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不動産

2026年10月の受付帳改正で何が変わった?受付帳DM営業の代替仕入れルート5選

登記規則改正の中身と、施行後に切り替える5つの仕入れルート

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執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

2026年10月の受付帳改正で何が変わった?受付帳DM営業の代替仕入れルート5選

この記事は不動産会社のDX・業務改善 完全ガイドの一部です。不動産業の効率化を体系的に知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

結論

2026年10月の受付帳改正で変わったこと

2026年10月1日以降に受け付けた登記は、受付帳から相続・売買と物件を特定できません。これからの受付分を使ったDM営業に代わる、5つの仕入れルートを解説します。

  • 2026年10月1日以降の受付分は、受付帳を開示請求しても登記の目的と不動産所在事項が表示されません。
  • 2026年9月30日までの受付帳は従前の様式で、過去分まで一律に非表示になったわけではありません。
  • 新たに発生する相続・売買を受付帳から拾えないため、Web集客や紹介、既存顧客への情報提供へ切り替えます。

登記受付帳は、法務局が登記申請を受け付けた事実を記録する行政文書です。不動産会社の一部では、受付帳の開示請求で得た「登記の目的」と「不動産所在事項」から相続・売買の物件を絞り、登記事項証明書で所有者を確認してDMを送る営業に使われてきました。

2026年10月1日施行の不動産登記規則改正により、同日以降に受け付けた登記は、受付帳を開示請求しても「登記の目的」と「不動産所在事項」が表示されなくなりました。残るのは受付年月日と受付番号です。どんな登記がどの物件に行われたかを受付帳から特定できないため、新たな相続・売買を拾うDM営業には使えません。2026年9月30日までの受付帳は従前の様式で開示されます。

そもそも不動産登記の受付帳(登記受付帳)とは何か

受付帳は、法務局が登記申請を受け付けた際に作成する帳簿です。2026年9月30日までに受け付けた登記の受付帳には、次の4項目が記載されています。

受付帳の記載事項(改正前)

登記の目的:相続、売買、抵当権設定など

申請の受付年月日:登記が受け付けられた日付

受付番号:一連の管理番号

不動産の所在事項:所在地・地番など

受付帳は登記簿のように窓口で閲覧する帳簿ではなく、情報公開制度に基づく開示請求で入手します。開示された受付帳から目的が「相続」や「売買」の物件を探し、登記事項証明書で所有者情報を確認してDMを送る、という流れです。

法務省の意見募集結果にも、受付帳の情報開示で相続登記をした物件を確認し、登記事項証明書を取得して相続人へ売却を持ちかける利用例が記載されています。2026年10月の規則改正後も受付帳そのものは開示対象ですが、10月1日以降の受付分からは物件を絞る2項目が表示されません。

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2026年10月の法改正で受付帳の何が変わったか

2026年10月1日以降に受け付けた登記について、開示時に表示されるのは次の2項目だけになりました。

2026年10月1日以降の受付分

申請の受付年月日

受付番号

「登記の目的」と「不動産の所在事項」は削除

2026年10月1日以降の受付分では、それが相続なのか売買なのか、どの物件の登記なのかを受付帳から判別できません。施行日以降に発生した相続・売買を受付帳から抽出し、営業リストにする方法は使えなくなりました。過去分の受付帳まで一律に非表示になったわけではありません。

9月30日までの受付分登記の目的(相続・売買など)受付年月日受付番号不動産の所在事項(地番など)従前の様式で開示10月1日以降の受付分登記の目的 → 削除受付年月日受付番号不動産の所在事項 → 削除何の登記か・どの物件か不明
表示が変わるのは2026年10月1日以降の受付分です。9月30日までの受付帳は従前の様式で、10月1日以降の受付分は目的と所在事項が表示されません。

法務省民事局の意見募集結果によると、登記事務のデジタル化により事務処理で不要となった情報を保有し、受付帳への開示請求が膨大になっていることが見直しの背景です。改正省令は2025年10月10日に公布されました。適用範囲は東京法務局の案内でも確認できます。

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住所・氏名変更登記の義務化で確認すること

受付帳改正とは別の制度として、2026年4月1日から住所・氏名変更登記が義務化されました。不動産の所有者は、住所や氏名の変更日から2年以内に変更登記を申請する必要があります。

