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不動産

札幌の不動産会社が今やるべき業務改善—冬季特有の課題と効率化のポイント

北海道ならではの季節変動を味方にする経営のヒント

10分で読める

この記事は不動産会社の業務改善 完全ガイドの一部です。全体像を知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

札幌は人口197万人を抱える政令指定都市だが、冬季の内見減少・繁忙期の偏り・融雪管理といった北海道特有の課題がある。オンライン内見のストック化、閑散期を活用した仕組みづくり、地域SEO・MEOの整備で、年間を通じた安定経営を実現できる。

札幌市の人口は約197万人。北海道全体(約514万人)の4割近くが札幌に集中している。不動産会社数は約3,200社で、1社あたり約620人をカバーしている計算だ(東京は1社あたり約560人)。市場規模は十分にあるが、本州とは異なる「季節変動」が経営を左右する。この記事では、札幌の不動産会社が押さえるべき課題と、その解決策を具体的に紹介する。

札幌の不動産市場—数字で見る現状

札幌市の不動産市場データ

指標数値
人口約197万人(2025年)
世帯数約98万世帯
平均地価約7万円/m2(住宅地)
不動産会社数約3,200社
賃貸比率約45%(全国平均より高い)
繁忙期4〜5月、9〜10月

札幌の特徴は賃貸比率の高さだ。持ち家率が約55%と全国平均(約61%)より低く、賃貸管理の需要が大きい。また、転勤族の入退去が4月と10月に集中するため、繁忙期と閑散期の差が本州以上に激しい。この季節変動をどう乗り越えるかが、札幌の不動産会社の経営課題になる。

課題1:冬季の内見減少—オンライン内見で乗り越える

12月〜3月の札幌は積雪が1m以上になることもある。道路状況が悪く、物件までの移動が困難になるため、内見数は夏場の50〜60%まで落ち込むケースがある。しかし、転勤や進学で4月から住む物件を探す人は冬の間も検索している。「内見に行けない」だけで機会損失が発生している。

冬季の内見減少への対策

1

秋のうちに物件動画をストックする

9〜11月の間に主力物件の動画を撮影しておく。室内はもちろん、周辺環境(最寄り駅、スーパー、病院)も撮っておくと冬場に重宝する。スマートフォンの動画で十分。

2

オンライン内見を標準メニューにする

Zoom/Google Meetで担当者がリアルタイムに物件を案内。冬場は「オンライン内見OK」とポータルの備考欄にも記載する。道外からの転勤者には特に喜ばれる。

3

「冬の住み心地」情報を付加価値にする

断熱性能、暖房費の目安、除雪体制、最寄りのロードヒーティング有無など。本州出身の転勤者が最も気にする情報を物件説明に加えると、信頼感が段違いになる。

課題2:繁忙期の偏り—閑散期に仕組みを作る

札幌の不動産会社は、4〜5月と9〜10月の繁忙期に売上の60〜70%が集中する。繁忙期は「人手が足りない」、閑散期は「やることがない」という両極端な状態になりがちだ。この振れ幅を平準化するには、閑散期の使い方が鍵になる。

閑散期(12〜3月)にやるべきこと

1. 物件動画のストック撮影:春の繁忙期に使う物件動画を事前に撮影。1日5〜10件ペースで進める

2. 自社HPのコンテンツ強化:地域ガイド記事、物件選びのコラムを閑散期に書き溜める。SEOの効果が出るのは3〜6ヶ月後なので、冬に仕込んで春に刈り取る

3. 業務フローの見直し:繁忙期に「回らなかった」部分を洗い出し、自動化・テンプレート化する。追客メールの自動配信、契約書類のテンプレート整備など

4. オーナー営業:管理物件の獲得営業は閑散期がチャンス。オーナーも繁忙期は忙しいが、冬場は話を聞いてくれやすい

課題3:融雪・除雪の管理負担—管理業務の効率化

札幌の管理物件は冬場の除雪対応が必須だ。駐車場の除雪、共用部の融雪装置の管理、凍結によるトラブル対応など、本州にはない業務が発生する。特に管理戸数が100戸を超えると、除雪対応だけで1人分の工数が取られることもある。

除雪・管理業務の効率化ポイント

除雪業者との年間契約:スポットで依頼すると割高になる。エリアごとに除雪業者と年間契約を結び、降雪量に応じた出動基準を決めておく

入居者への連絡テンプレート:「除雪作業のお知らせ」「凍結防止の注意事項」などの定型文を用意し、LINE/メールで一斉配信

トラブル受付のオンライン化:入居者からの「水道が凍結した」「駐車場の雪が…」といった連絡をGoogleフォームやLINEで受け付け、対応状況を可視化する

地域密着の集客—札幌でSEO・MEOを始める

札幌は「○○区 賃貸」「地下鉄○○駅 マンション」といった地域キーワードでの検索が活発だ。東京に比べてSEO競合が少ないため、自社HPで上位表示を狙いやすい環境にある。

札幌エリアの集客施策

地下鉄沿線ガイド:「東西線沿線の住みやすさランキング」「南北線 家賃相場まとめ」など、地下鉄路線をベースにした地域コンテンツが検索に強い

冬の住み心地コンテンツ:「札幌の暖房費は月いくら?」「灯油vsガスの暖房費比較」など、冬の生活費に関するコンテンツは道外からの転入者に刺さる

MEOの口コミ獲得:札幌のGBP口コミ数が20件以上の不動産会社はまだ少ない。退去立会い後や契約後にQRコードで口コミを依頼するだけで差別化になる

費用シミュレーション—月6万円から始める業務改善

札幌の中小不動産会社の投資モデル

施策月額費用期待効果
自社HP・地域SEO2万〜4万円月10〜20件の自然流入
MEO対策1万〜2万円マップ経由の問い合わせ月5〜10件
反響対応ツール1万〜2万円来店率1.5倍
オンライン内見環境0.5万〜1万円冬季の機会損失30%削減

月額合計:約4.5万〜9万円

閑散期に仕組みを整え、繁忙期に刈り取る。年間で見ればポータル費用の削減分で十分にペイする

まとめ—季節変動を「仕組み」で乗り越える

札幌の不動産会社が直面する課題は、冬季の内見減少、繁忙期への売上集中、融雪・除雪の管理負担。これらは避けられない環境要因だが、仕組みで対処できる。

オンライン内見の整備、閑散期のコンテンツ仕込み、管理業務の自動化。この3つを月6万円程度から始められる。季節変動に振り回されるのではなく、閑散期を「仕込みの時間」として活用すれば、年間を通じた安定経営に近づける。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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