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不動産

成約したお客さんから紹介が来ない不動産会社がやっていないこと

最終更新 2026年8月11日7分で読める

この記事のポイント

紹介営業は広告費ゼロで成約率も高い。ポータル広告を増やす前に、既存顧客からの紹介が自然に生まれる仕組みを作る。

新規集客にポータル広告費を毎月かけている。それ自体は悪くない。

でも、「過去に成約したお客さんからの紹介」はどれだけ来ているだろうか。

紹介は広告費ゼロ。しかも成約率が高い。紹介経由のお客さんは、すでに信頼のフィルターを通っているから、商談がスムーズに進む。最強の集客チャネルと言っていい。

なのに、ほとんどの不動産会社は「紹介が来る仕組み」を持っていない。いい仕事をしていれば自然に来るだろう、と思っている。来ない。

なぜ紹介が来ないのか

「いい仕事をしていれば紹介は自然に来る」—これは幻想だ。

理由はシンプルで、成約した瞬間にお客さんとの接点が切れているから。引き渡しが終わったら連絡しない。お客さんも日常に戻る。半年も経てば、どの不動産会社で契約したかすら曖昧になる。

紹介が来ない会社には共通するパターンがある。

  • 成約後にお客さんとの接点が完全に切れている
  • 紹介をお願いするタイミングを逃している
  • 紹介してくれたお客さんに何もお返しをしていない
  • そもそも「紹介してほしい」と伝えていない

紹介が生まれる3つの条件

紹介が自然に生まれるには、3つの条件が揃う必要がある。

  1. 成約後も定期的に接点がある—忘れられていない
  2. お客さんが「この会社を紹介したい」と思う瞬間がある—きっかけがある
  3. 紹介するハードルが低い—紹介方法が簡単

この3つを仕組みとして設計すれば、紹介は増える。精神論ではなく、仕組みの話だ。

仕組み1—成約後のフォローを止めない

紹介の前提は「忘れられていないこと」。だから、成約後のフォローを止めない。

  • 成約3ヶ月後: 住み心地確認の連絡(賃貸)/ 近隣相場のレポート送付(売買)
  • 成約1年後: 「ご入居1周年」のメッセージ
  • 定期: 地域の不動産市況レポート(半年に1回)

ポイントは、営業っぽくない連絡にすること。「何か売ろうとしている」と感じた瞬間に距離を置かれる。「お役に立てることがあれば」程度のトーンで十分。

仕組み2—紹介のきっかけを作る

フォロー連絡を続けていても、きっかけがなければ紹介は生まれない。

  • フォロー連絡の最後に「お知り合いで引っ越しをお考えの方がいらっしゃったら、お気軽にご紹介ください」の一言を添える
  • 紹介カード(LINEで送れるデジタル版)を用意する
  • 成約時に「ご紹介制度のご案内」を自然に渡す

紹介カードは紙でもいいが、LINEで転送できるデジタル版が圧倒的に楽。お客さんが友人に「ここ良かったよ」とLINEを送るとき、URLひとつで紹介できる状態を作っておく。ただ、LINEから友だち追加が来ても表示名だけでは誰の紹介なのか分からない。何をキーに顧客リストと結びつけるかは、LINEの友だちを既存の顧客台帳と突き合わせる設計で整理している。

仕組み3—紹介してくれた人へのお礼

紹介してくれた人に何もしない会社が多い。お礼があるかないかで、2回目の紹介が来るかどうかが決まる。

お礼の方法費用効果
Amazonギフト券 3,000〜5,000円定番。もらって困る人がいない
地域の飲食店ギフト券地域密着感が出る
仲介手数料の割引紹介された人にもメリット
手書きのお礼状ほぼ0円コストゼロで最も印象に残る

個人的には、手書きのお礼状が最強だと思っている。コストはほぼゼロなのに、もらった人の印象に一番残る。ギフト券と組み合わせるとさらに効果的。

出典・一次情報

制度・統計は改定されます。最新の情報は公表元でご確認ください。

紹介率を測る

仕組みを作ったら、効果を測る。

紹介率 = 紹介経由の成約数 ÷ 全成約数 × 100

業界平均は5〜10%。紹介の仕組みを持っている会社は20〜30%まで上がる。

まずやることは、「紹介経由かどうか」を記録する仕組みを入れること。難しい話ではない。ヒアリングシートに「紹介元」の欄を追加するだけでいい。これがないと、紹介がどれだけ来ているかすら分からない。

来週からできること

大きなシステムは要らない。来週からできることを3つ挙げる。

  1. 過去1年の成約客リストを作る(名前・連絡先・成約日)
  2. 成約半年以上のお客さん10人に連絡する(「お変わりないですか?」で十分)
  3. 紹介カードを作る(LINE用のデジタル版。Canvaで10分で作れる)

ポータルサイトの広告費を1万円増やす前に、過去に成約したお客さんに1本連絡してみてほしい。そこに、広告費ゼロの反響がある。


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よくある質問

不動産会社で紹介営業を増やすには?

成約後のフォロー継続(3ヶ月後・1年後の連絡)、紹介のきっかけ作り(紹介カードの配布)、紹介者へのお礼(ギフト券・手書き礼状)の3つを仕組み化する。ポイントは「お願い」ではなく、自然に紹介したくなる関係を維持すること。

不動産会社の紹介率はどのくらいが目安?

業界平均は5〜10%。紹介の仕組みを持っている会社は20〜30%。まず「紹介経由かどうか」を記録する仕組み(ヒアリングシートに紹介元欄を追加)を入れて、現状の紹介率を把握することが第一歩。

成約後のお客さんには、いつどんな連絡をすればいいですか?

成約3ヶ月後に住み心地確認の連絡(賃貸)または近隣相場のレポート送付(売買)、成約1年後に「ご入居1周年」のメッセージ、そのあとは半年に1回の地域の不動産市況レポート。この程度で十分です。大事なのは営業っぽくない連絡にすること。「何か売ろうとしている」と感じた瞬間に距離を置かれるので、「お役に立てることがあれば」程度のトーンにとどめます。

紹介してくれたお客さんへのお礼は何がいいですか?

Amazonギフト券3,000〜5,000円、地域の飲食店ギフト券、仲介手数料の割引、手書きのお礼状などがあります。手書きのお礼状はコストがほぼゼロなのに、もらった人の印象に一番残るのでおすすめです。ギフト券と組み合わせるとさらに効果的。お礼があるかないかで、2回目の紹介が来るかどうかが決まります。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

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