受発注のデジタル化はどこから手を付けるか|順番を間違えない
紙をなくすことと、手を止めないことは別の話
受発注デジタル化の結論
デジタル化の相談で多い失敗は、一番目立つところ(紙)から手を付けて、一番詰まっているところが残ることです。
- 最初に触るのは受け口ではなく、いま人が手を動かしている場所です。紙をなくしても、入力の手間が別の場所へ移るだけのことがあります。
- 着手順は、件数が多く、間違えたときの影響が大きく、自社だけで変えられるところから。この3つが重なる場所が最初の1つです。
- 取引先に様式変更を求める施策は最後に回します。相手の都合で止まり、そこで全体が止まります。
この記事は受発注のデジタル化の着手順を扱います。FAX受注そのものの進め方はFAX受注を効率化する3ステップで扱っています。
受発注のデジタル化の相談で多いのは、一番目立つところから手を付けて、一番詰まっているところが残るという形です。
目立つのは紙です。FAXの束、印刷した注文書、綴じたファイル。ここを消せば進んだ気がします。ただし紙が消えても、人の手は止まっていないことがあります。
手が動いている場所を先に見る
紙で受けて画面に入力していたものが、画像で受けて画面に入力する形になっただけ。これはよく起きます。受け口を変えても、その先の入力が残っていれば、手は同じだけ動きます。
だから最初に見るのは、受け口ではなく、いま誰が何を打ち込んでいるかです。
着手順の決め方
3つが重なるところを最初の1つにします。
- 件数が多い:月に何件通るか。少ないところを直しても、時間は減りません
- 間違えたときの影響が大きい:出荷や請求に直結するか。影響が小さいなら急ぎません
- 自社だけで変えられる:取引先の合意が要るものは、ここでは選びません
1つでも欠けると、効果が小さいか、途中で止まります。
取引先に頼む話は最後に回す
様式を揃えてもらう、専用の画面を使ってもらう。これらは効果が大きい一方で、相手の都合で止まります。そこで全体が止まると、自社だけで進められた改善まで進まなくなります。
1つ変えるたびに、手が減ったかを確かめてください。同時に変えると、うまくいかなかったときにどこが原因か分かりません。1つずつのほうが、結果として速く進みます。
受発注のデジタル化についてよくある質問
紙をなくすことが目的ではないのですか?
紙が減れば保管や検索は楽になりますが、それだけでは人の手は止まりません。紙で受けて画面に入力していたものが、画像で受けて画面に入力する形になっただけ、ということが起こります。手が動いている場所を先に見てください。
どこから手を付けるか、判断の基準はありますか?
件数が多い、間違えたときの影響が大きい、自社だけで変えられる。この3つが重なる場所です。1つでも欠けると、効果が小さいか、途中で止まります。
取引先に様式を揃えてもらうのは有効ですか?
有効ですが、最後に回してください。相手にとっては自社のためだけに手順が変わる話なので、断られることがあります。そこで全体が止まると、他の改善まで進まなくなります。
一度に全部やったほうが早くないですか?
同時に変えると、うまくいかなかったときにどこが原因か分かりません。1つずつ変えて、変えるたびに手が減ったかを確かめるほうが、結果として速く進みます。
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泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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