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AI活用

不動産会社のChatGPT活用方法|安全に始める業務と確認ルール

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この記事のポイント

ChatGPTは、判断を任せる道具ではなく、下書きや整理を助ける道具として使う。入力してよい情報、必ず確認する情報、利用者の責任を先に決めることが安全な導入につながります。

不動産会社でAIを使うなら、まずは情報の整理や文案の下書きなど、人が最終確認できる業務から始めるのが現実的です。顧客や物件に関する判断、法令・価格・掲載内容の確定をAIに任せないことが前提になります。

始めやすい3つの業務

物件紹介文の下書き:確認済みの物件情報だけを入力し、表現案を作る。

反響メールの下書き:会社の対応方針や案内項目をもとに、担当者が送信前に整える。

議事録・社内メモの要約:個人情報や機密情報を扱うルールを守りながら、次の対応を整理する。

業務AIに任せること人がやること
物件紹介文の下書き表現案を作る確認済みの物件情報だけを入力する
反響メールの下書き会社の対応方針や案内項目をもとに文案を作る担当者が送信前に整える
議事録・社内メモの要約内容を要約し、次の対応を整理する個人情報や機密情報を扱うルールを守る

そのまま使えるプロンプト例

「AIに聞いてみて」と言われても、何をどう書けばよいかで手が止まります。下の3つは、上の3業務にそのまま対応した書き方です。共通するのは、役割・材料・条件・出力形式の4つを分けて書くことと、材料の中に確認済みの情報しか入れないことです。【 】の中は自社の情報に置き換えてください。

1. 物件紹介文の下書き

あなたは不動産仲介会社の広告担当です。
以下の物件情報だけを使って、ポータルサイト掲載用の紹介文を作ってください。

【物件情報】
・種別:
・所在(町名まで):
・最寄り駅と徒歩分数:
・専有面積 / 間取り:
・築年 / 構造:
・設備で特筆すること:
・周辺環境で確認済みの事実:

【条件】
・与えた情報に書かれていないことは書かない。推測で補わない
・「日当たり良好」「閑静」などの断定は、根拠となる情報がある場合のみ使う
・断定できない項目は【要確認】と書いて空欄にする

【出力】
・250字程度の本文を3案。それぞれ訴求点を変える

最後の「書かれていないことは書かない」「断定できない項目は【要確認】」の2行が要です。これを入れないと、AIは足りない情報を自然な日本語で埋めてしまい、原本と照合する担当者がどこを確認すべきか分からなくなります。

2. 反響メールの返信案

あなたは不動産仲介会社の反響対応担当です。
以下の問い合わせに対する返信メールの下書きを作ってください。

【問い合わせ内容】(氏名・連絡先は削除済み)

【当社の対応方針】
・内見の案内は原則○曜日〜○曜日
・初期費用の概算は面談時に提示する
・在庫状況の確定回答は担当者が確認してから行う

【条件】
・在庫の有無、価格、契約条件を断定しない
・確認が必要な事項は「確認のうえご連絡します」と書く
・署名は入れない

【出力】
・件名と本文。300字以内

3. 議事録・社内メモの要約

以下の打ち合わせメモを、次の3項目に整理してください。

【メモ】(個人名は A様 / B社 に置換済み)

【出力形式】
1. 決まったこと(箇条書き)
2. 決まっていないこと・持ち帰り(担当と期限が分かるものは併記)
3. 次にやること(誰が・いつまでに)

【条件】
・メモに書かれていない担当者名や期限を補わない
・不明な場合は「未定」と書く

3つとも、入力する前に氏名・連絡先・個別事情を落としてから貼るのが前提です。置換のルール(A様、B社のように記号化する)を社内で1つ決めておくと、担当者ごとの判断のばらつきがなくなります。

