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不動産

不動産会社の粗利率・営業利益率の目安—業態別に見る収益力の現実

「売上は増えているのに利益が出ない」の原因を構造的に理解する

9分で読める

この記事は不動産会社のDX・業務改善 完全ガイドの一部です。不動産業の効率化を体系的に知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

売買仲介・賃貸仲介・買取再販・賃貸管理・不動産開発の5業態別に粗利率と営業利益率の目安を整理。利益率を下げる要因と上げるレバーを、中小不動産会社の実態に即して解説する。

「うちの利益率って、業界的にどうなんだろう?」—この疑問を持つ不動産会社の経営者は多いが、業態によって利益率の「普通」がまったく異なるため、一概に比較できない。この記事では、5つの主要業態ごとに粗利率と営業利益率の目安を整理し、利益率が低い場合の原因と改善策を解説する。

業態別利益率の目安

不動産会社の業態別利益率(中小企業の目安)

業態粗利率営業利益率特徴
売買仲介ほぼ100%20〜35%在庫なし。人件費と広告費が販管費の大半
賃貸仲介ほぼ100%10〜20%1件あたりの単価が低く、数をこなす必要がある
買取再販15〜25%5〜12%在庫リスクあり。金利負担が利益を圧縮
賃貸管理70〜90%15〜25%ストック型収益。管理戸数が増えるほど安定
不動産開発20〜30%8〜15%大きな資金が必要。1案件の成否で業績が振れる

この表はあくまで目安。同じ業態でも、エリア・規模・集客方法によって大きく変わる。重要なのは「自社の数字がこの範囲に入っているか」を確認し、外れている場合にその原因を特定すること。

利益率を下げる3つの要因

1. 広告費の垂れ流し

SUUMOやHOME'Sの掲載料を「必要経費」として深く考えずに払い続けている会社は多い。反響単価(広告費/反響数)を毎月計算していない場合、広告費の最適化ができない。反響が取れていない物件の掲載を止めるだけで、広告費が20〜30%削減できることもある。

2. 人件費の固定費化

売買仲介では人件費が売上の40〜50%を占めることが多い。固定給が高くインセンティブが低い給与体系だと、売上が下がった月でも人件費は変わらず、利益率が急落する。逆に、固定給を抑えてインセンティブの比率を上げれば、売上に連動した人件費構造にできる。

3. 在庫の滞留(買取再販の場合)

買取再販で最も利益を食うのは在庫の滞留。仕入から再販までの期間が3ヶ月を超えると、金利負担・値下げリスク・機会損失が積み上がる。在庫回転率(年間販売戸数/平均在庫戸数)が4回転以下なら、仕入基準の見直しが必要。

利益率を上げる3つのレバー

1. 集客チャネルの多角化

ポータルサイト依存から脱却し、自社HP・MEO・紹介など反響単価の低いチャネルを育てる。ポータル経由の反響単価が5,000円なのに対し、自社HP経由は500〜2,000円程度。集客の20%を自社チャネルに移すだけで、広告費率が数%改善する。

2. 成約率の改善

反響から成約までの歩留まりを1%改善するだけで、売上は数%上がる。反響後の初回連絡速度(5分以内が理想)、追客の仕組み化(ステップメール・LINE)、内見時の提案力—この3つが成約率に最も影響する。

3. 管理収入の積み上げ

仲介はフロー型の収益だが、賃貸管理はストック型。管理戸数を増やすことで、毎月安定した収入基盤を作れる。管理手数料は家賃の5%が相場で、100戸管理すれば月30〜50万円の安定収入になる。この基盤があれば、仲介の売上が落ちた月でも経営が安定する。

「売上増えたのに利益出ない」の診断

売上は前年比120%なのに、営業利益は横ばい—こういう会社は少なくない。原因は大抵、以下のどれか。

  • 広告費が売上以上に増えている:売上を上げるために広告費を増やしたが、反響単価が悪化している。反響あたりのコストを月次で追跡すること
  • 人員増で固定費が増えている:売上を上げるために人を採用したが、1人あたり生産性が下がっている。人員あたり売上・粗利を月次で追跡すること
  • 低単価案件の比率が増えている:件数は増えているが、1件あたりの手数料が下がっている。案件の単価分布を確認すること
  • 在庫が増えている(買取再販):仕入は増やしたが、販売が追いつかず在庫コストが膨らんでいる。在庫回転率を計算すること

まとめ:利益率は「管理するもの」

利益率は結果ではなく、管理対象。毎月の反響単価・成約率・人件費率・在庫回転率を追跡し、目安から外れた時に原因を特定して手を打つ。この当たり前のことを当たり前にやれば、利益率は自然と改善する。まずは自社の業態に対応する目安と、現在の数字を比較するところから始めてほしい。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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