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不動産

不動産会社の広告費、本当に回収できていますか?—SUUMO・ホームズの費用対効果を見える化する方法

8分で読める

この記事のポイント

SUUMO・ホームズ・アットホーム—複数のポータルに広告費を払っていても、「どの媒体が成約に貢献しているか」を把握していない不動産会社は多い。広告費の総額ではなく「媒体別の成約単価」を見える化するだけで、年間数十万円の無駄な広告費を削減できる。この記事では、スプレッドシート1つで始められるROI見える化の方法と、具体的な改善ステップを解説する。

「SUUMO月30万、ホームズ月15万、アットホーム月10万。リスティング広告も合わせると月60万近い」。こういう会社は珍しくない。

問題は、その60万円から何件の成約が生まれているか、正確に答えられる経営者がほとんどいないこと。「だいたい月10件くらいは反響がある」—それでは判断材料にならない。

この記事では、不動産会社の広告費全体のROIを見える化する具体的な方法を解説する。高いツールは要らない。スプレッドシートと、3ヶ月分のデータがあれば十分。

広告費ROIが見えない会社に共通する3つの症状

広告費の費用対効果がわからない会社には、共通するパターンがある。自社がどれに当てはまるか、チェックしてみてほしい。

症状1:反響の「流入元」を記録していない

反響が来たら、とにかく電話をかける。SUUMOから来たのか、ホームズから来たのか、自社サイトから来たのかを記録していない。あるいは「SUUMOっぽいな」という感覚で処理している。これでは媒体別のROIは出せない。

症状2:反響数は追っているが、成約まで紐づけていない

「SUUMOから今月15件反響があった」—ここで止まっている会社は多い。反響数だけ見ると、SUUMOが一番多いから一番優秀に見える。しかし成約まで追うと、SUUMOは15件中1件成約(成約単価30万円)、自社サイトは5件中2件成約(成約単価2.5万円)ということがある。反響数だけでは見えない事実がここにある。

症状3:年に一度「高いな」と思うだけで見直さない

SUUMOやホームズの契約更新時に「今年も結構払ったな」と思う。でもデータがないから「やめたら反響が減るかもしれない」と不安で、そのまま更新する。この繰り返しが何年も続いている会社は少なくない。

広告費ROIを見える化する3ステップ

難しいことはない。スプレッドシートに3つの列を追加するだけで、3ヶ月後には「どの媒体が成約に効いているか」が数字で見える。

ステップ1:反響シートに「流入元」を追加する

既存の反響管理シート(Excelでもスプレッドシートでも可)に「流入元」のプルダウンを1列追加する。選択肢は5つで十分。

  • SUUMO
  • HOME'S(ホームズ)
  • アットホーム
  • 自社サイト
  • 紹介・その他

反響が来るたびに、どこから来たかを選ぶ。これだけで媒体別の反響数が月末に自動で集計できる。

ステップ2:「ステータス」で成約まで追跡する

もう1列、「ステータス」を追加する。選択肢は4段階。

  • 反響(問い合わせ受領)
  • 内見(アポイント実施)
  • 申込(契約意思あり)
  • 成約(契約完了)

この2つの列があれば、「SUUMOから来た反響のうち、何%が成約に至ったか」が計算できる。流入元 × ステータスのクロス集計が、広告費ROIの原資料になる。

ステップ3:月次で「媒体別成約単価」を計算する

月末に、各媒体の掲載料を成約数で割る。これが「成約単価(CPA)」。

媒体月額広告費反響数成約数成約単価判定
SUUMO30万円15件2件15万円プラン見直し検討
HOME'S15万円10件2件7.5万円維持 or 微増
アットホーム10万円5件0件算出不可撤退 or 掲載改善
自社サイト5万円5件2件2.5万円投資拡大
紹介0円3件2件0円仕組み化推進

※ 数字はモデルケース。自社の数字を入れると、予算の偏りが一目でわかる。

このテーブルを3ヶ月分並べると、「アットホームはうちのエリアでは成約に結びつかない」「自社サイトの費用対効果が圧倒的に良い」といった事実が見えてくる。感覚ではなく、データで判断できるようになる。

データが見えたら何をするか—3つの打ち手

打ち手1:成約単価の悪い媒体のプランを下げる

成約単価が仲介手数料の20%を超えている媒体は、プランを1段階下げる。上の例だとSUUMOの成約単価15万円は、仲介手数料100万円に対して15%。ギリギリ許容範囲だが、3ヶ月連続でこの水準なら見直しの余地がある。アットホームのように成約ゼロが続くなら、撤退も選択肢になる。

打ち手2:成約単価の良いチャネルに予算を寄せる

自社サイトの成約単価が2.5万円なら、SEO対策やコンテンツ制作に月5万円追加しても、成約単価5万円。ポータルの半分以下。浮いたアットホームの月10万円をここに回すだけで、同じ広告費総額でも成約数は増える可能性が高い。

打ち手3:反響→成約の「転換率」を上げる

媒体を変えなくても、反響対応のスピードと質を改善すれば成約単価は下がる。たとえばSUUMOの反響15件中、初回対応が30分以内だったのが5件だけだったとする。これを全件30分以内に引き上げるだけで、成約数が2件→3件になる可能性がある。成約単価は15万円→10万円に改善する。

反響対応の改善については、不動産の空室対策にAIを活用する方法でも詳しく解説している。

広告費の見える化で変わる数字(モデルケース)

月10万円
無駄な媒体費の削減
15万→8万
成約単価の改善
年120万円
広告費の年間削減余地

※ 月額60万円の広告費を最適化した場合のモデルケース

よくある疑問と回答

Q. 広告費は売上の何%が適正?

仲介会社なら売上(仲介手数料)の10〜20%が一般的な目安。ただし「広告費率」だけで判断すると本質を見失う。大事なのは「成約1件あたりの広告コスト」が仲介手数料に対して何%かということ。20%以下なら健全、30%を超えるなら見直しが必要。

Q. 小規模な会社でも見える化する意味はある?

むしろ小規模な会社ほど意味がある。月の広告費が30万円でも、年間360万円。そのうち3割が「成約に貢献していない媒体」に流れていたら、年間108万円の無駄。従業員5〜10名の会社にとって、この金額は無視できない。

Q. 専用のCRMは必要?

最初から必要ない。Googleスプレッドシートに「流入元」と「ステータス」の列を追加するだけで十分始められる。3〜6ヶ月データを溜めて「この仕組みをもっと効率化したい」と思ったタイミングで、CRMの導入を検討すればいい。順番を間違えると、使われないツールに月額費用を払い続けることになる。

まとめ:「高い・安い」ではなく「効いているか・いないか」で判断する

広告費が「高い」かどうかは、金額だけでは判断できない。月100万円でも成約10件なら成約単価10万円で十分安い。月20万円でも成約ゼロなら無駄でしかない。

まずやることは2つ。反響シートに「流入元」の列を1つ追加すること。そして月末に「媒体別の成約単価」を計算すること。この2つを3ヶ月続ければ、次の契約更新で「データに基づいた判断」ができるようになる。

不動産会社の業務効率化について体系的に知りたい方は、不動産業界のAI活用・業務効率化 完全ガイドもあわせて参考にしてほしい。

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泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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