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業務改善

求人を出しても応募が来ない中小企業、ホームページを見直すだけで変わることがある

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この記事のポイント

求職者の約8割が応募前にHPを確認している。HPに採用情報がなければ求人広告は「ザルに水」状態。既存HPに採用ページを1ページ追加するだけで応募が変わった事例を、不動産会社・製造業それぞれで紹介。

「求人広告を出しているのに、まったく応募が来ない」

不動産会社や製造業の社長から、この相談を本当によく受ける。求人媒体に毎月お金をかけている。条件も悪くないはず。でも反応がない—そういう状態が半年、1年と続いている会社が少なくない。

原因はいろいろあるけれど、僕がまず確認するのは「御社のホームページ、求職者が見たらどう思いますか?」ということだ。意外とここが盲点になっている。


求職者は必ず会社のホームページを見ている

まず、求職者の行動パターンを整理してみる。

ステップ求職者の行動離脱ポイント
1求人サイトで条件を見る条件が合わなければここで終わり
2気になった会社名をGoogleで検索するここからが問題
3会社のホームページを見るHPがない・古い→候補から外す
4社員の雰囲気、働く環境を確認する情報がない→不安で応募しない
5応募するかどうかを決める

ポイントはステップ2と3だ。求人サイトだけで応募を決める人はほとんどいない。必ず会社名で検索して、ホームページを見る。ある調査では、求職者の約8割が応募前に企業のHPを確認しているというデータもある。

つまり、HPがない、もしくはあっても10年前のデザインで情報が古い場合、求人広告にいくらお金をかけても「ザルに水を注いでいる」状態になる。


HPがないor古いと、何が起きるか

「この会社、大丈夫か?」と思われる

HPが2010年代のデザインのまま、最終更新が3年前—こういう状態だと、求職者は「この会社、まだやってるのかな」「ちゃんとした会社なのかな」と不安になる。特に20〜30代の求職者は、HPの見た目で会社の印象を判断する傾向が強い。

働くイメージが湧かない

会社概要とアクセスマップしかないHPでは、「ここで働いたらどんな毎日なのか」がまったく伝わらない。求職者は未知の環境に飛び込むわけだから、少しでも具体的なイメージがほしい。それが得られないと、応募のハードルがぐっと上がる。

競合に流れる

同じ地域で同じ職種の求人を出している会社が、きれいなHPに社員の写真や代表メッセージを載せていたら?求職者はそちらに流れる。条件が多少劣っていても、「雰囲気がよさそう」「ちゃんとしてそう」と感じた会社に応募する。採用も、選ばれる競争だ。


採用に効くHPの要素—これだけは載せたい5つ

では、採用を意識したHPには何が必要か。僕がこれまで見てきた中で、応募につながっている会社のHPに共通していた要素を挙げる。

要素なぜ効くか具体例
社員の声(インタビュー)「自分と近い人が働いている」と安心できる入社3年目の営業、工場の20代社員など
働く環境の写真オフィスや現場の雰囲気が伝わるデスク周り、工場内、休憩室、社内イベント
代表メッセージ経営者の考えが見える→信頼感「うちはこういう会社にしたい」が伝わる文章
福利厚生・制度の一覧条件面の不安を解消する年間休日、残業時間の実績、資格支援など
1日の流れ入社後の具体的なイメージが湧く時系列で「9:00 朝礼→9:30 現場作業→...」

全部を一度にやる必要はない。まずは「社員の声」と「写真」だけでも効果がある。


不動産会社の事例—HP改善後に応募が増えた

ある地方の不動産会社(従業員15名)の話。売買仲介がメインで、営業を2名増やしたかった。求人媒体に半年間掲載して、応募はゼロ。月15万円の広告費が消えていた。

HPを見せてもらったら、会社概要と物件情報だけ。採用に関する情報はゼロ。社員の写真もなければ、代表メッセージもない。

やったこと

  • 既存HPに「採用ページ」を1ページ追加した
  • 営業3名に30分ずつインタビューして、テキストと写真を掲載
  • 代表メッセージを800字で書いてもらった
  • 「1日の流れ」を図解で載せた
  • 求人サイトの掲載文にHPの採用ページへのリンクを追加

→ 採用ページ追加後2ヶ月で、応募が月3件に。うち1名を採用。「社員の声を読んで、雰囲気がよさそうだと思った」が応募理由だった。費用は採用ページ制作に12万円。半年間の求人広告費90万円と比べると、圧倒的にコスパがいい。

こちらの記事でも書いたが、不動産会社は人手不足が深刻だ。求人広告だけに頼るのではなく、「応募したくなる受け皿」を整えることが先だと思う。


製造業の事例—工場の写真と社員紹介で若手の応募が来た

ある金属加工の町工場(従業員25名)。ベテラン社員の高齢化が進んでいて、若手を採用したかった。ハローワークに出しても、応募があるのは50代以上ばかりで、20〜30代の応募はゼロだった。

HPを見たら、会社概要と設備一覧だけ。製造業のHPでよくあるパターンで、「何を作っている会社なのか」「どんな人が働いているのか」がまったく伝わっていなかった。

やったこと

  • 工場内の写真を15枚、スマホで撮影して掲載
  • 20代の社員2名(入社2年目と4年目)にインタビュー
  • 「未経験から技術を覚えるまでの流れ」をページにした
  • 社長の「若い人に伝えたいこと」を600字で掲載

→ 掲載後3ヶ月で、20代から2件の応募。うち1名を採用。「工場の写真を見て、きれいな環境だと思った」「同年代の社員がいるとわかって安心した」が決め手。制作費は8万円(既存HPへのページ追加)。

製造業は「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージがまだ根強い。でも実際は、今の工場はきれいだし、空調も効いている。それを見せるだけで、イメージが変わる。見せないと、古いイメージのまま候補から外されてしまう。


採用ページは別サイトにしなくていい

「採用サイトを別に作らないといけないのか」と聞かれることがあるけれど、中小企業であれば既存HPに1ページ足すだけで十分だ。

方法費用感おすすめの会社
既存HPに採用ページを1ページ追加5〜15万円従業員50名以下の中小企業
採用専用のLP(ランディングページ)15〜30万円年間5名以上採用する会社
採用専用サイトを別ドメインで構築50〜150万円従業員100名以上で、新卒・中途を常時募集

ほとんどの中小企業は、一番上の「1ページ追加」で事足りる。大事なのは「ページがあること」と「そこに人の顔と声があること」だ。

費用を抑えるコツ

  • 写真はスマホで十分。プロのカメラマンを呼ばなくても、自然光で撮ればきれいに撮れる
  • 社員インタビューは1人30分。質問リストを用意して、回答をそのまま載せる形でいい
  • 代表メッセージは完璧な文章でなくていい。飾らない言葉のほうが求職者には刺さる

求人広告の前にやるべきこと

まとめると、こういう順番になる。

  • 自社のHPを「求職者の目線」で見てみる
  • 採用に関する情報がゼロなら、まず1ページ追加する
  • 社員の声・写真・代表メッセージを載せる
  • 求人サイトの掲載文にHPへのリンクを入れる
  • その上で求人広告を出す

求人広告にお金をかける前に、まず受け皿を整える。これだけで応募数が変わることがある。5〜15万円の投資で、半年分の求人広告費(数十万円)が無駄にならなくなるなら、試す価値はあると思う。

業務効率化の外注費用についても以前まとめたが、採用ページの追加も同じで、「いくらかけるか」より「何を載せるか」のほうがはるかに大事だ。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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