています。「まず何から始めればいいか分からない」という方も、お気軽にご相談ください。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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