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製造業

製造業の5S活動が続かない理由—形骸化しない5Sの仕組み化3ステップ

「チェックだけの5S」から「成果が見える5S」に変える具体的な方法

8分で読める

この記事は製造業の業務改善 完全ガイドの一部です。全体像を知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

5S活動が形骸化する原因は「チェックだけ」「責任者不在」「効果が見えない」の3つ。写真記録のデジタル化→チェックリストの自動集計→生産性KPIとの連動の3ステップで、やる意味のある5Sに変わる。

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は製造業の基本中の基本。ほとんどの工場が取り組んでいる。しかし「うちの5Sは形だけ」「最初の3ヶ月は盛り上がるけど、半年で元に戻る」という声も同じくらい多い。なぜ5Sは続かないのか。そして、どうすれば「やる意味のある5S」になるのか。

5Sが続かない3つの原因

原因1:チェックシートを回収して終わり

紙のチェックシートを配って、○×をつけて、回収して、ファイルに綴じる。これでは「やった記録」が残るだけで、何も改善されない。チェックシートの回収率は高いのに、現場は変わらない—この状態は5S形骸化の典型パターン。

原因2:責任者がいない・変わる

5S活動のリーダーが異動や退職で変わると、活動の温度感が一気に下がる。属人的に回っていた活動は、その人がいなくなった瞬間に止まる。あるプラスチック成形会社(従業員45名)では、5S推進リーダーの退職後、3ヶ月でチェックシートの提出率が90%→30%に落ちた。

原因3:効果が実感できない

「5Sをやると何がよくなるのか」が現場に伝わっていない。「きれいな職場は気持ちいい」だけでは、忙しい製造現場のモチベーションは維持できない。5Sの効果を「探し物の時間が月○時間減った」「不良率が○%下がった」と数字で見せられるかが分かれ目になる。

仕組み化ステップ1:写真記録のデジタル化

5Sの改善は「Before/After」が命。紙のチェックシートでは改善前後の比較ができない。スマートフォンで写真を撮って記録するだけで、5Sの質が一段上がる。

写真記録の運用ルール(例)

撮影タイミング:5S活動の前と後の2枚をセットで撮影

保存先:Googleドライブの共有フォルダ(エリア別・日付別)

命名規則:「エリア名_日付_before/after」(例:加工場A_20260326_before)

レビュー:月1回の5S会議で、改善が大きかった事例をピックアップして共有

写真を撮るだけでも効果がある。「誰かに見られる」という意識が、5Sの質を上げる。実際にある金属部品メーカー(従業員50名)では、写真記録を導入した月から5Sスコアが平均15%向上した。

仕組み化ステップ2:チェックリストの自動集計

紙のチェックシートをGoogleフォームに置き換える。これだけで、集計の手間がゼロになる。

Googleフォーム5Sチェックリストの構成例

1

基本情報(自動入力)

日付・担当者名・対象エリア。プルダウンで選択するだけ。

2

5S評価(各S×5段階評価)

整理:不要物が撤去されているか(1〜5点)。整頓:定位置管理ができているか(1〜5点)。以下同様。合計25点満点。

3

写真添付(Before/After)

改善前と改善後の写真をフォームから直接アップロード。

4

コメント(自由記述)

改善したこと・気づいたことを一言。長文不要、1行でOK。

フォームの回答はスプレッドシートに自動で蓄積される。エリア別・月別のスコア推移グラフも自動生成できる。集計に使っていた時間(だいたい月2〜3時間)がゼロになるだけでなく、データの正確性も上がる。

仕組み化ステップ3:5S活動と生産性KPIの連動

ここが最も重要なステップ。5Sのスコアを単独で追っても、現場は動かない。5Sの効果を生産性の数字と紐づけて初めて、「やる意味がある」と実感できる。

5Sと連動させるKPI例

5Sの項目連動KPI測定方法
整理(不要物の撤去)探し物の時間週1回、作業者に「今週探し物に使った時間」をヒアリング
整頓(定位置管理)段取り替え時間段取り替えの開始〜完了を記録
清掃(汚れの除去)設備故障件数月次の設備トラブル件数を記録
清潔・躾(維持・定着)不良率月次の不良品数÷生産数

実例

ある食品包装メーカー(従業員60名)では、5Sスコアと不良率の相関を3ヶ月追跡した。5Sスコアが20%以上のエリアでは不良率が平均0.8%低い、という結果が出た。「5Sをやると不良が減る」を数字で証明できたことで、現場の取り組み姿勢が明確に変わった。

導入コストと期間の目安

ステップ費用期間
写真記録のデジタル化0円(スマホ+Googleドライブ)1週間で開始可能
チェックリスト自動集計0円(Googleフォーム+スプレッドシート)初期設定2〜3時間
KPI連動の仕組み構築0〜10万円(外部支援を使う場合)1〜2ヶ月で効果測定開始

ステップ1と2は無料で今日から始められる。ステップ3も社内で完結可能だが、KPIの設計や分析の部分で外部の支援を受けると立ち上がりが早い。

まとめ—5Sは「活動」ではなく「仕組み」にする

5Sが続かないのは、現場のやる気の問題ではない。仕組みの問題。チェックシートを配って「やってください」では続かない。写真で見える化し、自動集計でデータを蓄積し、生産性KPIと連動させる。この仕組みがあれば、担当者が変わっても、忙しい時期でも、5Sは回り続ける。

まずは今週、Googleフォームでチェックリストを1つ作るところから始めてみてほしい。紙のチェックシートをデジタルに置き換えるだけで、5Sの運用負荷は大きく下がる。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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