受発注システムの選び方|製品を比べる前に受注経路を数える
製品ではなく、自社の受注経路から数える
受発注システム選びの結論
受発注システムの比較でつまずく一番の原因は、自社の受注の実態を数える前に製品を見にいくことです。
- 先に数えるのは製品の機能ではなく、自社が注文を受けている経路です。FAX・電話・メール添付・取引先ポータルが混ざったままだと、どれを入れても一部が手作業で残ります。
- 比べる観点は5つです。受けられる経路、いまの台帳とのつなぎ方、取引先に何を求めるか、間違いに気づける形か、止まったとき誰が直すか。
- 取引先に操作を求める設計は相手の都合で止まります。断られても業務が回る形から始めてください。
この記事は受発注システムの選び方を扱います。FAX受注そのものの進め方はFAX受注を効率化する3ステップで扱っています。
受発注システムの相談で最初に伺うのは、製品名ではありません。「いま、注文はどこから来ていますか」です。
ここを数えずに製品を比べると、導入後に同じ話になります。入れたのに、結局FAXの束が残っている。
まず受注経路を数える
多くの会社で、注文は1つの経路からは来ていません。FAX、電話、メールの添付、取引先のポータル、営業が現場で受けたメモ。これらが混ざったまま同じ台帳に入っています。
経路ごとに1か月の件数を数えてください。感覚で「FAXが多い」と言っていた会社で、数えたらメール添付のほうが多かったことがあります。
比べる5つの観点
- 受けられる経路:自社の経路のうち、いくつをそのまま受けられるか。受けられない経路は手作業として残ります
- いまの台帳とのつなぎ方:販売管理や在庫の台帳へどう渡すか。ここが手渡しだと、転記が場所を変えただけになります
- 取引先に何を求めるか:相手に操作や様式変更を求める設計は、相手の都合で止まります
- 間違いに気づける形か:読み違いや抜けが起きたとき、誰がどこで気づくか。気づけない仕組みは入れないほうがましなことがあります
- 止まったとき誰が直すか:社内に触れる人がいないなら、外部に頼める形かを先に確認します
取引先に操作を求める設計は最後に回す
取引先に専用画面を使ってもらう形は、うまくいけば一番きれいです。ただし相手にとっては、自社のためだけに手順が増える話です。取引数の多い相手なら成立することもありますが、全社に広げる前提では考えないほうが安全です。
断られても業務が回る設計にしておいてください。
1経路だけで始める
件数の多い経路を1つ選び、そこだけを対象にします。複数を同時に変えると、うまくいかなかったときにどこが原因か分かりません。
選んだ経路で、転記にかかっている時間を先に測ってください。導入後に「楽になった気がする」で終わらせないためです。測るのは、始まる前にしかできません。
受発注システムについてよくある質問
FAXを完全になくせますか?
取引先の都合があるので自社だけでは決められません。現実的なのは、FAXで受けること自体は残したまま、受けたあとの転記と確認をなくす形です。相手に操作を求めない範囲から始めると止まりにくくなります。
販売管理システムがあれば受発注システムは要りませんか?
受注を記録する機能は重なりますが、受け口が違います。販売管理は社内で入力する前提の作りが多く、外から来る注文をそのまま受ける形にはなっていないことがあります。いま誰が何を手で入れているかを見ると、どちらの問題か切り分けられます。
小さく試すにはどこから手を付ければいいですか?
一番件数の多い経路を1つ選び、その経路だけを対象にします。複数を同時に変えると、うまくいかなかったときにどこが原因か分かりません。
取引先に新しい画面を使ってもらうのは現実的ですか?
取引数の多い相手なら成立することがありますが、全社に広げる前提では考えないほうが安全です。相手にとっては自社のためだけに手順が増える話なので、断られても業務が回る設計にしておきます。
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全体像はFAX受注を効率化する3ステップ|製造業が取引先を変えずに始める方法にまとめています。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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