成約したお客さんから紹介が来ない不動産会社がやっていないこと
この記事のポイント
紹介営業は広告費ゼロで成約率も高い。ポータル広告を増やす前に、既存顧客からの紹介が自然に生まれる仕組みを作る。
新規集客にポータル広告費を毎月かけている。それ自体は悪くない。
でも、「過去に成約したお客さんからの紹介」はどれだけ来ているだろうか。
紹介は広告費ゼロ。しかも成約率が高い。紹介経由のお客さんは、すでに信頼のフィルターを通っているから、商談がスムーズに進む。最強の集客チャネルと言っていい。
なのに、ほとんどの不動産会社は「紹介が来る仕組み」を持っていない。いい仕事をしていれば自然に来るだろう、と思っている。来ない。
なぜ紹介が来ないのか
「いい仕事をしていれば紹介は自然に来る」—これは幻想だ。
理由はシンプルで、成約した瞬間にお客さんとの接点が切れているから。引き渡しが終わったら連絡しない。お客さんも日常に戻る。半年も経てば、どの不動産会社で契約したかすら曖昧になる。
紹介が来ない会社には共通するパターンがある。
- 成約後にお客さんとの接点が完全に切れている
- 紹介をお願いするタイミングを逃している
- 紹介してくれたお客さんに何もお返しをしていない
- そもそも「紹介してほしい」と伝えていない
紹介が生まれる3つの条件
紹介が自然に生まれるには、3つの条件が揃う必要がある。
- 成約後も定期的に接点がある—忘れられていない
- お客さんが「この会社を紹介したい」と思う瞬間がある—きっかけがある
- 紹介するハードルが低い—紹介方法が簡単
この3つを仕組みとして設計すれば、紹介は増える。精神論ではなく、仕組みの話だ。
仕組み1—成約後のフォローを止めない
紹介の前提は「忘れられていないこと」。だから、成約後のフォローを止めない。
- 成約3ヶ月後: 住み心地確認の連絡(賃貸)/ 近隣相場のレポート送付(売買)
- 成約1年後: 「ご入居1周年」のメッセージ
- 定期: 地域の不動産市況レポート(半年に1回)
ポイントは、営業っぽくない連絡にすること。「何か売ろうとしている」と感じた瞬間に距離を置かれる。「お役に立てることがあれば」程度のトーンで十分。
仕組み2—紹介のきっかけを作る
フォロー連絡を続けていても、きっかけがなければ紹介は生まれない。
- フォロー連絡の最後に「お知り合いで引っ越しをお考えの方がいらっしゃったら、お気軽にご紹介ください」の一言を添える
- 紹介カード(LINEで送れるデジタル版)を用意する
- 成約時に「ご紹介制度のご案内」を自然に渡す
紹介カードは紙でもいいが、LINEで転送できるデジタル版が圧倒的に楽。お客さんが友人に「ここ良かったよ」とLINEを送るとき、URLひとつで紹介できる状態を作っておく。
仕組み3—紹介してくれた人へのお礼
紹介してくれた人に何もしない会社が多い。お礼があるかないかで、2回目の紹介が来るかどうかが決まる。
| お礼の方法 | 費用 | 効果 |
|---|---|---|
| Amazonギフト券 3,000〜5,000円 | 低 | 定番。もらって困る人がいない |
| 地域の飲食店ギフト券 | 低 | 地域密着感が出る |
| 仲介手数料の割引 | 中 | 紹介された人にもメリット |
| 手書きのお礼状 | ほぼ0円 | コストゼロで最も印象に残る |
個人的には、手書きのお礼状が最強だと思っている。コストはほぼゼロなのに、もらった人の印象に一番残る。ギフト券と組み合わせるとさらに効果的。
紹介率を測る
仕組みを作ったら、効果を測る。
紹介率 = 紹介経由の成約数 ÷ 全成約数 × 100
業界平均は5〜10%。紹介の仕組みを持っている会社は20〜30%まで上がる。
まずやることは、「紹介経由かどうか」を記録する仕組みを入れること。難しい話ではない。ヒアリングシートに「紹介元」の欄を追加するだけでいい。これがないと、紹介がどれだけ来ているかすら分からない。
来週からできること
大きなシステムは要らない。来週からできることを3つ挙げる。
- 過去1年の成約客リストを作る(名前・連絡先・成約日)
- 成約半年以上のお客さん10人に連絡する(「お変わりないですか?」で十分)
- 紹介カードを作る(LINE用のデジタル版。Canvaで10分で作れる)
ポータルサイトの広告費を1万円増やす前に、過去に成約したお客さんに1本連絡してみてほしい。そこに、広告費ゼロの反響がある。
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SalesDockでは、不動産会社の紹介営業の仕組みづくりから、成約客リストの整理、フォロー連絡の自動化まで支援しています。「紹介が来る仕組みを作りたい」と思ったら、お気軽にご相談ください。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。
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