住所・氏名変更登記を正当な理由なく怠った場合は、5万円以下の過料の対象です。2026年4月1日の施行前に住所や氏名が変わり、変更登記をしていない所有者も対象となり、原則として2028年3月31日までに対応する必要があります。

住所変更登記義務化のポイント

期限:住所・氏名の変更から2年以内に変更登記を申請

罰則:正当な理由なく怠った場合は5万円以下の過料

出典・一次情報

施行前の変更に関する期限や、過料通知までの流れも法務省の案内で確認できます。

スマート変更登記:所有者があらかじめ検索用情報を申し出ると、法務局が住基ネットで変更を確認し、本人の了解を得た上で職権による変更登記を行います。

不動産取引の現場で注意すべきこと

不動産売買を進める際は、早い段階で登記簿と本人確認書類の住所・氏名を照合します。不一致があれば、売主や司法書士と変更登記の要否と段取りを確認しておくと、決済直前の追加対応を避けやすくなります。

スマート変更登記は、何もしなくても自動で更新される制度ではありません。個人の所有者は検索用情報を申し出た後、法務局からの意思確認に回答する必要があります。2026年のほかの改正は「2026年の不動産関連法改正まとめ」で整理しています。

受付帳改正の影響を受けやすい会社

受付帳から相続・売買などの新規受付分を抽出していた会社は、同じ方法で営業対象を増やせなくなりました。影響を確認するときは、次の業態名だけで判断せず、自社の仕入れ件数に占める受付帳DMの割合を見ます。

受付帳DM営業に依存しやすい業態

買取再販業者:受付帳から相続・売買の新規物件を探していた会社です。

地場の仲介会社:対象エリアの受付情報を売却提案に使っていた会社です。

任意売却を扱う会社:抵当権設定などの受付情報を案件発掘に使っていた会社です。

買取再販業者、地場の仲介会社、任意売却を扱う会社のうち、受付帳DMへの依存度が高かった会社ほど、2026年10月の改正後は新規の営業対象が減ります。まず直近3か月の査定依頼や媒介獲得を流入元別に数え、受付帳経由の減少分を把握します。

代替ルートを一度に増やす必要はありません。流入元ごとに相談件数、査定件数、媒介・買取件数を毎月記録し、受付帳経由で減った件数を補えるかを見ます。紹介先との関係づくりは「物件仕入れの情報源と人脈の作り方」でも解説しています。

受付帳DMに代わる5つの仕入れルート

2026年10月1日以降の新規受付分から営業リストを作る方法は使えません。受付帳以外の入口として、自社ホームページ、紹介、一括査定、自治体、既存顧客の5つを比較します。

新規受付分を使うDMは不可向こうから来る売る気のある人の反響人・窓口から入る相続・空き家の相談先自社の名簿から過去に取引した顧客1. 自社HPのSEO3. 一括査定サイト2. 士業・金融機関4. 空き家バンク・自治体5. 既存顧客データベース
新規受付分を使うDMに代わる入口は5つあります。自社HP、紹介、一括査定、自治体、既存顧客のうち、自社が計測できるルートから始めます。

1. 自社ホームページのSEO強化

「○○市 不動産売却」「相続 不動産 相談」など、対応地域と相談内容が分かるページを作ります。検索順位だけでなく、ページごとの問い合わせ件数と査定件数まで計測すると、仕入れにつながったテーマを判断できます。

DMとWebでは費用の発生時期が違うため、単価だけで優劣は決められません。制作費や運用時間を含めた月次費用を、問い合わせ件数と媒介・買取件数で割って比較します。始め方は「不動産会社のSEO・HP活用」で解説しています。

2. 士業・金融機関との紹介ネットワーク構築

税理士、司法書士、弁護士、金融機関へ、自社が対応できる地域、物件種別、相談内容を伝えます。「案件があれば紹介してください」だけで終わらせず、空き家や共有不動産など、相談を受けたときの連絡先と初動を1枚にまとめると話が進みやすくなります。

紹介経由では、紹介元、相談日、査定日、成約結果を記録します。どの紹介元からどの相談が来たかを振り返り、対応可能な案件の条件を更新します。

3. 一括査定サイトの活用

一括査定サイトは、対応エリアと物件種別を絞って試します。反響数だけで判断せず、連絡が取れた件数、訪問査定数、媒介・買取件数まで追う必要があります。1か月の上限額を決め、成約までの数字が見える範囲で始めます。

