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不動産

繁忙期に「人を増やす」以外の選択肢 — 少人数で回す不動産会社の共通点

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この記事のポイント

繁忙期に毎年パンクするのは「人が足りない」からではなく「仕組みがない」から。反響対応・物件入力・追客の3つを仕組み化すれば、同じ人数でも処理能力は1.5〜2倍になる。

1月。反響が急に増え始める。2月。内見の予約が詰まってくる。3月。もう回らない。全員が残業。事務は悲鳴。営業は物件入力と内見案内の板挟み。

毎年同じことが起きる。毎年「来年は人を増やそう」と思う。でも繁忙期のためだけに正社員を増やすのはコストが合わない。派遣やアルバイトを入れても、業界知識がないから戦力になるまで時間がかかる。繁忙期が終わる頃にやっと慣れて、そのまま契約終了。

一方で、同じ規模なのに繁忙期をパンクせず乗り越えている不動産会社がある。違いは何か。人数ではない。仕組みがあるかどうか。

繁忙期にパンクする会社の3つの特徴

1. 反響対応が全部手動

SUUMOやアットホームから反響メールが来る。営業が1件ずつ確認して、1件ずつ返信を書く。閑散期なら問題ない。でも繁忙期に反響が倍になると、返信が追いつかない。平均返信時間が3時間→8時間→翌日になる。お客さんは待たない。他社に流れる。

2. 物件入力を営業がやっている

SUUMO・アットホーム・自社サイトへの物件情報登録。1物件あたり30〜45分。繁忙期は新着物件も増えるから、営業が物件入力に1日2〜3時間取られる。その分、内見案内や顧客対応の時間が減る。

3. 追客が「思い出したら連絡」方式

閑散期は時間があるから、なんとなく追客できる。繁忙期は新規反響の対応で手一杯になり、過去の反響のフォローが完全に止まる。結果、「もう少し検討したい」と言っていた見込み客が全部流れる。

少人数で乗り越える会社がやっている3つの仕組み

仕組み1:初回返信の自動化

反響が来たら、15分以内に自動で初回返信メールを送る。「お問い合わせありがとうございます。ご希望の物件について、担当の〇〇が本日中にお電話させていただきます」——これだけでいい。

目的は「返信速度」でお客さんを逃さないこと。詳細な物件提案は後でいい。まず「ちゃんと受け取りましたよ」と伝える。これだけで離脱率が大きく変わる。

Googleフォームの自動返信、メールの自動応答、LINEの自動返信——ツールは何でもいい。手動でやっているものを1つだけ自動にする。

仕組み2:物件入力の一括処理

複数ポータルへの物件登録を、1回の入力で済ませる仕組みを作る。不動産連合隊やいい生活などの一括入稿サービスを使えば、1物件45分→12分に短縮できる。

月20件の物件登録なら、年間で132時間の削減。繁忙期の営業が「入力ではなく接客」に集中できる時間が生まれる。

仕組み3:追客のステップメール化

「検討中」の顧客に対して、自動でステップメールを送る。3日後に「ご検討状況はいかがですか?」、1週間後に「似た条件の新着物件が出ました」、2週間後に「エリアの相場情報をお送りします」。

手動で追客する必要がなくなるから、繁忙期でも見込み客のフォローが途切れない。営業は「温まった」顧客にだけ電話すればいい。

業務仕組み化前仕組み化後削減効果
反響の初回返信平均3時間15分(自動)離脱率↓
物件入力(1件)45分12分月11時間
追客フォロー手動(繁忙期は停止)自動ステップメール成約率↑

閑散期に仕組みを整えて、繁忙期に収穫する

仕組み化のタイミングは「閑散期」。4〜8月の比較的余裕がある時期に、反響対応のテンプレート作成、物件入力の効率化、追客フローの設計をやっておく。

繁忙期に入ってから「何とかしなきゃ」と思っても遅い。仕組みを作る余裕がない。だから毎年同じ繰り返しになる。

今がちょうど繁忙期の終わり。来期の繁忙期を「人を増やさず」乗り越えるために、今から仕組みを作り始める。それが一番コスパがいい。

まとめ:「忙しい」は仕組みで解決できる

繁忙期のパンクは、毎年起きる構造的な問題。構造的な問題は、人を増やしても解決しない。仕組みで解決する。

反響対応の自動化、物件入力の効率化、追客の仕組み化。この3つを閑散期に整えるだけで、来年の繁忙期は今年と違う景色になる。

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泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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