SalesDock ロゴSalesDock
比較・選び方ガイド

IT担当者がいない中小企業のシステム導入支援—頼める会社の選び方と比べ方

相談先は5種類あり、得意なことがそれぞれ違います

社内にIT担当者がいない中小企業のシステム導入を支援しているSalesDockが、依頼先を選ぶときに確かめておきたい点をまとめました。

結論:IT担当者がいない会社のシステム導入支援は、今どの段階にいるかで頼む先を選ぶ

IT担当者がいない会社で足りないのは、システムを作る技術よりも、何を入れるかを決める前の整理と、入れた後に使い続けるための段取りです。相談先ごとに引き受けてくれる範囲が違うので、自社が「製品を探している段階」なのか「何を変えるかを決める段階」なのかを先に見極めると、比べる相手が絞れます。

  • 入れる製品が決まっているなら製品の販売会社、作るものを文章で渡せるなら開発会社に頼むのが早く済みます。
  • 何を変えるかがまだ決まっていないなら、公的な相談窓口で方向を整理するか、業務整理から伴走する支援会社を選びます。
  • どこに頼んでも、業務を決める人と毎日使う人の代表の2人は社内に残します。ここを外に出すと、契約が終わったときに何も動かなくなります。

IT担当者がいない会社で、システム導入が止まる場所

システム導入の相談を受けていると、止まっている理由は技術よりも「決める人がいない」ことの方が多いと感じます。製品のデモを3社分見たのに決められない、入れたのに半年後には元のExcelに戻っている、といった話です。

IT担当者がいる会社なら、その人が比較表を作り、社内の意見をまとめ、入れた後の質問を受けます。いない会社では、この仕事を社長か現場の責任者が本業の合間に抱えることになり、忙しい月から順に後回しになります。

ですから、依頼先を選ぶときは「誰が一番安く作れるか」より、IT担当者がやるはずだった仕事のうち、どこを引き受けてくれるかで比べます。導入全体の流れはシステム導入の進め方にまとめているので、どの段階を外に頼みたいのかを見当づけてから読み進めてください。

システム導入を頼める相談先5種類を比較

「システム導入支援」をうたう会社は多いのですが、中身で分けると次の5種類になります。自社の困りごとがどの行に当たるかを先に見当づけておくと、下の説明が読みやすくなります。

相談先費用のかかり方得意なこと任せにくいこと向いている会社
製品の販売会社製品の利用料。初期設定は別料金のことが多い自社製品の設定と使い方の案内他社製品との比較、製品の外にある業務の整理入れる製品がすでに決まっている会社
開発会社・システム会社開発費と保守費。範囲が変わると金額も変わる決まった要件どおりに作ること何を作るかを一緒に決めること作るものを文章で渡せる会社
地元のIT業者作業ごとの料金か、月額の保守契約パソコン、ネットワーク、複合機など機器まわりの設定と故障対応業務の流れを変えるシステムの選定機器やネットワークの不調に困っている会社
公的な相談窓口相談は無料のことが多い中立の立場での助言、補助金や専門家の紹介設定や構築など、手を動かす作業まず何から考えればよいかを整理したい会社
業務整理から伴走する支援会社月額の支援費か、案件ごとの費用業務の整理、製品選び、社内への定着まで続けて見ること機器の修理、大規模なシステムの開発何を変えるかから一緒に決めたい会社

製品の販売会社

自社の製品には詳しく、設定も早く進みます。ただ、比べる相手は基本的に自社製品の中だけです。「うちに合う製品はどれか」から相談したい段階だと、答えは最初からその会社の製品に寄ります。製品が決まった後の設定や操作の案内を頼む相手として考えると、期待とずれません。

開発会社・システム会社

要件を書いた文章があれば、形にするのは得意です。反対に、要件を書ける人が社内にいないと、打ち合わせのたびに仕様が動き、見積もりが膨らみます。IT担当者がいない会社がここに直接頼むなら、要件を一緒に書いてくれる人を別に用意するか、要件定義から契約に含めてもらうかを先に決めておきます。

地元のIT業者

社内に来てくれる距離の近さが強みです。パソコンの入れ替えや社内ネットワークの不調なら、いちばん早く片づきます。一方で、顧客管理や見積もりの仕組みのように業務の流れごと変える相談は、得意分野から外れることが多くなります。