4. 空き家バンク・自治体との連携

2023年12月施行の改正空家法では、市区町村長から勧告を受けた管理不全空家の敷地は、固定資産税の住宅用地特例が適用されません。管理不全空家と判断された時点で一律に外れるわけではありません。制度の範囲は国土交通省の空き家対策特設サイトで確認できます。

自治体の空き家バンクや相談窓口は、登録条件と宅建業者との連携方法を自治体ごとに確認します。対応地域の制度を一覧にし、担当窓口と登録期限を決めるところから始めます。詳しくは「空き家ビジネスの始め方」で解説しています。

5. 既存顧客データベースの整備

過去の売買、査定、相続相談の顧客情報を、連絡の同意や配信停止の記録と合わせて整理します。対象者全員へ一斉配信せず、以前の相談内容に合う制度案内や地域情報から小さく試します。

送信数、開封や返信、査定依頼、媒介・買取の結果を記録し、情報提供が相談につながったかを確認します。顧客情報の整理方法は「不動産会社の顧客管理、Excelの限界」も参考になります。

代替ルートやること押さえておく点
1. 自社ホームページのSEO強化対応地域と相談内容が分かるページを作り、検索から問い合わせを受ける制作費と運用時間を含む月次費用、問い合わせ数、査定数、媒介・買取数を記録する
2. 士業・金融機関との紹介ネットワーク構築対応地域、物件種別、相談内容、初動の連絡先を1枚にまとめて共有する紹介元、相談日、査定日、成約結果を記録し、紹介条件を更新する
3. 一括査定サイトの活用対応エリアと物件種別を絞り、1か月の上限額を決めて試す反響数、接触数、訪問査定数、媒介・買取数まで追う
4. 空き家バンク・自治体との連携自治体ごとの登録条件、相談窓口、宅建業者との連携方法を確認する住宅用地特例が外れるのは、市区町村長から勧告を受けた管理不全空家の敷地
5. 既存顧客データベースの整備過去の相談内容、連絡の同意、配信停止を整理し、対象に合う情報を送る送信数、返信数、査定依頼数、媒介・買取数を記録する

受付帳以外の仕入れを1本ずつ計測する

2026年10月1日以降の受付分は、受付帳を開示請求しても登記の目的と不動産所在事項が表示されません。受付年月日と受付番号だけでは新たな相続・売買の物件を特定できないため、新規受付分を使うDM営業は続けられません。

受付帳に頼っていた競合も同じ条件になりました。Web集客、紹介ネットワーク、既存顧客への情報提供を先に立ち上げた会社から、減った仕入れを補えます。まず1本を選び、相談件数、査定件数、媒介・買取件数を毎月確認します。

最初の作業は、直近3か月の仕入れを流入元別に数えることです。受付帳経由の減少分が分かれば、どの代替ルートにいくら時間と費用をかけるかを決められます。

この記事は2026年10月4日時点の法務省、東京法務局、国土交通省の公表資料に基づいています。制度の運用は各機関の最新情報をご確認ください。

よくある質問

2026年10月の不動産登記規則改正で何が変わりましたか?

2026年10月1日以降に受け付けた登記は、受付帳を開示請求しても「登記の目的」と「不動産所在事項」が表示されず、受付年月日と受付番号だけになりました。9月30日までの受付帳は従前の様式です。これからの相続登記や売買を受付帳から特定できないため、新規受付分を使ったDM営業はできません。

新規受付分を使った受付帳DM営業ができなくなった後、仕入れはどうすればいいですか?

代替手段として5つの方法があります。(1)自社ホームページのSEO強化、(2)士業・金融機関との紹介ネットワーク構築、(3)一括査定サイトの活用、(4)空き家バンク・自治体との連携、(5)既存顧客データベースの整備です。

2026年4月の住所変更登記義務化は不動産取引にどう影響しますか?

不動産所有者は住所・氏名の変更日から2年以内に変更登記を申請する義務があり、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象です。売買を進める際は、早い段階で登記簿と本人確認書類の住所・氏名を照合し、不一致があれば必要な変更登記を確認します。

泉

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。

運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI自走プラン(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。

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この記事の数値について

本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。

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