中小企業におすすめのCRM比較|無料版から始める選び方と料金の目安
この記事の金額について
提供元が料金を公表していないため、取引の現場で見聞きした目安です。正確な料金は提供元にご確認ください。
中小企業におすすめのCRMの結論
どれを選ぶにしても、先に「何を管理し、誰がいつ更新するか」を決めておくと、無料版の試用で判断がつきます。
- 使う人が2人までならHubSpot、3人までならZoho CRMの無料プランから試せる
- 10人以上で顧客管理と社内の業務アプリをまとめたいならkintone、権限や承認を細かく分けたい営業組織ならSalesforce
- 有料版へ移るかは人数でなく、権限・承認・自動化・レポート・日本語サポートが要るかで決める
中小企業におすすめのCRMは、使う人数と、何を管理したいかで決まる。少人数で顧客・商談・対応履歴を一か所へ集めるだけなら、HubSpotやZoho CRMの無料プランから始められる。
顧客が30件のうちはExcelで十分なことが多い。でも件数と担当者が増えると、「あの顧客、最後にいつ連絡したっけ?」「この案件、誰が担当だっけ?」が頻発する。情報が個人のExcelに散在して、引き継ぎもできない。
そこで「まず無料CRMを試そう」となる。でも、期限なく使える無料プランと、一定期間だけ使える無料トライアルは別物だ。この記事ではHubSpotとZoho CRMの無料範囲を中心に、kintoneとSalesforceも含めて、料金の目安と選び方を比較する。
CRMが必要になるタイミング
以下のどれかに当てはまったら、CRMの導入を検討すべきタイミング。
- 顧客数が50件を超えた
- 営業担当が3人以上になった
- 「あの案件どうなった?」が週に何度も発生する
- 顧客情報が個人のExcelやメモに散在している
- 退職時の引き継ぎで毎回トラブルが起きる
中小企業のCRMは「人数」と「目的」で候補を絞る
候補を比べる前に、2つだけ決める。1つは、CRMを毎日使う人が何人か。もう1つは、CRMで何をしたいか。顧客と商談の記録を集めたいのか、社内の業務(案件・日報・見積など)もまとめたいのか、承認や閲覧範囲を細かく分けたいのか。
この2つが決まると、候補はほぼ1〜2つに絞れる。下の図は、この記事で扱う4製品を、無料で始められるかどうかと、人数・目的で振り分けたもの。
無料CRMと無料トライアルの違い
無料CRMは、利用人数や機能に上限があっても期限なく使えるプランを指す。一方、無料トライアルは有料版を一定期間だけ試す仕組みだ。試用期間が終わると、有料契約へ進むか利用を止める必要がある。
2026年9月25日時点で、HubSpotの無料CRMは最大2ユーザー・1,000コンタクトで期限なし、Zoho CRMの無料プランは3ユーザーまで。Salesforce(Sales Cloud)とkintoneは30日間の無料トライアルであり、期限なく無料で運用するプランとは分けて考える。出典:HubSpot公式、Zoho CRM公式FAQ、Salesforce公式の料金ページ、kintone公式の料金ページ
4つのCRMの特徴
HubSpot:無料プランが強い、マーケティング連携が得意
HubSpotの最大の強みは、無料プランでコンタクト管理、取引パイプライン、データのインポート、レポートダッシュボードなどを使えること。無料版は最大2ユーザー・1,000コンタクトで、少人数の営業管理を一か所へ集める用途に向いている。有料のStarterは1シートあたり月額1,800円からで、必須フィールドや権限セットが加わる。
画面は日本語に対応している。ただし、ヘルプ記事やコミュニティには英語のものも多い。ITリテラシーがある程度ある企業向け。
Salesforce:カスタマイズ性は高い、ただし運用設計の負担も大きい
Salesforceは、カスタマイズ性が高く、承認や閲覧権限、項目を業務に合わせて細かく設定できる。料金の入口は次のとおり(1ユーザーあたり月額)。
- Starter Suite(小規模向け):3,000円
- Pro Suite:12,000円(年間契約)
- Sales Cloud Core(営業向けCRM):23,400円(年間契約)
ただし、設定項目が多い。本格的に作り込むなら専門知識が要り、導入支援を外部に頼むと費用が別にかかる(金額は範囲と会社によって大きく変わる)。試算の例として、Pro Suiteを10ユーザーで使うと、ライセンスだけで月12万円・年144万円になる。人数が多く、権限や承認の設計が要る会社で候補にする。
kintone:日本語UI、ノーコードで自社開発
サイボウズのkintoneは、CRM専用ではなく「業務アプリを自分で作れるプラットフォーム」。顧客管理、案件管理、日報管理など、必要な機能を自分でドラッグ&ドロップで作れる。
- ライトコース:1ユーザー月額1,000円(税抜)
- スタンダードコース:1ユーザー月額1,800円(税抜)
- 最小契約は10ユーザー。実際の下限は月1万円から
