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業務改善

「先月の売上いくら?」と聞かれて即答できなかった経営者へ

「いきなりCRMを入れない」が正解だった理由

10分で読める

この記事のポイント

経営数字の見える化は「スプレッドシート整理 → KPIシート → ダッシュボード → CRM」の順番が鉄板。いきなりCRMを入れると、プロパティ名が部門ごとにバラバラになって誰も使わなくなります。

「月次の数字、すぐ答えられますか?」

「先月の売上いくら?」と聞かれて、5秒で答えられる経営者はどれくらいいるでしょうか。「展示会のROIは?」と聞かれたらどうでしょう。多くの方が「ちょっと調べます」と答えるはずです。

現場で起きていることは、だいたい同じパターンです。数字の入力が手打ち。入力漏れが頻発する。チャネル別(展示会・広告・紹介)の効果が紐付いていない。月末になるとExcelを開いて「あれ、この数字どこから来たんだっけ?」と首を傾げる。

ある広告系の企業では、チャネル別のROI計測シートがすべて手打ちでした。イベントの参加コストと入会数の紐付けができておらず、「展示会に出た意味があったのか」を誰も答えられない状態。担当者に聞くと「入ったけど入力忘れているものが結構ある」と言う。これ、ほぼ全社で聞く言葉です。

よくある失敗:いきなりCRMを入れる

「数字が見えないなら、CRMを入れよう」——この判断は一見正しく見えます。しかし、データ構造を整理しないままCRMを導入すると、2つの問題が発生します。

問題1:プロパティ名が部門ごとに違う。営業部は「商談ステータス」、カスタマーサクセス部は「対応状況」と呼んでいる。同じ意味のフィールドなのに名前が違うから、CRMのプロパティが2つできる。結果、検索しても出てこない。入力時に迷う。誰も正しく使えない。

問題2:データが複数のDBに分散して横断検索できない。ある企業ではLarkで広告主・代理店などの企業データが別テーブルになっていました。2つのDBにデータが散らばっていて、「この広告主の全取引を一覧で見たい」ができない。CRMに移行しても、元のデータ構造がバラバラなら同じことが起きます。

「ツールを入れれば解決する」は幻想です。データ構造の整理が先。これが鉄則です。

正しい順番:4つのステップ

経営数字の見える化には、正しい順番があります。焦ってステップを飛ばすと、後から手戻りが発生します。

Step 1:スプレッドシートを1枚に集約する(1〜2週間)

まず、バラバラに存在するシートを1ファイルに統合します。営業部のシート、経理のシート、マーケのシート——それぞれが独自フォーマットで管理しているケースがほとんどです。

分類名の名寄せ:「Web問い合わせ」「WEB問合せ」「ウェブ問い合わせ」が混在していませんか。これを1つに統一するだけで、集計精度が劇的に上がります。

チャネルの統一分類:リードの流入経路を「展示会」「Web広告」「紹介」「自然流入」のように統一分類して、文字列一致で自動カウントできる状態にします。

この段階では新しいツールは不要です。今あるGoogleスプレッドシートかExcelだけで完結します。

Step 2:KPIシートを構築する(2〜4週間)

1枚に集約したデータをもとに、KPIシートを設計します。月次サマリーと週次トラッキングの2軸でレイアウトを組むのがおすすめです。

チャネル別ROI行を追加:リード数・商談転換率・受注率・CPAをチャネルごとに並べます。「展示会に100万かけてリード50件、うち商談化10件、受注3件。CPA33万円」——こういう数字が一目で見える状態を作ります。

手打ちを減らす:COUNTIF、SUMIFS、VLOOKUPなどの関数で、入力データから自動集計する仕組みを組みます。手打ちの箇所が多いほど入力漏れが増えるので、関数化できるところは徹底的に自動化します。

詳しい設計方法は現場の数字スッキリでも解説しています。

Step 3:ダッシュボードにする(1〜2ヶ月)

KPIシートが安定稼働したら、グラフで推移を可視化するフェーズです。月次PL・取引先構成・経費内訳をグラフ化するだけで、「数字を読む」から「数字が目に入る」に変わります。

ここでのポイントは「見に行く」から「気づく」への転換です。アラート通知を設定して、異常値が出たときにSlackやメールで自動通知が飛ぶようにします。売上が前月比20%以上下がったら通知、CPAが閾値を超えたら通知。「ダッシュボードを見に行かなくても異変に気づける」状態が理想です。

ダッシュボード構築の具体的な進め方は現場のダッシュボードをご覧ください。

Step 4:CRMに移行する(必要になったら)

CRMへの移行は「必要になったら」で十分です。全社で一斉導入ではなく、まず営業チームだけ、まず1つの事業部だけ、という段階移行が現実的です。Step 1〜3でデータ構造が整理されていれば、CRMへのデータ投入もスムーズに進みます。

CRM移行のタイミング — 3つのサイン

「いつCRMに移行すべきか」は、よく聞かれる質問です。以下の3つのサインが出たら、移行を検討するタイミングです。

1

担当者10名超でシートの同時編集が破綻したとき

スプレッドシートは5〜6名までなら快適に使えます。しかし10名を超えると、同時編集の競合、シートの重さ、権限管理の限界が出てきます。「シートが重くて開けない」「誰かが数式を壊した」という声が増えたら要注意です。

2

顧客のリレーションを紐付けたくなったとき

「この企業の担当者は誰?」「この担当者が関わっている案件は?」——企業→担当者→案件の3階層を紐付けたくなったら、スプレッドシートでは限界です。CRMのリレーショナルな構造が必要になります。

3

カレンダー・メール・チャットとの連携が必要になったとき

「商談のスケジュールをCRMに自動記録したい」「メールの送受信履歴を顧客に紐付けたい」——外部ツールとの連携が求められたら、CRMの出番です。

移行するときの鉄則

「データ構造を整理してから移行する」。不要なプロパティは削ぎ落とし、命名規則を統一してから入れる。CRMは入れた後に構造を直すのが非常に大変です。

効果をどう測るか

「見える化をした結果、何が変わったのか」を定量的に測定することが重要です。以下の4つの指標で、ビフォー・アフターを比較してください。

指標BeforeAfter(目標)
月次集計にかかる時間半日〜1日自動(0分)
チャネル別CPA不明シートで即答
「数字を聞かれて答えるまでの時間」「調べます」5秒
入力漏れ率体感20%以上5%以下

特に「数字を聞かれて答えるまでの時間」は、経営者自身が一番実感しやすい指標です。「調べます」が「5秒で即答」に変わったとき、見える化の効果を確信できるはずです。

まずは1枚のシートに集約するだけでいい

CRMは最後でいい。まず今あるスプレッドシートを「1枚に集約する」だけで景色が変わります。バラバラだった数字が1箇所に集まるだけで、「あれ、この月だけ紹介経由のリードが多いな」「展示会の費用対効果、思ったより低いかも」——そういう気づきが自然と生まれます。

最初の一歩は30分あればできます。今使っているシートを1つのフォルダにまとめて、分類名を揃える。それだけです。

Excelからシステムへの移行を検討されている方は「Excel管理からシステム移行を成功させる方法」もあわせてご覧ください。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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