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比較・選び方ガイド

不動産会社のSFA・CRM導入支援の選び方—製品より先に決める項目

依頼先の違いより先に、自社で決めておくことがあります

不動産会社の反響対応や追客の仕組みづくりを支援しているSalesDockが、SFA・CRMの導入支援を選ぶ前に社内で決めておきたいことと、依頼先の比べ方をまとめました。

結論:不動産会社のSFA・CRM導入支援は、管理の軸と追客の段階を決めてから選ぶ

不動産会社のCRMが使われなくなる原因は、製品の機能不足より、何を誰が入力するかを決めないまま入れたことにある場合が多いと感じます。決める項目が埋まっていれば、依頼先に何を頼むのかがはっきりし、見積もりも同じ条件で比べられます。

  • 製品を比べる前に、顧客と物件のどちらを軸に管理するか、反響の入口、追客の段階、入力する人と見る人を社内で決めます。
  • 物件管理とポータル連動もまとめて見直すなら不動産業向けシステムの販売会社、会社全体で1つの顧客管理にしたいなら汎用CRMの導入パートナーが向いています。
  • 何を管理するかがまだ決まらない場合や、前に入れたCRMが使われなかった場合は、業務整理から伴走する支援会社を選ぶと手戻りが少なくなります。

不動産会社のSFA・CRMが、入れた後に使われなくなる理由

不動産会社から顧客管理の相談を受けると、「CRMは入れたけれど、誰も入力していない」という話から始まることがよくあります。SalesDockが支援している仲介会社(従業員20〜30名)では、反響メールや電話メモをCRMへ入力する作業に1日2〜3時間かかっていました。現場が入力をやめ、CRMは空のまま、追客は古いリストの上から順に電話する形に戻っていました。

別の仲介会社では、反響から初回返信までが平均2時間で、担当者によって4倍の差がありました。顧客の記録はExcelにあり、担当者が休むと誰も続きを追えない状態です。どちらの会社も、足りなかったのは製品の機能ではありません。誰が何を入力し、誰がそれを見て動くのかが決まっていなかったことが原因でした。

2社の状況と、いま進めている仕組みは事例ページで公開しています。CRM入力をなくし、今日追う顧客だけ毎朝知らせる反響の初回返信を、誰が出しても15分以内にする。どちらも設計中の案件です。

入力されない理由を5つに分けて整理した不動産のCRMが使われない理由と直す順番も、前に入れたCRMが止まっている会社は先に読んでおくと、次の依頼先に何を頼むべきかが見えやすくなります。

製品より先に決める6つの項目

次の6つは、どの依頼先を選んでも最初に聞かれる内容です。社内で答えを持っていれば、提案を同じ条件で比べられます。全部が決まっていなくても相談はできますが、1つ目と2つ目だけは書いておくと、合う製品の形が絞れます。

  1. 1. 顧客、物件、案件のどれを軸に管理するか

    一般的なSFA・CRMは「顧客1人に商談が1本ぶら下がる」形で作られています。不動産の売買仲介では、同じ方が売主にも買主にもなり、1つの物件に複数の購入検討者がつきます。顧客を軸にするのか、物件を軸にするのかで、合う製品の形が変わります。

  2. 2. 反響がどこから入り、誰が最初に受けるか

    ポータルサイト、自社サイトのフォーム、電話、来店、紹介。入口ごとに、反響メールを取り込むのか手で入れるのか、最初に返信する担当をどう決めるのかを書き出します。取り込みの方法は製品ごとに差が大きい部分なので、ここが決まっていないと比較ができません。

  3. 3. 追客の段階をどこで区切るか

    反響、初回返信、来店や内見、申込、契約のように、案件が進む段階を社内の言葉で決めます。賃貸と売買を両方扱う会社は、段階の数も期間も違うので分けて考えます。

  4. 4. 誰が入力し、誰が見るか

    営業担当が毎回入力する前提にするのか、反響メールや名刺から自動で入る分を増やすのか。見る側は、社長が週に1回数字を見るのか、店長が毎朝その日の追客先を見るのか。見る人と頻度が決まると、入力してもらう項目を絞れます。

  5. 5. 物件管理、ポータル連動、会計のどれを正にするか

    物件情報はすでに物件管理やポータル連動のシステムに入っていることが多く、CRMにも同じ情報を持たせると二重入力になります。物件はどこ、顧客はどこ、売上はどこ、と情報ごとに正の置き場を1つに決めておきます。

  6. 6. 導入前に、今の数字を控えておく

    反響から初回返信までの時間、反響のうち記録に残っている件数、月の来店数と契約数。導入前に1か月分だけでも控えておかないと、入れた後に効果があったのかを誰も説明できません。

