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不動産

物件仕入れの情報源と人脈の作り方—買取再販で勝つネットワーク構築術

レインズに出る前の物件情報をどう取るか

10分で読める

この記事は不動産会社のDX・業務改善 完全ガイドの一部です。不動産業の効率化を体系的に知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

買取再販の仕入れはレインズだけでは不十分。士業・金融機関・同業者との関係構築でオフマーケット物件を安定確保する方法を解説。

買取再販ビジネスの成否は仕入れで決まる。良い物件を安く仕入れられれば利益は出るし、仕入れが止まれば事業も止まる。問題は、良い物件はレインズに載る前に決まることが多いということ。オフマーケット(未公開)の物件情報を安定的に入手するためには、人脈—つまり「情報が集まるネットワーク」の構築が不可欠。この記事では、仕入れの情報源を6つに分類し、それぞれの人脈の作り方と維持の方法を解説する。

レインズの限界—なぜ公開物件だけでは勝てないか

レインズ(REINS)は宅建業者間の物件情報共有システムで、仕入れの基本ツール。ただし、レインズに載った時点で全ての宅建業者が同じ情報を見ている。条件の良い物件には複数の買取業者が群がり、価格が吊り上がる。結果、利益率が確保できない。

買取再販で安定した利益を出している会社は、レインズに載る前の段階で物件情報を入手している。売主がまだ「売ろうかどうか迷っている」段階、あるいは仲介会社が「まだレインズに載せていない」段階でアプローチできるかどうかが勝負の分かれ目。

情報源1:士業(弁護士・司法書士・税理士)

相続・離婚・債務整理—不動産の売却が発生する場面の多くに士業が関わっている。弁護士は離婚や相続の案件で「この不動産をどうするか」という相談を受ける。司法書士は相続登記の依頼を通じて「売却を検討している相続人」の情報を持っている。税理士は相続税対策や資産整理の文脈で不動産売却の相談を受ける。

士業との関係構築のポイント

紹介料の設定:案件紹介に対する紹介料(仲介手数料の10〜20%程度)を明確にする

逆紹介をする:自社のお客様で士業が必要な場面があれば積極的に紹介する。一方通行では続かない

定期的な接触:月1回の訪問、または季節の挨拶。情報提供(不動産市況レポート等)も効果的

勉強会・セミナーの共催:「相続と不動産の基礎知識」のようなテーマで一般向けセミナーを共催すると、お互いの集客にもなる

情報源2:金融機関(地銀・信金の融資担当)

地方銀行や信用金庫の融資担当者は、住宅ローンの返済が滞っている債務者、事業資金の返済に困っている経営者の情報を持っている。直接的に物件情報を教えてもらえるわけではないが、「買取業者を探している売主がいたら紹介してほしい」と伝えておくことで、情報が回ってくることがある。

金融機関との関係構築は時間がかかるが、一度信頼を得ると安定した情報源になる。特に任意売却案件は、金融機関からの紹介が王道。

金融機関との関係で気をつけること

担当者の異動:金融機関は2〜3年で担当者が異動する。異動があっても後任に引き継がれる関係を目指す

実績の積み上げ:紹介された案件を確実に処理する。「紹介してよかった」と思ってもらえれば、次の紹介につながる

融資の利用:その金融機関で融資を受けることも関係構築の一つ。取引実績があると信頼度が上がる

情報源3:同業者ネットワーク

「同業者はライバル」と考えがちだが、実際には情報交換の最大の相手。売買仲介会社は「この物件を買い取ってくれる業者を知らないか」と相談されることがある。賃貸管理会社はオーナーから「この物件を売りたい」と言われることがある。こうした情報を自社に回してもらえる関係を作る。

仲介会社との関係:「買取の案件があったら声をかけてほしい」と伝え、実際に紹介された物件は迅速に回答する(48時間以内が目安)。レスポンスの速さが信頼につながる。

管理会社との関係:管理物件のオーナーが高齢化や相続で売却を検討するケースが増えている。管理会社にとっては管理物件が減るリスクがあるが、買取後にリフォームして再度管理を委託するスキームを提案すると、Win-Winの関係になる。

業界団体・勉強会:宅建協会の支部活動、不動産投資家の勉強会、地域の経営者会など、定期的に顔を合わせる場に参加する。名刺交換だけでなく、継続的な関係を築くことが重要。

情報源4:直接営業(チラシ・DM・訪問)

アナログだが、直接営業は今でも有効な仕入れ手段。特に空き家や築古物件の所有者に対するダイレクトアプローチは、競合が少ない。

直接営業の手法と反応率の目安

手法反応率の目安特徴
チラシ投函0.1〜0.3%エリアを絞って定期的に配布。3回以上で認知される
DM(登記簿から送付)0.5〜1.0%空き家・相続物件の所有者に直接アプローチ
訪問営業1〜3%手間はかかるが反応率は高い。空き家の現地確認を兼ねる

直接営業の鍵は「継続性」。1回のチラシや DMで反応がなくても、3〜6ヶ月継続すると問い合わせが来る。「売りたいと思った時に、真っ先に思い出してもらえる」ポジションを取ることが目的。

情報源5:オンライン(一括査定サイト・自社HP)

一括査定サイト(HOME4U、すまいValue等)に登録して、売却検討中の物件情報を取得する方法もある。ただし、一括査定は複数社に同時に情報が送られるため、価格競争になりやすい。自社HPで「買取査定」のページを作り、SEOやリスティング広告で集客する方が、競合との直接比較を避けられる。

情報管理の仕組み化—人脈を資産にする

人脈やネットワークは、個人の頭の中にあるだけでは組織の資産にならない。誰と、いつ、どんな話をしたかを記録し、フォローアップのタイミングを管理する仕組みが必要。

情報管理で最低限やるべきこと

紹介元リストの作成:士業・金融機関・同業者の連絡先と、最後に接触した日付を一覧化する

紹介実績の記録:誰から何件の紹介があり、そのうち何件が成約したかを記録する。成果が見える化すると、どの関係に注力すべきか判断できる

フォローアップのルール化:紹介元への定期連絡(月1回 or 四半期1回)をカレンダーに入れる。忘れると関係が薄れる

成約報告:紹介で成約した場合は必ず紹介元に報告する。「紹介して良かった」と思ってもらうことが、次の紹介につながる

まとめ:仕入れは「待つ仕組み」を作ることが本質

物件仕入れは「探す」だけでなく「情報が自然と集まる仕組みを作る」ことが本質。レインズで探すのは全員がやっている。差がつくのは、レインズに載る前の情報にアクセスできるかどうか。そのためには、士業・金融機関・同業者との関係構築を地道に続けるしかない。

仕入れチャネルの全体像については「買取再販の仕入れチャネル」、データを活用した仕入れ判断は「データドリブンな仕入れ戦略」、買取判断の基準は「データで判断する買取再販」も参考にしてほしい。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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