FAXをOCRで読む前に知っておくこと|精度が落ちる条件と回避策
読ませる前の状態で、結果はほぼ決まる
FAXのOCRについての結論
OCRを入れて失敗する会社は、たいてい「全部を自動で読ませる」設計にしています。
- 精度はソフトの性能より、読ませる紙の状態で決まります。手書き、かすれ、罫線と文字の重なりが三大要因です。
- 全項目を読ませようとしないでください。品番と数量だけを読ませて残りは人が見る、のほうが早く回ります。
- 読み違いはゼロにできません。気づける形にすることが目的です。元のFAX画像をすぐ開けるようにしておきます。
この記事はFAXをOCRで読むときの精度を扱います。FAX受注そのものの進め方はFAX受注を効率化する3ステップで扱っています。
「FAXをOCRで読めば、転記がなくなる」。相談ではよくこの形で始まります。
読めること自体は事実です。ただし精度は、ソフトの性能より、読ませる紙の状態で決まります。
精度が落ちる3つの条件
- 手書き:書き手によって差が大きく、同じ取引先でも担当が変わると結果が変わります
- かすれ・にじみ:送信側の機器と回線で変わります。こちらでは直せません
- 罫線と文字の重なり:枠にきっちり書かれていない数字は、罫線ごと1つの文字に見えます
このうち2つは送信側の事情で、自社では変えられません。だから「精度を上げる」より「精度が低い前提で回る形にする」ほうが現実的です。
読ませる項目を絞る
すべての項目を読ませると、どれが間違っているか分からなくなり、結局全部を見直すことになります。品番と数量だけを読ませて、残りは人が見る。これで見る場所が決まります。
何を絞るかは、間違えたときの影響で決めてください。数量の読み違いは出荷に直結しますが、備考欄は後から直せます。
読ませる前に整える
自社側でできることもあります。受信を紙に出さずに画像のまま扱う、解像度を落とさない、届いた順に決まった場所へ貯める。紙に出してからスキャンし直すと、その分だけ情報が落ちます。
気づける形にする
読み違いはゼロにできません。目的は、起きたときに気づけることです。
元のFAX画像を1クリックで開けるようにしておいてください。これが一番効きます。読み取った値の隣に元画像へのリンクがあれば、疑わしい行だけをその場で確かめられます。
あわせて、前回実績と大きく違う数量に印を出すと、見るべき行が絞れます。
FAXのOCRについてよくある質問
手書きのFAXは読めますか?
読める場合もありますが、書き手によって差が大きく、安定しません。手書きが混ざる取引先については、読ませる項目を数量だけに絞るか、最初から人が見る前提にしたほうが結果的に早く回ります。
精度は何パーセントくらいですか?
紙の状態と項目によって大きく変わるので、一般的な数字で見積もらないでください。自社の実物を何十枚か読ませて、項目ごとに間違いの数を数えるのが唯一確かな方法です。
複合機の付属機能で足りますか?
受けたFAXを画像として保存するだけなら足ります。項目を取り出して台帳へ渡すところまで必要なら、そこが備わっているかを確認してください。保存と読み取りは別の機能です。
読み違いが起きたとき、どう気づけばいいですか?
元のFAX画像を1クリックで開けるようにしておくのが一番確実です。数字の桁が変わる項目には、前回実績と大きく違うときに印が出る仕組みを足すと、見るべき行が絞れます。
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泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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