1つ目の管理の軸は、汎用CRMを検討している会社ほど後から効いてきます。売主と買主と物件が交差する形と、汎用CRMの形の違いは不動産会社にSalesforce・HubSpotは合うのかで詳しく書いています。項目を書き出す様式が欲しい場合は、CRM構築前に作るデータ定義書の7項目がそのまま使えます。

不動産会社がSFA・CRM導入を頼める依頼先4種類を比較

「SFA・CRMの導入支援」をうたう会社を中身で分けると、次の4種類になります。上の6項目のうち、どこまで社内で決められているかによって、合う相手が変わります。

依頼先費用のかかり方得意なこと任せにくいこと向いている会社
不動産業向けシステムの販売会社月額の利用料。初期設定やデータ移行は別料金のことが多い物件登録、ポータル連動、反響の取り込みまで含めた設定自社製品以外との比較、製品の外にある業務の整理物件管理とポータル連動をまとめて見直したい会社
汎用SFA・CRMの導入パートナー製品の利用料に加えて、設定や構築の費用SalesforceやHubSpotなど、特定製品の設定と拡張不動産特有の、売主と買主と物件が交差する形への当てはめ不動産以外の事業も持ち、会社全体で1つの顧客管理にしたい会社
開発会社開発費と保守費。範囲が変わると金額も変わる決まった要件どおりに、自社専用の仕組みを作ること何を作るかを一緒に決めること管理したい項目と画面を文章で渡せる会社
業務整理から伴走する支援会社月額の支援費か、案件ごとの費用上の6項目を一緒に決め、製品選びから社内で使われるまでを続けて見ること物件管理システムそのものの開発、大規模な基幹システムの入れ替え何を管理するかから決めたい、前に入れたCRMが使われなかった会社

不動産業向けシステムの販売会社

物件とポータル連動を中心に作られた製品に、顧客管理や追客の機能が付いているものです。不動産の業務の言葉がそのまま通じるので、初期設定は早く進みます。ただ、比べる相手は基本的に自社製品の中だけです。すでに物件管理のシステムを使っている会社が顧客管理だけ強化したい場合は、今のシステムの顧客管理機能で足りないのはどこかを先に確かめます。

汎用SFA・CRMの導入パートナー

SalesforceやHubSpotには、メーカーが認めた導入パートナーの仕組みがあります。製品の設定には詳しく、自動化や他のシステムとの連携も任せられます。一方で、不動産の業務に合わせるには、物件を軸にした管理を汎用の形に置き換える作業が要り、ここが費用と期間の大半になります。不動産の案件を扱った経験があるかを最初に聞いておきます。

開発会社

既製品では合わない業務がはっきりしていて、要件を書ける人が社内にいるなら、自社専用に作る選択肢があります。要件が固まっていない段階で頼むと、打ち合わせのたびに仕様が動き、見積もりが膨らみます。作った後の修正や保守を誰に頼むかも、契約前に決めておきます。

業務整理から伴走する支援会社

今の反響対応や追客の流れを聞き出して書き出すところから入り、製品選びや簡単な仕組みづくり、現場で使われ続けるまでを続けて見ます。既製品が合う場合は既製品を勧め、足りない部分だけスプレッドシートや自動化で補うこともあります。その分、社長か店長が月に何度か確認に答える時間を取れないと進みません。

1社に全部を頼む必要はありません。項目を決めるところまでを伴走型の支援会社と進め、製品が決まったら販売会社や導入パートナーに設定を頼む、という分け方もできます。そのときは、全体の順番を誰が見るのかだけは決めておきます。SalesDockはこの4つ目にあたり、物件管理システムそのものの開発や大規模なシステムの入れ替えは、表の上の方の依頼先が向いています。

SFA・CRMの導入支援会社と契約する前に確かめること

同じ種類の依頼先の中で2社以上を比べるときは、事例の数より次の点を揃えて聞くと差が出ます。不動産会社が後から困りやすい順に並べました。

  1. 1. 製品のデモより先に、今の反響対応と追客を聞いてくるか

    最初の打ち合わせが画面の説明から始まる場合、業務を製品に合わせる進め方になりやすくなります。反響の入口、返信する人、追客の段階を先に聞いてくる相手は、製品を業務に合わせようとしています。

  2. 2. 賃貸と売買、仲介と買取の違いを踏まえた提案になっているか

    同じ「不動産会社」でも、賃貸仲介と売買仲介、買取再販では追いかける相手も期間も違います。提案書の段階の区切り方や項目が、自社の事業に合わせて書かれているかを見ます。

  3. 3. ポータルの反響をどう取り込むかが、具体的に書かれているか

    「反響を一元管理できます」だけでは足りません。どのポータルの反響メールを、どの項目に、自動と手作業のどちらで入れるのかまで確認します。ここが曖昧なまま入れると、結局どこかで転記が残ります。

