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不動産

不動産ポータル3大課金モデルの比較2026—SUUMO・HOME'S・アットホームどれが最適か

SUUMOは反響課金ではない。課金体系の違いを正しく理解して広告費を組む

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この記事は不動産会社のDX・業務改善 完全ガイドの一部です。不動産業の効率化を体系的に知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

SUUMOは反響課金ではなく掲載課金。反響課金はLIFULL HOME'S。この違いを知らずに「SUUMOは高い」と判断すると予算設計を間違える。会社規模・物件数・広告運用リソースの3軸で3社の使い分けを考えるのが正解。

「SUUMOの反響課金っていくらなんですか」と聞かれることが増えた。結論から言うと、SUUMOは反響課金ではない。掲載課金だ。ここを誤解したまま広告費を考えると、予算設計を大きく間違える。

前職のリクルートでSUUMOの営業企画に携わっていたときに感じたのは、課金体系の違いが現場で正しく理解されていないまま「とりあえず掲載」が続いている不動産会社が多いということだった。月30万円、50万円を払い続けているのに、ROIの測り方が曖昧なまま運用しているケースも多い。この記事では、不動産ポータル3大サービスの課金モデルの違いと、会社規模・物件数に応じた使い分けを整理する。

まず整理:3つの課金体系

不動産ポータルの課金は大きく3種類に分かれる。

課金体系概要主な採用サイト
掲載課金掲載した時点で費用発生。反響の有無は無関係SUUMO、アットホーム
反響課金問い合わせが来たときに費用発生LIFULL HOME'S
成約課金契約成立時に費用発生一部の地域プラットフォーム・独自契約

「SUUMOは反響課金だ」と思っていた人は、ここでいったん頭を切り替えてほしい。SUUMOに掲載すると、反響が1件も来なくても料金は発生する。

SUUMO:掲載課金の王道

SUUMOは掲載課金方式。物件1枠あたり月額2万円〜数万円、目立つ位置に掲載すればするほど料金が上がる。定額プランの場合、中小仲介で月5万〜30万円、準大手では月50万〜100万円超のケースもある。

メリット

  • 反響数が増えても追加費用が発生しない。集客が伸びる会社にとっては効率的
  • 掲載枠・表示順位をコントロールできるので、注力物件に予算を集中させやすい
  • ユーザー数が国内最大級。露出量の絶対値が大きい

デメリット

  • 反響が来なくても固定費が発生する。物件力・写真・価格が弱いと、無駄打ちになりやすい
  • 定額プランは「1枠あたり単価」の実態が見えにくく、ROIを後から検証しにくい
  • 月額が高止まりしやすい

SUUMO掲載料の仕組みと相場で具体的な料金体系を整理しているので、数字を押さえたい人はこちらも合わせて読んでほしい。

LIFULL HOME'S:反響課金のシンプルさ

HOME'Sは反響課金が基本。問い合わせが発生したタイミングで、1件あたり数千円〜1万円程度の費用が発生する仕組みだ(プラン・エリアにより変動)。

メリット

  • 反響が来なければ費用が発生しない。広告費とリード獲得数が直接結びつく
  • ROIが計算しやすい。「反響単価×成約率」で成約1件あたりのコストが見える
  • 物件数が少ない会社や、試験的にポータルを使いたい会社に向いている

デメリット

  • 反響が多く来る会社ほど費用が膨らむ。想定より跳ね上がるリスクがある
  • 反響の質がSUUMOと違う(ユーザー属性が異なる)ため、成約率が下がることも
  • 反響1件に対して費用が立つため、冷やかし問い合わせの負担も発生

アットホーム:掲載課金ベース+エリア特化

アットホームも掲載課金が基本だが、SUUMOとは位置付けが違う。地方物件・地域密着型の強みがあるポータル。ユーザー層は、SUUMOより年齢が高い・地元志向が強い傾向。

メリット

  • 地方エリア・郊外エリアでの反響効率がSUUMOより高いケースが多い
  • 月額固定で予算が読みやすい
  • 地場の不動産会社との業者間流通ネットワークが強い

デメリット

  • 首都圏中心部では、SUUMO・HOME'Sに比べて反響量で劣る
  • デザイン・機能面でSUUMOより劣る印象を持つユーザーがいる

会社規模・物件数別の最適解

ここからが本題。3社の使い分けは、会社規模と物件数で変わる。

小規模(〜5人、物件〜30件):HOME'S中心+アットホーム併用

反響が少ないフェーズで掲載課金を大量に払うのはリスクが高い。HOME'Sで反響数とコストを連動させ、地域密着ならアットホームを併用する。SUUMOは、看板物件を1〜2枠だけ出す程度に抑える。

中規模(5〜30人、物件30〜200件):SUUMO+HOME'Sのハイブリッド

物件数が増えると、反響課金だけだとコストが跳ねる。SUUMOで注力物件を掲載課金で打ちつつ、それ以外をHOME'Sでカバーする形が効率的。予算配分の目安は、SUUMO 6割・HOME'S 3割・アットホーム 1割あたり。

準大手(30人〜、物件200件〜):SUUMO掲載課金メイン+自社集客強化

ここまで来ると、反響課金ではコストが読めなくなる。SUUMOの掲載枠を押さえて露出を確保しつつ、自社HPとMEO(Googleビジネスプロフィール)でポータル依存度を下げる方向に舵を切るべきフェーズ。ポータル依存の不動産会社が自社HPで集客する仕組みで具体的な設計を解説している。

2026年の動向:反響単価高騰とポータル依存脱却

2026年の不動産広告市場で起きている3つの変化。

反響単価の上昇

ユーザー獲得コスト(CAC)は年々上がっている。ポータル経由の反響1件あたりコストは、5年前と比べて1.5〜2倍になっている業者も多い。同じ予算で来る反響数が減っているということだ。

物件情報の標準化と業者間流通

SUUMO B2BやレインズAPIなどの整備で、物件情報の流通コストが下がっている。これにより、「ポータルに載せる」以外の集客手段が現実的になってきた。SUUMO・アットホームへのポータル連携自動化で掲載業務を効率化する方法を整理している。

AI活用の影響

ChatGPTや各種AIアシスタントに「〇〇エリアの物件」を相談するユーザーが増えている。今後、ポータルを経由しない物件検索行動が広がる可能性が高い。この流れで、自社HPの情報密度と検索ヒット性が重要になる。

まとめ:自社に合う課金モデルを選ぶ3つの判断軸

課金モデル選びで迷ったら、以下の3軸で考える。

軸1:反響数の安定性 — 反響が月ごとにブレる会社は反響課金が安全。安定している会社は掲載課金が効率的

軸2:物件力の強さ — 物件が競合より魅力的なら掲載課金で勝てる。物件力が弱いなら反響課金で無駄打ちを避ける

軸3:社内の広告運用リソース — 運用改善PDCAを回せる会社は掲載課金で最適化できる。リソースが薄い会社は反響課金で「入るだけ払う」方式が合う

「SUUMOが高い・SUUMOが反響課金だ」といった思い込みのまま広告費を組むと、月数十万円単位の無駄が生まれる。自社の規模・物件数・運用リソースに合わせて、3社の使い分けを見直すことをおすすめしたい。

広告費の最適化は、業務効率化の第一歩でもある。反響対応のスピードやCRMの整理がセットになって初めて、広告費のROIが最大化される。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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