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不動産

SUUMO(スーモ)入稿を効率化|多重入力と手戻りを減らす方法

8分で読める

SUUMO(スーモ)入稿の効率化の結論

SUUMO・アットホーム・自社サイトへの多重入力は、物件情報の一元管理と不足素材の先回り回収で減らせます。時間を食うのは入力そのものより差し戻しのラリーなので、ツール選びの前に何が埋まらないのかを先に特定します。

  • 効率化の前に、自社の物件入稿を工程ごとに計測します。入力時間だけでなく、差し戻し回数と掲載完了までの時間も、同じ条件の物件で導入前後を比べます。
  • 物件マスターで共通項目と素材を揃えたうえで、再入力が多ければ業務支援ツール、図面からの転記が多ければAI抽出を検証します。
  • 販売図面(マイソク)と写真が揃っていれば入稿項目の7〜8割は埋まります。残りの「ギャップ5項目」は毎回同じなので、物件を受け取るときの1行シートと、初回に1回だけ登録する会社マスタで最初から回収します。

この記事のポイント

SUUMO・アットホーム・自社サイトへの多重入力は、物件情報の一元管理と不足素材の先回り回収で減らせます。導入前後の所要時間と差し戻し回数を計測し、自社で効果を確認する進め方を解説します。

不動産売買仲介の営業担当が「一番めんどくさい」と感じている業務。それは物件のポータルサイト入力ではないだろうか。1つの物件を預かるたびに、SUUMO、アットホーム、HOME'S、自社サイト、場合によってはチラシやマイソクまで。同じ物件情報を何度も何度も入力する。しかも各サイトでフォーマットが微妙に違うから、コピペも効かない。この「入力地獄」から抜け出す方法を解説する。

※ この記事は「不動産売買仲介の業務効率化ロードマップ」のStep 2を詳しく解説したものです。

物件入力の工数を分解する

効率化の前に、自社の物件入稿を工程ごとに分けて計測します。掲載媒体数や素材の揃い方で所要時間は変わるため、他社の固定値ではなく、同じ条件の物件を対象に導入前後を比較することが重要です。

作業工程記録する内容見直しポイント
物件概要の確認・整理開始・終了時刻、不足項目図面や登記情報を探す時間
各ポータルへの入力媒体別の入力時間同じ情報の再入力箇所
写真の選定・加工加工時間、差し替え回数保存場所と命名ルール
確認・差し戻し往復回数、掲載完了までの日数最初に回収できる不足情報

まず一定期間を計測し、物件マスター導入後も同じ条件で再計測します。入力時間だけでなく、差し戻し回数と掲載完了までの時間を合わせて見ると、どこに改善効果が出たか判断できます。

解決策:「1回入力→複数サイトに反映」を実現する3つの方法

方法1:物件マスターシートを作る(コスト0円)

一番手軽なのは、Googleスプレッドシートで「物件マスターシート」を作ること。すべての物件情報をここに1回だけ入力し、各ポータルサイトにはここからコピペする。

物件マスターシートに必要な列

1. 物件名称 / 所在地 / 最寄駅・徒歩分数

2. 価格 / 管理費・修繕積立金

3. 間取り / 専有面積 / バルコニー面積

4. 築年月 / 構造 / 総戸数 / 階数

5. 土地面積 / 権利形態 / 用途地域

6. 引渡し時期 / 現況 / 取引態様

7. 設備情報(駐車場・オートロック・宅配ボックス等)

8. セールスポイント(フリーテキスト)

9. 写真ファイル名(Googleドライブのリンク)

物件マスターの狙いは、「各ポータルの入力画面を見ながら情報を探す」時間と、同じ情報を何度も確認する手戻りを減らすことです。導入前後で媒体別の入力時間と不足項目数を記録し、効果を確認します。

方法2:業務支援ツールを導入する

もう一段踏み込むなら、不動産業務支援ツールを導入する。1回の入力でSUUMO・アットホーム・HOME'Sなど複数のポータルサイトに一括出稿できるサービスがある。

代表的なツールと特徴

いえらぶCLOUD

物件入力から複数ポータルへの出稿、顧客管理などに対応。利用する媒体との連携範囲は導入前に確認します。

速いもんシリーズ(iimon)

物件情報の取り込みや入力支援に対応。対象サイト、取得項目、利用条件は公式の最新情報を確認します。

Facilo

不動産仲介特化のコミュニケーションクラウド。物件提案書の自動生成、顧客への物件紹介を効率化。

短縮幅は、対象媒体、連携できる項目、写真や原稿の準備状況によって変わります。導入前に対象工程を決め、試用期間中に同条件の物件で入力時間と差し戻し回数を比較します。

方法3:AIで物件情報を自動抽出する

さらに進んだ方法として、AIを使って物件図面(マイソク・販売図面)から情報を自動抽出する仕組みがある。PDFやスキャン画像の図面をアップロードすると、AIが物件名・所在地・面積・価格などを読み取って、データ化してくれる。