公的な相談窓口

国が各都道府県に置いているよろず支援拠点は、中小企業の経営相談に何度でも無料で応じる窓口です。IT経営の専門家として経済産業省が推進するITコーディネータという資格もあり、ITコーディネータ協会のサイトから探せます。どちらも製品を売らない立場から助言を受けられますが、実際の設定や構築は別の事業者に頼むことになります。

業務整理から伴走する支援会社

今の業務を聞き出して書き出すところから入り、製品選びや簡単な仕組みづくり、使われ続けるまでを続けて見ます。IT担当者がいない会社で抜けやすい「決める前の整理」と「入れた後の定着」を引き取れるのが特徴です。その分、社長か責任者が月に何度か時間を取れないと進みません。

1社に全部を頼む必要はありません。公的な窓口で方向を整理し、製品が決まったら販売会社に設定を頼む。機器まわりは地元のIT業者に任せる。このように段階ごとに相手を替えるのも現実的な進め方です。そのときは、全体の順番を誰が見るのかだけは決めておきます。

SalesDockは、この5つ目の業務整理から伴走する支援会社にあたります。パソコンやネットワーク機器の保守、大規模なシステム開発を頼みたい場合は、表の上の方の相談先が向いています。

IT担当者がいなくても、社内に残す2つの役割

設定や構築は外に任せられますが、次の2つだけはどの相談先を選んでも社内に残ります。専任である必要はなく、兼任で構いません。

業務を決める人

どの業務を、どこまで変えるかを決める人です。多くの会社では社長か部門の責任者になります。月に数回、支援会社からの確認に答えられる時間を取れるかどうかで、進む速さが決まります。

毎日使う人の代表

実際に入力する社員の中から1人。試作を触って「ここは現場では使わない」と言える人がいると、入れた後に使われなくなる事故を防げます。

役割の割り振り方をもう少し詳しく知りたい場合は、情シスがいない会社の担当と役割で、兼任で回すときの分け方を整理しています。

依頼先を比べるときに、契約前に確かめること

同じ種類の相談先の中で2社以上を比べるときは、提案書の見た目や事例の数より、次の点を揃えて聞くと差が出ます。IT担当者がいない会社で後から困りやすい順に並べました。

  1. 1. 製品を決める前に、業務の話を聞いてくるか

    最初の打ち合わせで製品のデモから始まる場合、業務に製品を合わせる進め方になりがちです。今の手順、困っている場面、関わる人数を先に聞いてくる相手は、製品を業務に合わせようとしています。

  2. 2. 自社側の作業が、誰が何時間と書かれているか

    IT担当者がいない会社では、ここが見積もりから抜けやすい部分です。データの準備、確認、社員への説明は必ず自社に残ります。書かれていない提案は、作業が無いのではなく、見積もっていないだけです。

  3. 3. 管理者のアカウントとデータの名義が、自社になるか

    支援会社のアカウントで契約した製品は、契約が終わると触れなくなることがあります。管理者権限を誰が持つか、ID とパスワードをどこに保管するか、データを書き出せるかを契約前に決めます。

  4. 4. 入れた後の問い合わせ先がどこか

    操作が分からないとき、エラーが出たとき、社員が入れ替わったときに、誰に聞けばよいか。製品の窓口、支援会社、社内の担当のどこが受けるのかを、導入前に紙1枚で決めておきます。

  5. 5. やめ方と、作ったものの引き渡し

    最低契約期間、途中でやめる場合の条件、手順書や設定内容を渡してもらえるかを確認します。やめ方を説明できる相手は、続ける条件も具体的に話せます。

3つ目のアカウントの名義は、IT担当者がいる会社なら自然に押さえられている部分です。いない会社では、担当していた社員の個人メールで管理者登録されていて、退職と同時に誰も設定を変えられなくなる、ということが起きます。外注の頼み方全般については業務効率化を外注するときの費用感と頼み方でも触れています。

補助金を使うなら、依頼先の条件を先に確認する

国のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を使う場合、通常の申請では事務局に登録されたIT導入支援事業者と組んで申請する必要があります。補助の対象も、事務局に登録されたツールに限られます。

