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比較・選び方ガイド

Salesforce Marketing Cloudは不動産会社に必要か|Data 360・Account Engagementとの比較と選び方

製品を比べる前に、配信してよい顧客の件数と、顧客台帳の置き場所を確かめます

不動産会社の反響対応と追客の仕組みづくりを支援しているSalesDockが、Salesforceの公式価格ページと、相談を受けてきた範囲での傾向をもとにまとめました。

結論:不動産会社がSalesforce Marketing CloudやData 360を比べるのは、顧客台帳が1か所にまとまり、配信の中身を作る人がいてから

Salesforce Marketing Cloud、Account Engagement、Data 360は、それぞれ配信、法人向けのリード育成、顧客データの統合を受け持つ別の製品です。不動産会社が比べるときは、製品の機能表より先に、配信してよい顧客の件数、顧客台帳の置き場所、配信の中身を作る担当者の時間の3つを数えます。この3つが揃っていない段階で年間契約を結ぶと、物件の一斉メールを送るだけの使い方になり、費用に見合いません。

  • Marketing Cloud Next Growthエディションは月18万円(年間契約、2026年10月時点の公式価格)からで、年額では216万円になります。顧客管理側のライセンスと設定の費用は別にかかります。
  • 賃貸仲介は最初の返信の速さ、売買仲介は条件に合う物件が出たときの連絡、買取再販・分譲は条件で絞った一斉配信が効きます。MAが働きやすいのは主に3つ目です。
  • 配信してよい顧客が数百件で、ポータル・自社サイト・来店の記録が別々の場所にあるなら、先に台帳を1か所にまとめ、顧客管理に付いたメール配信か不動産業向けの追客システムで始めます。

Salesforce Marketing Cloud・Data 360(旧Data Cloud)・Account Engagementは何が違うか

「Salesforce Marketing Cloud」と呼ばれる製品群は、2026年10月時点の公式サイトでは、メール・SMS・フォームなどで顧客に連絡する「Marketing Cloud Next」(GrowthとAdvancedの2エディション)と、法人向けのリード育成を受け持つ「Account Engagement」(旧Pardot)に分かれています。顧客データをまとめる「Data 360」は、公式サイトで「Data 360(旧Data Cloud)」と表記されている製品で、検索でよく見る「Salesforce Data Cloud」はこれを指します。

役割で並べると、顧客と商談の記録を持つのが顧客管理(Sales Cloudなど)、複数の場所にある顧客データを1人ずつに束ねるのがData 360、束ねた顧客に配信するのがMarketing Cloudです。つまり、配信だけを強くしたいのか、データの突き合わせから自動化したいのかで、検討する製品の組み合わせが変わります。

ポータルの反響自社サイトの問合せ来店・内見の記録Data 3601人ずつに束ねるMarketing Cloud条件で絞って配信顧客管理(Sales Cloud等)反応・来店・契約を記録次の配信へ
Data 360は束ねる役、Marketing Cloudは送る役です。入口が1つしかない会社では、束ねる役が要らないこともあります。

Salesforce Marketing Cloud・Data 360の価格比較(2026年10月時点)

セールスフォース・ジャパンの公式価格ページに掲載されている金額を並べました。Marketing Cloud NextとAccount Engagementは「組織/月」の価格で、年間契約が前提です。Data 360は公式ページでもドル建てで掲載されています。

Salesforce Starter

受け持つこと:顧客管理+簡単なメール配信

公式価格:3,000円/ユーザー/月〜

条件:月払いも可。取引手数料が別にかかる

Marketing Cloud Next Growth

受け持つこと:メール配信・フォーム・ジャーニー

公式価格:180,000円/組織/月

条件:年間契約(年額にすると216万円)

Marketing Cloud Next Advanced

受け持つこと:Growthに加え、SMS等の双方向連絡・検証機能

公式価格:390,000円/組織/月

条件:年間契約

Account Engagement(Growth+〜Premium+)

受け持つこと:法人向けのリード育成・スコアリング

公式価格:150,000〜1,800,000円/組織/月

条件:年間契約。Marketing Cloud Nextの機能を含む

Data 360(旧Data Cloud)

受け持つこと:複数の顧客データを1人ずつに束ねる

公式価格:Profiles:240ドル/年間1,000プロファイル、Flex Credit:500ドル/100,000クレジット

条件:用途に応じて選ぶ2つの価格モデル

※ 2026年10月3日に公式価格ページで確認した掲載額です。税や個別の割引、導入支援の費用は含みません。価格は改定されることがあるため、検討時は公式ページと営業担当者に最新をご確認ください。

