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製造業

製造業の在庫管理、まだ目視と紙台帳?—スプレッドシートで始める在庫の見える化

7分で読める

この記事は製造業のAI活用・業務効率化 完全ガイドの一部です。全体像を知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

在庫管理の問題は「ツールがない」ことではなく「何を・どう管理するか」が決まっていないこと。紙台帳から脱却する第一歩は、業務プロセスを構造化してからスプレッドシートに落とし込むことだ。

「在庫が合わない」「欠品で納期遅延が出た」「倉庫に同じ部品が大量に眠っていた」。従業員30〜100名規模の中小製造業で、こうした声は珍しくない。

中小企業庁の調査では、従業員100名以下の製造業のうち約4割が在庫管理を紙台帳またはExcelの手入力で行っている。問題は「デジタル化が遅れている」ことではなく、そもそも「何を・どのタイミングで・誰が記録するか」のルールが曖昧なまま運用されていること。ここを整理しないまま高額なシステムを入れても、同じ混乱が電子データの上で繰り返されるだけだ。

なぜ「紙台帳のまま」が続くのか

紙台帳が残り続ける理由は、技術力の問題ではない。多くの場合、以下の3つが絡み合っている。

  • 「今のやり方で回っている」という感覚—欠品や過剰在庫が発生しても、ベテラン社員の記憶と経験でカバーできてしまう。問題が表面化しにくい
  • システム導入の心理的ハードル—在庫管理システムは月額数万〜数十万円。「うちの規模で元が取れるのか」という不安が先に立つ
  • 誰が旗振りをするか決まらない—生産管理、購買、倉庫担当のどこが主導するか。部門横断の改善は後回しにされがちだ

つまり、ツールの問題ではなく「業務プロセスの構造化」が抜けているのが根本原因だ。

在庫管理の見える化、3つのステップ

いきなりシステムを導入するのではなく、まずGoogleスプレッドシートで「管理の型」を作る。この順序が大事だ。

ステップ1:管理対象を絞る

全品目を一度に管理しようとすると挫折する。まずは「欠品が起きやすい品目」「過剰在庫になりやすい品目」のトップ20〜30品目に絞る。ABC分析(金額ベースで上位から分類)を使えば、全体の8割の金額を占める品目は意外と少ないことがわかる。

ステップ2:入出庫のルールを決める

「誰が」「いつ」「どこに」記録するかを明文化する。ポイントは3つ。

  • 入庫は「検品完了時」に記録する(納品時ではなく、数量確認後)
  • 出庫は「ピッキング完了時」に記録する(製造ラインへの投入時ではなく、倉庫から出した時点)
  • 記録者は1品目につき1人に固定する(ダブルカウント防止)

このルールが決まっていないまま「スプレッドシートに入力して」と言っても、現場は混乱するだけだ。ルール設計が先、ツールは後。

ステップ3:スプレッドシートで型を作る

ルールが決まったら、Googleスプレッドシートに落とし込む。最低限必要なシートは3つ。

  • 品目マスタ—品番・品名・単位・安全在庫数・発注リードタイム
  • 入出庫記録—日付・品番・入庫数/出庫数・記録者・備考
  • 在庫サマリ(自動集計)—品番ごとの現在庫数・安全在庫との差分・アラート表示

在庫サマリは関数で自動集計し、安全在庫を下回ったセルに条件付き書式で色をつける。これだけで「どの部品が危ないか」が一目でわかるようになる。月次の棚卸差異も記録しておけば、精度改善のPDCAが回せる。

スプレッドシートの次に考えること

スプレッドシートで3〜6ヶ月運用すると、「何を管理すべきか」「どこにボトルネックがあるか」が見えてくる。その段階で初めて、専用システムの導入やバーコード管理への移行を検討すればいい。

よくある失敗は、いきなり数百万円のシステムを導入して「現場が使わない」パターン。スプレッドシートで業務の型を作ってからシステムに移行すれば、要件定義も明確になり、ベンダーとの認識ズレも防げる。見積もり業務の効率化については製造業の見積もり自動化ガイドも参考になる。

補助金を活用する

2026年度は経済産業省の「デジタル化・AI導入補助金」が中小製造業のIT化を後押ししている。スプレッドシートの設計・構築を外注する費用も、要件を満たせば補助対象になる可能性がある。補助率は最大2/3で、申請のハードルも以前より下がっている。

ただし、補助金ありきで動くと「補助金が出る範囲でやる」という本末転倒な計画になりがちだ。まず自社に必要な管理の型を設計し、その上で使える補助金がないかを確認する順番を守りたい。

まとめ:ツールの前に「型」を作る

在庫管理の改善は、高額なシステム投資から始める必要はない。まず管理対象を絞り、入出庫のルールを決め、スプレッドシートで型を作る。このプロセスを経ることで「自社に本当に必要な管理項目」が明確になる。

製造業の業務効率化全体について知りたい方は、製造業のAI活用・業務効率化 完全ガイドもあわせてどうぞ。

よくある質問

Q. 在庫管理のスプレッドシート化にどれくらいの期間がかかりますか?

品目数や拠点数によりますが、従業員50名規模の工場で主要品目(100〜300点)を対象にした場合、設計から運用開始まで2〜4週間が目安です。最初から全品目を網羅しようとせず、欠品や過剰在庫が多い品目から始めると短期間で効果が出ます。

Q. 在庫管理システムを導入すべきか、スプレッドシートで十分か判断する基準は?

品目数が500点以下、拠点が1〜2箇所、入出庫が1日50件以下であれば、Googleスプレッドシートで十分対応できます。それ以上の規模になったとき、初めて専用システムの検討を推奨します。

Q. 在庫管理のデジタル化に使える補助金はありますか?

2026年度は経済産業省の「デジタル化・AI導入補助金」が活用できます。スプレッドシート設計やシステム構築の外注費も対象になる場合があります。補助率は最大2/3です。

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在庫管理の見える化を含む業務プロセスの設計を無料でヒアリング。スプレッドシートの構築は10万円、運用後の保守サポートは月額3万円で対応しています。「何から手をつければいいかわからない」という段階からご相談ください。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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