AIで抽出できる項目と精度は、図面の品質や書式、対象項目によって変わります。誤読や未入力を前提に人が最終確認し、まず少数の物件で抽出率、修正件数、確認時間を測ってから対象を広げます。費用対効果は、月間件数と確認工数を含めて判断します。

3つの方法を選ぶ判断基準

比較項目物件マスター業務支援ツールAI自動抽出
主な削減対象情報を探す時間媒体ごとの再入力図面からの転記
導入前の確認共通項目と入力ルール対象媒体と連携項目図面品質と必要な精度
効果測定入力時間・不足項目数媒体別時間・差し戻し回数抽出率・修正件数・確認時間
進め方共通項目から開始一部媒体で試用少数物件で検証

素材が揃っても手戻りが起きる「ギャップ5項目」

入稿が終わらない理由を「入力量が多いから」だけで説明すると、対策が的外れになる。実際に入稿を代行してみると、時間を食っていたのは入力そのものより差し戻しのラリーだった。

販売図面(マイソク)と写真が揃っていれば、入稿項目の7〜8割は埋まる。問題は残りの2〜3割で、ここは図面を何回読み直しても書いていない。放置すると「それらしく埋めて後で事故る」か「何度も確認のやりとりが発生する」のどちらかになる。

埋まらない項目なぜ図面に無いか先回りの取り方
訴求軸(誰に何を推すか)営業の意図。図面は事実しか持たない物件1行シートに「推したいこと」を1行
写真と号棟・部屋・方位の対応ファイル名が IMG_1234 のままだと判別できないフォルダかファイル名で号棟を分ける
補助金・キャンペーン・即入居の可否時期で変わる営業情報1行シートにチェック式で持たせる
学区・周辺施設の確定図面は距離表記でも学区名は別不足時だけ質問。1物件1往復に抑える
自社のNG表現・文体ルール会社ごとに違う会社マスタに初回1回だけ登録する

重要なのは、この5項目が毎回同じだということ。毎回同じところで詰まるなら、毎回聞くのではなく最初から回収する形にしておけばいい。物件を受け取るときに1行だけ書いてもらうシートを用意し、会社ごとのルールは初回に1回だけ登録する。これだけで確認のやりとりが目に見えて減る。

逆に言うと、入力を自動化するツールを入れても、この5項目が空のままなら手戻りは減らない。ツール選びの前に何が埋まらないのかを先に特定する方が効く。

導入でよくある失敗と対策

失敗1:ツールを入れたのに誰も使わない

新しいツールを導入しても、ベテラン営業が「前のやり方のほうが慣れてるから」と使わないケースは非常に多い。対策は、まず1人だけ「先行ユーザー」を決めて2週間使ってもらい、「こんなに楽になった」という実体験を社内に共有すること。上から一律に指示するだけでなく、先行ユーザーの実測結果と使い方を共有する方が定着につながります。

失敗2:写真の取り扱いが統一されていない

物件情報のテキストデータは一元管理できても、写真がバラバラの場所に保存されているケースがある。スマホの写真フォルダ、PCのデスクトップ、USBメモリ。対策は、物件ごとにGoogleドライブのフォルダを作り、撮影したらすぐにそこにアップロードするルールを決めること。フォルダ名は「物件名_所在地」で統一する。

失敗3:入力ルールがないため表記がバラバラ

「3LDK」と「3LDK」、「徒歩5分」と「徒歩5分」。入力する人によって全角・半角、表記のルールがバラバラだと、検索やフィルタリングが効かなくなる。マスターシートを作る段階で「入力ルール表」を1枚作り、全員が見える場所に貼っておく。ルール項目は10個もあれば十分。

まとめ:所要時間を実測し、手戻りから減らす

物件入力は、入力そのものだけでなく、情報探しや差し戻しにも時間がかかります。まず現状を工程別に計測し、物件マスターで共通項目と素材を揃えます。そのうえで、再入力が多ければ業務支援ツール、図面からの転記が多ければAI抽出を検証します。導入前後を同じ指標で比べ、削減できた時間を内見案内や商談に回せる状態を目指します。

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よくある質問

物件入力を効率化する一番簡単な方法は何ですか?

Googleスプレッドシートで物件マスターを作り、所在地・価格・設備・写真リンクなどを一元管理する方法です。導入前後で1物件あたりの所要時間と差し戻し回数を記録すると、自社での効果を確認できます。

物件入力の業務支援ツールを導入すると、どれくらい時間が短縮されますか?

短縮幅は、掲載媒体数、入力項目、素材の準備状況、連携範囲によって変わります。導入前後で同条件の物件を計測し、入力時間、差し戻し回数、掲載完了までの時間を比較してください。

物件入力ツールを導入しても使われないことはありますか?

よくある失敗です。まず1人の先行ユーザーが試し、入力時間と差し戻し回数を記録してから社内へ展開します。写真の保存場所と入力ルールも先に統一すると定着しやすくなります。

泉

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。

運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI自走プラン(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。

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この記事の数値について

本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。

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