Salesforceのマーケティング製品で最も安いSalesforce Starter(3,000円/ユーザー/月から、2026年10月時点)にも、メール配信が含まれています。公式ページでは、Starterの内容として商談管理と並んでメールマーケティングが挙げられています。配信してよい顧客が少なく、配信の形も「新着物件のお知らせ」程度であれば、まずStarterや今の顧客管理に付いた配信機能で試し、配信の件数と反応が増えてからMarketing Cloud Nextへ移るほうが、年間契約の重さを避けられます。

不動産の業態ごとに、MAが効く場面は違う

同じ不動産会社でも、反響から契約までの期間と、顧客への連絡の形は業態で大きく違います。MAは「同じ条件の顧客に、決まった順番で連絡する」作業を自動にする道具なので、その作業がどのくらいあるかで向き不向きが決まります。

業態顧客との連絡の形先に整えるもの
賃貸仲介反響から数日で決まることが多く、長い配信より最初の返信の速さが効く反響の取り込みと即時通知。大規模なMAは後回しでよい
売買仲介検討が数か月から年単位に延び、条件に合う物件が出たときに連絡する希望条件と配信の許諾を持った顧客台帳。件数が少なければ担当者の手で送れる
買取再販・分譲物件が出るたびに、条件の合う見込み客へまとめて知らせる条件で絞った一斉配信と、開封・資料請求の記録。MAが働きやすい
賃貸管理オーナーと入居者への定期連絡・更新案内が中心管理システムの連絡機能か、決まった文面の定期送信で足りることが多い

賃貸仲介では、反響に何分で返したかのほうが、その後の配信の作り込みより結果に響きます。初動の仕組みは反響対応のスピードが成約率を決めるで扱っています。売買仲介は検討期間が長く、MAの出番があるように見えますが、配信してよい顧客が数百件規模なら、担当者が希望条件を見て物件を選んで送るほうが反応が取れます。分譲や買取再販のように、物件が出るたびに条件の合う見込み客へまとめて知らせる業務は、MAの自動配信がそのまま効く場面です。

不動産会社がSalesforce Marketing Cloudを比べる5つの点

Marketing Cloud Next、Account Engagement、Data 360、ほかのMAや不動産業向けのシステムを並べるときは、次の5つを同じ順に確かめます。1と2は製品の資料を読まなくても、自社の台帳だけで答えが出ます。

1. 配信してよい相手が、今何件いるか

メールを送れるのは、配信の許諾をもらっている相手だけです。反響の問い合わせ件数ではなく、許諾があり、まだ取引の可能性がある人の件数を数えます。この件数が数百件なら、MAの自動配信より担当者が条件に合う物件を選んで送るほうが反応を取りやすく、費用もかかりません。

2. 顧客台帳が1か所にまとまっているか

ポータルサイトからの反響、自社サイトの問い合わせ、来店の記録、紹介の記録が別々の場所にあると、MAに渡す名簿を作るたびに人が突き合わせることになります。Data 360はこの突き合わせを仕組みで行う製品ですが、もとの台帳の項目名や重複のルールを決めるのは自社です。先にどれを正の台帳にするかを決めます。

3. 配信の中身を、誰が作り続けるか

Marketing Cloudは、配信の順番(ジャーニー)や文面、配信先の条件を作る人がいて初めて動きます。営業と兼務の担当者が月に何時間をこれに使えるかを先に見積もります。作る人がいないと、高い年間契約のまま、物件の一斉メールだけを送る使い方に落ち着きがちです。

4. 年間契約の総額と、つなぐ費用

Marketing Cloud NextとAccount Engagementは年間契約が前提です。Growthでも年額216万円になり、これに顧客管理側のライセンス、既存システムとつなぐ作業、初期設定の支援費用が加わります。比較表は月額で並べず、1年目の総額で並べ直します。

5. 反響から契約までを、同じ顧客でたどれるか

配信の効果は、開封数ではなく来店・内見・契約まで同じ顧客でたどれて初めて測れます。契約の記録が別の不動産業向けシステムにある場合、その記録をどうやって顧客ごとに戻すかを、導入前に決めておきます。

顧客台帳は1か所にあるかいいえ台帳を先に整理はい配信を作る担当者はいるかいいえ付属の配信か追客システムはい束ねたい入口が複数あるかはいいいえData 360+Marketing Cloudを検討Marketing Cloud NextGrowthから検討
製品を選ぶ前に、「顧客台帳は1か所にあるか」「配信を作る担当者はいるか」の2つで止まる会社がほとんどです。止まった場所が、最初に手を付ける作業になります。