慣れてきたら広げられる不動産固有の業務

上の3業務が回り始めたら、同じ考え方で広げられる業務があります。いずれも「人が最終確認できる」「原本と照合できる」という条件は変わりません。

業務AIに任せること必ず人が確認すること
査定書のコメント欄算出済みの査定額と根拠データをもとに、売主向けの説明文を組み立てる査定額そのものと、参照した取引事例。金額の算出はAIに任せない
役所調査メモの整理窓口で取ったメモを、確認先ごとに並べ替えて抜けを一覧にする法令・制限の内容。調査結果の解釈はAIに書かせない
ポータルへの入稿文確定済みの物件情報から、媒体ごとの文字数に合わせた文面を作る数値・条件・広告表示のルール。掲載前に原本と突き合わせる
追客メールの文面案状況別のテンプレートを複数案作る送信対象の抽出と送信操作。宛先の判断は人が行う

共通しているのは、AIが担当するのは「文章にする」ところまでで、金額・法令・掲載可否といった判断は人が持つという線引きです。この線を業務ごとに引いておくと、担当者が迷わずに使えます。

不動産会社のためのAI活用チェックリスト25

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利用するアカウントを決めるときに確認すること

個人のアカウントで各自が勝手に使っている状態は、入力ルールを決めても守られているか確認できません。会社として使うアカウントを決める段階で、提供元の公式なドキュメントを見て、次の点を確認してください。サービスの仕様や規約は改定されるため、社内ルールに書き写すときは確認した日付を残しておくと、次に見直すときに判断しやすくなります。

  • 入力した内容がモデルの学習に使われるかどうか。使われる場合、それを止める設定があるか
  • その設定は利用者が個別に変えられるのか、管理者側でまとめて設定できるのか
  • 入力・出力の履歴がどこにどれだけ保存され、削除できるか
  • 管理者が、誰がいつ使ったかを確認できるか
  • 退職・異動のときにアカウントを回収・停止できるか
  • 個人アカウントでの業務利用を認めるのか、認めないのか

この6点が決まっていれば、あとは「どのプランを使うか」の話に落ちます。逆に、プランを先に決めても、上の6点が社内で共有されていなければ運用は揃いません。

入力してよい情報を決める

氏名、連絡先、本人確認書類、未公開の契約条件、売主・買主の個別事情などは、入力範囲を社内で明確にするまで扱わない方がよい。物件情報でも、公開前の情報や正確性が求められる数値は、原本と照合できる担当者が確認します。社内ルールの作り方は、AI利用ルールの整え方を参考にしてください。

人が確認するポイント

出力をそのまま公開・送信しないこと。物件の所在地、面積、価格、取引条件、法令に関する説明、広告表示は、必ず原本と照合します。AIの出力が事実らしく見えても、正しいとは限りません。担当者、確認元、公開の最終判断者を記録する運用にします。

小さく試して、運用へ広げる

一つの業務、少人数、短い期間で試し、修正が多かった箇所や判断に迷った箇所を記録します。その内容をプロンプトやチェックリストに反映してから対象業務を増やすと、使う人による品質差を抑えやすくなります。中小企業がAI活用を始める手順もあわせて確認してほしい。

よくある質問

不動産会社はChatGPTをどの業務から使い始めればいいですか?

人が最終確認できる業務から始めるのが現実的です。始めやすいのは、確認済みの物件情報だけを入力して表現案を作る物件紹介文の下書き、会社の対応方針や案内項目をもとに担当者が送信前に整える反響メールの下書き、個人情報や機密情報を扱うルールを守りながら次の対応を整理する議事録・社内メモの要約の3つです。

ChatGPTに顧客の氏名や連絡先を入力してもいいですか?

氏名、連絡先、本人確認書類、未公開の契約条件、売主・買主の個別事情などは、入力範囲を社内で明確にするまで扱わない方がよいです。物件情報でも、公開前の情報や正確性が求められる数値は、原本と照合できる担当者が確認します。

ChatGPTが作った物件紹介文はそのまま公開してよいですか?

そのまま公開・送信しないでください。物件の所在地、面積、価格、取引条件、法令に関する説明、広告表示は、必ず原本と照合します。AIの出力が事実らしく見えても正しいとは限らないため、担当者、確認元、公開の最終判断者を記録する運用にします。

不動産業務でAIを安全に使いたい方へ

現場の業務とデータの扱いを確認し、AIに任せる範囲と人が確認する範囲を一緒に設計します。

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泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

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