不動産の内見予約をオンラインで受付する方法—電話・メールのやり取りを減らして来店率を上げる
この記事のポイント
内見予約の電話対応に月12.5時間かかっている不動産会社向けに、オンライン予約の導入方法3パターンと、自動リマインドでドタキャン率を20%→5%に下げる仕組みを解説。
お客様から「内見したいんですけど」と電話が入る。営業マンのスケジュールを確認して、折り返す。「その日は埋まってまして……」でもう1往復。日程が決まるまでに3往復。
この間に、お客様は他社のポータルサイトで別の物件を見つけて、そっちで内見を申し込んでいる。よくある話だと思う。
内見予約の取りこぼしは、不動産会社にとって「見えない機会損失」になっている。電話がつながらなかった、折り返しが遅かった、日程調整に時間がかかった——理由はどれも地味だけど、積み重なると月に何件もの来店を逃している。
予約の電話対応が営業時間を圧迫している
内見予約の電話対応、1件あたりどれくらい時間がかかっているか計ったことはあるだろうか。
電話を受ける→物件情報を確認→営業担当のスケジュールを確認→候補日を伝える→お客様の都合を聞く→確定→物件のオーナーに連絡。ここまでで平均15分。場合によっては折り返しが必要で、もう15分。
月に50件の予約が入る店舗なら、電話対応だけで月12.5時間。営業日20日で割ると、1日あたり約40分を予約の電話に使っている計算になる。
しかも電話は「いつかかってくるかわからない」。接客中に鳴る、物件案内中に鳴る、昼休みに鳴る。そのたびに手が止まる。電話対応そのものの時間だけじゃなく、中断による生産性の低下がじわじわ効いてくる。
オンライン予約を導入する3つの方法
「オンライン予約」と聞くと大げさに感じるかもしれない。でも、やり方は思ったよりシンプル。予算と手間に合わせて3つの選択肢がある。
方法①:Googleカレンダー+予約ページ(無料・最短30分)
Google Workspaceを使っているなら、Googleカレンダーの「予約スケジュール」機能で予約ページを作れる。営業担当のカレンダーに空き時間を設定しておけば、お客様がリンクから空き枠を選んで予約できる。費用ゼロ。設定も30分あれば終わる。ただし、物件ごとの予約管理や自動リマインドは自分で組む必要がある。
方法②:STORES予約・Airリザーブなどの予約SaaS(無料〜月額数千円)
STORES予約やAirリザーブは、予約受付・リマインドメール・顧客管理がセットになっている。無料プランでも月の予約件数が一定数まで使える。不動産に特化したサービスではないけど、「担当者×時間枠」の予約管理としては十分。予約ページのURLをSUUMOやHOME'Sの物件情報に載せるだけで導線ができる。
方法③:自社サイトにフォーム埋め込み(無料〜)
GoogleフォームやTypeformを自社サイトに埋め込む方法。「希望日時」「希望物件」「連絡先」を入力してもらい、スタッフが確認して返信する。完全自動ではないけど、電話よりは効率的。フォーム送信をSlackやLINEに通知する仕組みを入れれば、対応スピードも上がる。
どれを選ぶかは「月の予約件数」と「ITに割ける時間」で決めればいい。月20件以下なら①で十分。50件以上なら②がおすすめ。自社サイトへの集客が多いなら③を追加する、という組み合わせもある。
オンライン予約+自動リマインドで来店率を上げる
オンライン予約を入れるだけでは、来店率は劇的には変わらない。大事なのは「予約したことを忘れさせない」仕組み。
具体的には、この3ステップ。
ステップ1:予約確定メール(即時)
予約が入った瞬間に、日時・物件名・担当者名・店舗の地図リンクを含む確認メールを自動送信。「予約できた」という安心感を与える。
ステップ2:前日リマインドメール(予約日の前日18時)
「明日○時に○○の内見をご予約いただいています」というリマインド。キャンセルの場合はこのタイミングで連絡してもらえるので、当日ドタキャンを防げる。空いた枠に別のお客様を入れることもできる。
ステップ3:当日朝SMS(予約日の当日9時)
メールは見落とされることがある。SMSは開封率90%以上。「本日○時にお待ちしております」の一言で、来店率が変わる。
この3ステップを入れた不動産会社で、ドタキャン率が20%から5%に下がった事例がある。月50件の予約なら、ドタキャンが10件→2.5件。差の7.5件がちゃんと来店するようになる。内見からの成約率を20%とすると、月1.5件の成約増。仲介手数料1件30万円なら、月45万円のインパクト。
効果テーブル
| 指標 | Before | After(目標) |
|---|---|---|
| 予約調整にかかる時間 | 月12.5時間(1件15分×50件) | 月2時間(イレギュラー対応のみ) |
| ドタキャン率 | 20% | 5% |
| 営業時間外の予約受付 | 不可(電話のみ) | 24時間受付可能 |
| 予約から来店までの離脱 | 折り返し待ちで他社に流出 | 即時確定で離脱を防止 |
最後に
あなたの店舗に今月入った内見予約、何件が実際に来店につながっただろうか。
電話で予約を受けて、折り返して、日程を調整して——その間に他社で決まってしまったお客様が何人いるか、正確には把握できない。把握できないからこそ、損失に気づきにくい。
まずはGoogleカレンダーの予約ページを1つ作って、SUUMOの物件情報にリンクを載せてみる。それだけで「電話しなくても予約できる」という選択肢がお客様に生まれる。小さな一歩だけど、効果は数字に出る。
関連ソリューション
不動産の内見予約の効率化でお悩みの方は、不動産の内見業務をAIで効率化する方法もご覧ください。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。
代表メッセージを読む →