受発注管理をExcelで続けられる条件|限界が来る4つのサイン
Excelが悪いのではなく、限界のサインを見逃すのが問題
受発注のExcel運用についての結論
Excelをやめるべきかの相談で、件数を基準にすると判断を誤ります。見るのは人数と履歴です。
- 件数が少なく担当が1人なら、Excelで問題ありません。乗り換えの理由は件数ではなく、同時に触る人が増えたかどうかです。
- 限界のサインは4つです。同時に開けない、いつ誰が変えたか分からない、他のファイルへの転記が増えた、作った人以外が直せない。
- 乗り換える前に、いまのExcelの列を整理してください。散らかったまま移すと、散らかった状態がそのまま移ります。
この記事は受発注管理をExcelで続けられるかの見極めを扱います。FAX受注そのものの進め方はFAX受注を効率化する3ステップで扱っています。
受発注をExcelで回している会社に「そろそろシステムに」と勧める話は、たいてい早すぎます。
件数が少なく、触るのが1人なら、Excelで問題ありません。問題は、限界が来ているのに気づかずに続けることです。
限界が来ている4つのサイン
- 同時に開けない:「誰か開いてる?」が毎日発生しているなら、待ち時間が仕事になっています
- いつ誰が変えたか分からない:数字が違うと分かったとき、いつからそうだったかを追えません
- 他のファイルへの転記が増えた:受注表から請求用、在庫用へと写す作業が育っています
- 作った人以外が直せない:数式が長くなり、触ると壊れるので誰も触らなくなっています
4つのうち、一番危ないのは最後です。他の3つは不便ですが、最後の1つは、その人が辞めた瞬間に業務が止まります。
移す前に列を整理する
乗り換えを決めたとして、いまのExcelを散らかったまま移すと、散らかった状態がそのまま移ります。列の意味が重なっている、同じことを別の言い方で書いた列がある、誰も使っていない列が残っている。
移す前に、列ごとに「これは何を表すか」を一文で書いてください。書けない列は、消せる列です。
転記は場所が変わるだけのことがある
システムに移せば転記がなくなる、とは限りません。受注を受ける経路と、その先の在庫や請求へのつなぎ方まで設計しないと、転記の場所が変わるだけです。
移す前に、いまどこからどこへ手で写しているかを全部書き出してください。紙からExcelへ、Excelから別のExcelへ、Excelから会計ソフトへ。この矢印が減らないなら、移す意味は小さくなります。
受発注のExcel運用についてよくある質問
何件くらいからExcelでは無理になりますか?
件数で決まりません。1人で月に数百件を回している会社もあれば、月に数十件でも3人が同時に触ると破綻する会社もあります。見るのは同時に触る人数と、履歴が要るかどうかです。
クラウド版のExcelなら同時に開けますが、それで解決しませんか?
同時に開ける問題は解決します。ただし「いつ誰がどの行を変えたか」を後から追う用途には向きません。変更履歴が要る業務かどうかで判断してください。
システムに移せば転記はなくなりますか?
受注を受ける経路と、その先の在庫や請求のつなぎ方まで設計しないと、転記の場所が変わるだけになります。移す前に、いまどこからどこへ手で写しているかを全部書き出してください。
作った人が辞めてしまい、誰も直せません。どうすればいいですか?
まず、そのファイルが何をしているかを外から観察して書き出します。中の数式を読み解くより、入力と出力の対応を記録するほうが早いことが多いです。作り直す判断もそこから決められます。
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泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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