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不動産

内見予約の調整に毎日1時間?—不動産仲介の内見管理を効率化する方法

8分で読める

この記事のポイント

内見予約の日程調整・ダブルブッキング・ドタキャンに悩む不動産仲介会社向けに、カレンダー共有・自動通知・振り返りの3ステップで月15時間の調整工数を3時間に減らす方法を解説。

「○○さん、土曜の13時に内見入ってるけど、鍵の手配できてる?」「あれ、同じ時間に別のお客さんも入れてない?」

不動産仲介の現場では、こんなやり取りが日常的に起きている。内見予約の調整は、電話を受ける→営業のスケジュールを確認する→オーナーに鍵の手配を連絡する→お客様に確定日時を伝える、という4段階のリレー。1件あたり15〜20分かかる。

月に60件の内見が入る店舗なら、予約調整だけで月15時間。営業日20日で割ると、毎日45分を「予約の段取り」に使っている計算になる。その時間、本来は接客やクロージングに充てたい時間のはずだ。

内見管理が非効率になる3つの原因

内見管理で困っている不動産会社に話を聞くと、原因はだいたい3つに集約される。

原因1:予約情報がバラバラに散らばっている

電話で受けた予約はメモ帳に、メールで来た予約は受信トレイに、SUUMOからの問い合わせはポータルの管理画面に。情報が3箇所に分かれていると、「あの予約どこに書いたっけ?」が毎日起きる。ダブルブッキングの温床になる。

原因2:営業担当のスケジュールがリアルタイムで見えない

「○○さん、今日の午後空いてる?」と聞かないとわからない状態。外出中の営業に電話して確認する→折り返しを待つ→お客様に連絡する。この往復が1件の予約確定に2〜3回発生する。お客様を待たせている間に、他社で内見を申し込まれてしまうこともある。

原因3:鍵の手配・オーナー連絡が属人化している

物件によって鍵の保管場所が違う。管理会社から借りるもの、オーナーに直接連絡するもの、キーボックスがあるもの。この情報がベテラン社員の頭の中にしかないと、新人が内見対応するたびに確認作業が発生する。

内見管理を効率化する3つのステップ

ツールを入れ替えるのではなく、情報の流れを整理するだけで内見管理は大きく変わる。いきなり全部やろうとせず、ステップ1から順にやるのがコツ。

ステップ1:予約情報を1箇所に集める(所要時間:2時間)

Googleスプレッドシートに「内見予約一覧」を作る。日時・物件名・お客様名・担当営業・鍵の手配状況・ステータス(未確定/確定/完了/キャンセル)の6列。電話・メール・ポータルどこから入った予約も、ここに集約する。Googleカレンダーと連携すれば、カレンダー上でも一覧できる。これだけで「あの予約どこだっけ」がなくなる。

ステップ2:カレンダー共有で空き状況を可視化する(所要時間:1時間)

営業担当全員のGoogleカレンダーを共有設定にして、「他のユーザーの予定の表示」を有効にする。これで、電話を受けた事務スタッフが営業のスケジュールをリアルタイムで確認できる。「○○さんに確認しますので折り返します」が「土曜13時と15時が空いてますが、どちらがよろしいですか」に変わる。電話1本で予約が確定する。

ステップ3:自動リマインドと鍵情報のテンプレート化(所要時間:3時間)

予約確定時にお客様へ自動メール送信、前日にリマインドメール、当日朝にSMS。これはGoogleフォーム+Apps Scriptか、STORES予約のようなSaaSで実現できる。鍵の手配情報は物件マスタ(スプレッドシート)に「鍵の種類」「保管場所」「連絡先」を登録しておく。新人でも見れば対応できる状態を作る。

効率化の効果をどう測るか

指標BeforeAfter(目標)
予約調整にかかる時間月15時間(1件15分×60件)月3時間(イレギュラー対応のみ)
ダブルブッキング発生月2〜3件月0件
予約確定までの所要時間平均4時間(折り返し含む)平均10分(電話中に確定)
ドタキャン率15〜20%5%以下

月60件の内見でドタキャン率が20%→5%に改善すると、実際に来店する件数は48件→57件に増える。差の9件のうち成約に至るのが2件だとして、仲介手数料1件30万円なら月60万円のインパクトになる。調整工数の削減分と合わせると、数字以上に「営業が営業に集中できる」効果が大きい。

よくある質問

Q. 内見予約の管理にExcelを使い続けるのは問題ありますか?

月30件以下であればExcelでも回る。ただし、複数の営業担当がいる場合はダブルブッキングのリスクがある。Googleカレンダーの共有やスプレッドシートのリアルタイム編集に切り替えるだけで、同時編集による事故を防げる。

Q. 内見管理の効率化に費用はどれくらいかかりますか?

Googleカレンダー+スプレッドシートの組み合わせなら無料で始められる。予約SaaS(STORES予約やAirリザーブ)を使う場合でも、無料プランで月50件程度の予約管理が可能。有料プランでも月額5,000〜10,000円程度が相場。

Q. 鍵の手配やオーナー連絡も効率化できますか?

予約が確定した時点でオーナーに自動メールを送る仕組みは、Googleフォーム+Apps ScriptやZapierなどのノーコードツールで構築できる。鍵の受け渡し場所や方法をテンプレート化しておけば、連絡の手間は大幅に減る。

まとめ

内見管理の効率化は、高額なシステムを入れることではない。予約情報を1箇所に集める、カレンダーを共有する、リマインドを自動化する。この3つだけで、月15時間の調整工数が3時間になり、ダブルブッキングがゼロになり、ドタキャン率が下がる。

まずはステップ1の「予約一覧シート」を作るところから始めてみてほしい。所要時間は2時間。明日の内見予約から使える。

内見管理の全体像については不動産業界のAI活用・業務効率化 完全ガイドで体系的にまとめている。オンライン予約の導入方法は内見予約をオンラインで受付する方法も参考になる。

関連ソリューション

内見予約の効率化でお悩みの方は、不動産の内見業務をAIで効率化する方法もご覧ください。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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