  4. 4. 自社側の作業が、誰が何時間と書かれているか

    顧客データの整理、段階の定義の確認、社員への説明は必ず自社に残ります。書かれていない提案は、作業が無いのではなく、見積もっていないだけです。

  5. 5. 管理者アカウントとデータの名義が自社になり、書き出せるか

    支援会社のアカウントで契約した製品は、契約が終わると触れなくなることがあります。管理者権限を誰が持つか、顧客データをいつでも書き出せるかを契約前に決めます。

  6. 6. 使われているかを、何の数字で確かめるか

    入れた後に、反響のうち何件が記録されたか、初回返信までの時間がどう変わったかを誰が見るのか。導入後の確認の仕方まで提案に入っている相手は、定着までを自分の仕事と考えています。

依頼先の種類にかかわらず、IT担当者がいない会社で共通して抜けやすい点はIT担当者がいない中小企業のシステム導入支援の選び方にまとめています。不動産以外の事業も含めて依頼先を考えている場合は、あわせて読んでみてください。

補助金を使うなら、項目を決めてから依頼先を探す

国のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を使う場合、通常の申請では事務局に登録されたIT導入支援事業者と組んで申請する必要があります。補助の対象も、事務局に登録されたツールに限られます。

締め切りから逆算して製品を急いで決めると、自社の追客の形に合わない製品を補助付きで入れることになりかねません。上の6項目を先に決め、合う製品を扱っている事業者を探す順番にすると崩れにくくなります。制度の詳細はデジタル化・AI導入補助金の公式サイトで確認してください。

SFA・CRMの導入効果は、入力の割合と初回返信までの時間で測る

不動産会社のSFA・CRMで最初に見る数字は、契約数より手前にあります。反響がきちんと記録されているかと、初回返信までの時間です。契約数は物件や季節の影響が大きく、導入から数か月では差が見えにくいためです。

測るもの導入前導入後
反響のうち記録に残った割合ポータルの管理画面の反響数と、Excelや手帳に残っている件数を比べる同じ月の反響数と、SFA・CRMに入っている件数を比べる
初回返信までの時間反響メールの受信時刻と、最初の返信の送信時刻を20件分控えるSFA・CRMの記録から、同じ計算で出す
追客の抜け次の連絡予定が決まっていない顧客の数を、月末に数える次の連絡予定が空欄の顧客の数を、同じ日に数える

記録の割合が上がらないうちは、どんなに良い製品でも他の数字は信用できません。導入後の最初の1か月は、この割合を週に1回見るだけでも十分です。規模ごとにどの種類のツールが合うかをもう一度確かめたい場合は、不動産向け業務効率化ツール比較で、物件管理、CRM、スプレッドシートの使い分けを整理しています。

不動産会社のSFA・CRM導入支援についてよくある質問

不動産会社のSFA・CRM導入支援は、どう選べばよいですか。

製品を比べる前に、顧客と物件のどちらを軸に管理するか、反響の入口と最初に受ける人、追客の段階、入力する人と見る人、物件や会計の情報をどこに置くか、導入前の数字の6つを決めます。そのうえで、物件管理とポータル連動も見直すなら不動産業向けシステムの販売会社、会社全体で1つの顧客管理にしたいなら汎用CRMの導入パートナー、項目がまだ決まらないなら業務整理から伴走する支援会社を選びます。

不動産会社にSFAとCRMは両方必要ですか。

今の製品はSFAとCRMの機能を両方持つものが多く、別々に入れる必要はほとんどありません。先に決めるのは、反響から契約までの追客を見たいのか、契約後の紹介やリピートまで含めた関係を見たいのかです。前者ならSFAの機能、後者ならCRMの機能を中心に製品を見ます。

不動産業向けのシステムと、SalesforceやHubSpotのような汎用CRMはどちらがよいですか。

物件を軸に反響や追客を管理したい会社には、不動産業向けのシステムの方が設定の手間が少なく済みます。不動産以外の事業も持ち、会社全体の顧客を1つにまとめたい場合は汎用CRMが候補になります。汎用CRMを不動産の業務に合わせる作業が、導入費用の大半を占めることは見込んでおきます。

前に入れたCRMが使われなくなりました。何から見直せばよいですか。

製品を替える前に、誰が何を入力する前提だったかを確かめます。営業担当の入力に頼る項目が多いほど、忙しい時期から記録が止まります。反響メールから自動で入る項目を増やし、手で入れる項目を減らせないかを先に検討します。

SFA・CRMの導入効果は、どう測ればよいですか。

導入前に、反響から初回返信までの時間、反響のうち記録に残っている件数の割合、月の来店数と契約数を1か月分控えておきます。導入後に同じ数字を測り直し、差を見ます。導入前の記録が無いと、効果は感想でしか語れません。

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