ここで気をつけたいのは、IT導入支援事業者は登録したツールを導入する側の事業者だという点です。自社の業務に何が合うかの整理は、別に済ませておく必要があります。補助金の締め切りから逆算して製品を急いで決めると、業務に合わない製品を補助付きで入れることになりかねません。制度の詳細はデジタル化・AI導入補助金の公式サイトで確認してください。

相談する前に用意しておくもの

次のものが手元にあると、どの相談先でも話が早く進み、複数社の提案を同じ条件で比べられます。全部そろっていなくても相談はできますが、1つ目だけは書いておくと見積もりのぶれが小さくなります。

  • 変えたい業務を1つ。どこから始まり、どこで終わるかを1行で書いたもの
  • その業務の、今の1件あたりの所要時間と月の件数。1週間だけ記録すれば足ります
  • 今使っているツールと、それぞれのアカウントの持ち主の一覧
  • 初期費用と月額費用の、それぞれ出せる上限
  • 導入を決める人と、毎日使う人の名前

無料で方向だけ整理したい場合は、各都道府県のよろず支援拠点に相談できます。IT経営の専門家を自分で探したいときは、ITコーディネータ協会のサイトが入口になります。

導入の効果は、導入前の記録で測る

効果を測る方法は単純で、導入前に対象業務の1件あたりの所要時間と月の件数を記録しておくことです。導入後に同じ単位で測り直せば、差がそのまま効果になります。導入前の記録が無いと、「なんとなく楽になった」以上のことは言えず、続けるかどうかの判断もできません。

測るもの導入前導入後
1件あたりの所要時間1週間、開始と終了の時刻を控える同じ業務を同じ方法で1週間控える
月の件数前月の実績を数える導入後の同じ月の実績を数える
その業務をできる人数いま1人で回せる社員の数手順書を見て1人で回せる社員の数

3つ目の人数は見落とされがちですが、IT担当者がいない会社ほど効いてきます。SalesDockが支援した金属加工メーカーでは、見積もりを作れる社員が営業2名に限られていました。見積もりの型と材料費の表をつなげた結果、初期の効果として1件60分かかっていた見積もりが15分以内になり、営業5名全員が作れる状態になっています。

AIを使った業務の仕組みづくりまで視野に入れて依頼先を比べたい場合は、AI導入支援・AIコンサル会社の選び方もあわせて読んでみてください。

IT担当者がいない会社のシステム導入についてよくある質問

IT担当者がいない中小企業は、システム導入をどこに頼めばよいですか。

入れる製品が決まっているなら製品の販売会社、作るものを文章で渡せるなら開発会社、機器の不調なら地元のIT業者が向いています。何を変えるかから決めたい場合は、公的な相談窓口で方向を整理するか、業務整理から伴走する支援会社に頼みます。最初に見るのは、自社が今どの段階にいるかです。

IT担当者がいなくても、システム導入はできますか。

できます。ただし、業務を決める人と、毎日使う人の代表の2人は社内に必要です。設定や構築は外部に任せられますが、どの業務をどう変えるかの判断と、使い続けるかの判断は外に出せません。

無料で相談できる窓口はありますか。

国が各都道府県に設置しているよろず支援拠点で、中小企業の経営相談に無料で何度でも応じてもらえます。システム導入の方向を整理する段階の相談に向いています。設定や構築まで頼む場合は、別途事業者を探すことになります。

補助金を使ってシステムを導入する場合、依頼先に条件はありますか。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の通常の申請では、事務局に登録されたIT導入支援事業者と組んで申請する必要があります。登録された事業者が扱う登録済みのツールが対象なので、業務の整理と製品選びを先に済ませてから、そのツールを扱う事業者を探すと順番が崩れません。

システム導入の効果は、どう測ればよいですか。

導入前に、対象業務の1件あたりの所要時間と月の件数を1週間記録しておきます。導入後に同じ単位で測り直し、時間の差に件数を掛ければ、月に減った時間が分かります。導入前の記録が無いと、効果は感想でしか語れません。

関連記事とページ

どこに頼むべきかから一緒に整理します

変えたい業務と社内で動ける人を伺い、5つの相談先のどれが合うかをお伝えします。SalesDockのサービスが合わない場合も、その場でそうお伝えします。

無料で相談する