不動産業向けの追客システムとMarketing Cloudはどう分けるか

不動産業向けの顧客管理・追客システムの多くは、ポータルサイトからの反響を取り込み、希望条件に合う物件を自動で提案メールにする機能を最初から持っています。Marketing Cloudで同じことをするには、物件のデータと顧客の希望条件を取り込み、配信の条件を自社で組む必要があります。物件を主語にした業務の形と汎用の製品のずれは不動産会社にSalesforce・HubSpotは合うのかで詳しく扱っています。

Marketing Cloudが向くのは、複数の店舗や事業(仲介と管理、分譲と仲介など)の顧客をまたいで連絡を出し分けたい場合や、会員サイト・広告・SMSまでまとめて1人ずつの連絡にしたい場合です。この規模になると、顧客データを束ねるData 360の出番が出てきます。逆に、店舗が1〜2か所で、反響の入口がポータル中心なら、不動産業向けのシステムで追客を回し、顧客管理は1つに絞るほうが運用が続きます。不動産業向けのシステム全体の見取り図は不動産向け業務効率化ツール比較にまとめています。

当社が不動産会社から追客の相談を受けると、反響の記録がポータルの管理画面、メール、表計算ソフトの3か所ほどに分かれていることがよくあります。この状態でどの製品を選んでも、配信先の名簿を作る段階で人の手が止まります。製品の比較に入る前に、どこを正の台帳にするかを決める作業は、MAとCRMの違いで説明している「どちらから入れるか」の判断とも重なります。

導入を決める前の1か月で数えておく4つの数字

Salesforceの営業担当者や導入支援の会社と話す前に、次の4つを1か月分数えておくと、提案された構成が自社の規模に合っているかを自分で判断できます。導入後も同じ単位で数え続ければ、そのまま効果の測り方になります。

数えるもの数え方
反響の入口ごとの件数ポータル、自社サイト、電話、来店、紹介に分けて、1か月の件数を数える
配信してよい件数許諾があり、まだ取引の可能性がある顧客の件数。重複を除いてから数える
追客にかけている時間担当者ごとに、物件提案のメール・電話に使った時間を1週間記録する
反響から契約までの割合1か月分の反響が、来店・内見・契約のどこまで進んだかを入口別に数える

導入後は、配信の開封数ではなく、配信した顧客のうち来店・内見に進んだ件数と、追客にかけている担当者の時間を、導入前と同じ単位で比べます。年額216万円のGrowthエディションなら、1年で何件の契約が配信から生まれれば元が取れるかを、自社の1件あたりの粗利から逆算しておくと、更新の判断がしやすくなります。

出典(2026年10月3日確認)

業態ごとの連絡の形と、比べる5つの点は、当社が不動産会社から相談を受けた範囲での傾向をもとにした目安で、統計的に調べた区分ではありません。

不動産会社とSalesforce Marketing Cloudについてよくある質問

Salesforce Marketing Cloudは、中小の不動産会社でも使えますか。

使えますが、費用に見合うかは別の問題です。2026年10月時点の公式価格では、Marketing Cloud Next Growthエディションが月18万円(年間契約)からです。配信してよい顧客が数百件で、配信の中身を作る担当者がいない場合は、顧客管理に付いているメール配信や不動産業向けの追客システムで足りることが多く、先に顧客台帳を1か所にまとめるほうが効果が出ます。

Data CloudとData 360は違うものですか。

同じ製品です。Salesforceの公式サイトでは「Data 360(旧Data Cloud)」と表記されています。複数のシステムにある顧客データを1人ずつのプロファイルに束ね、Marketing Cloudなどで使えるようにする製品です。公式価格は、Profilesが年間1,000プロファイルあたり240ドル、Flex Creditが100,000クレジットあたり500ドルです。

Marketing CloudとAccount Engagement(旧Pardot)は、不動産会社ならどちらですか。

Account Engagementは、法人の担当者を相手に、資料請求から商談までを育てて点数を付ける用途に向いた製品です。個人の購入検討者や入居希望者にメールやSMSを送る不動産会社なら、Marketing Cloud Nextのほうが用途に合います。事業用不動産や投資用物件の法人営業が中心なら、Account Engagementも候補になります。

不動産業向けの追客システムとMarketing Cloudはどう使い分けますか。

ポータルサイトからの反響の取り込みや、条件に合う物件の自動提案メールが主な目的なら、不動産業向けの追客システムのほうが最初から業務に合った形で使えます。複数の店舗や事業の顧客データを束ね、会員サイトや広告とも連動させたい規模になってから、Marketing CloudとData 360を検討する順番が無理がありません。

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今の反響の入口と件数、追客の進め方を伺い、Marketing Cloudのような配信の仕組みが今の規模に合うかをお伝えします。お手元に提案書や見積もりがあれば、1年目の総額と運用の担当者の想定も一緒に確かめます。

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