社員が9人以下の会社だと、使わない枠まで払う形になる。人数の見通しから判断を分ける考え方はkintoneは10人から—9人以下の会社が現実的に選べる顧客管理の組み方に整理した。
日本語UIで、サポートも日本語。ITに詳しくない社員でも使いやすい。ただし、CRM専用ではないので、HubSpotやSalesforceにある「パイプライン管理」「メール追跡」などの機能は自分で作る必要がある。
本記事のkintoneの価格はサイボウズの料金ページで2026年9月25日に確認したもの(税抜・1ユーザーあたり)。価格は改定されるため、契約前に公式サイトで最新の金額をご確認ください。
Zoho CRM:無料プランあり、コスパが光る
Zoho CRMは、3ユーザーまで無料で使える。無料版は基本的な顧客情報の管理に向き、有料版では自動化、分析、カスタマイズ、セキュリティなどが広がる。有料版はスタンダードプランが1ユーザー月額1,760円(年間契約)から。日本語サポートは有料プランに含まれる。
メール・チャット・SNS連携が充実しており、顧客とのコミュニケーション履歴を一元管理しやすい。有料版ではワークフロー自動化なども使える。少人数チームでコストを抑えたい場合に選択肢に入る。
価格帯別の比較:1ユーザーあたり月額の目安
小規模な会社で比べるときは、無料で続けられるか、有料にしたとき1人あたりいくらかかるかを並べると判断しやすい。下の図は、各社の公式ページに載っている入口の料金を並べたもの。上位プランや追加オプションは含まない。
| HubSpot | Salesforce | kintone | Zoho CRM | |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | ライセンスのみなら0円。導入支援を頼む場合は別途 | 0円 | 0円 |
| 月額 | 0円〜(無料版は最大2ユーザー)/Starterは1シート1,800円〜 | 3,000円/ユーザー(Starter Suite)〜。Pro Suite 12,000円、Sales Cloud Core 23,400円(年間契約) | 1,000円/ユーザー(ライト)〜1,800円(スタンダード)・税抜/最小10ユーザー | 0円〜(無料版は3ユーザーまで)/スタンダード1,760円(年間契約) |
| 無料プラン | あり(期限なし) | なし(30日間トライアル) | なし(30日間トライアル) | あり(期限なし・3ユーザーまで) |
| 日本語対応 | UI対応済み、英語の資料も多い | 完全対応 | 完全対応(国産) | UI対応済み、日本語サポートは有料プラン |
| カスタマイズ性 | 中程度 | 非常に高い | 高い(ノーコード) | 中〜高(有料版で自動化) |
| 学習コスト | 中程度 | 高い(専門知識必要) | 低い(直感的) | 中程度 |
料金は2026年9月25日に各社の公式料金ページで確認したもの。価格は改定されるため、契約前に公式サイトで最新の金額をご確認ください。
無料CRMで足りる会社、有料版へ移る会社
無料版で足りるのは、利用者が2〜3人で、管理したいものが顧客、商談、次回対応、対応履歴に絞られている会社だ。最初の目的を「情報を一か所へ集める」に限定すれば、無料版でも運用を試せる。
有料版へ移る判断基準は、人数ではなく業務要件で決める。担当者ごとに閲覧範囲を分けたい、承認フローを作りたい、定型メールやタスクを自動化したい、部門別のレポートが必要、日本語の個別サポートが必要、のどれかが出たら有料機能を確認する。
無料版を試す前に決める4項目
・顧客、商談、活動のうち何を正本にするか
・誰が、いつ情報を更新するか
・次回対応日と案件ステータスの定義
・2週間後に継続可否を判断する指標
この4項目を先に決めるやり方はCRM構築の進め方|導入前に作るデータ定義書の7項目で詳しく書いた。CRMとSFAのどちらを先に入れるか迷う場合はSFAとCRMの違いから読むと整理しやすい。
中小企業がCRM導入で失敗するパターン
失敗パターン1:高機能すぎるCRMを入れて誰も使わない
「せっかく入れるなら高機能なやつを」と上位プランを契約する。設定項目が多すぎて誰も入力しない。半年後、結局Excelに戻っている。その間のライセンス費は、使われないまま払い続けることになる。
失敗パターン2:データ移行で挫折する
既存のExcelデータをCRMに移行しようとするが、フォーマットがバラバラ。名前の表記ゆれ、電話番号のハイフン有無、住所の全角半角——これを整理するだけで何週間もかかる。途中で「もういいか」となって放置。
失敗パターン3:運用ルールを決めずに導入する
「とりあえず入れてみよう」で導入。「いつ入力するか」「誰が入力するか」「何を入力するか」のルールがない。結果、入力する人としない人がバラバラ。データが歯抜けで使い物にならない。
3つとも、ツールの性能ではなく導入前の決め事で防げる。CRMで何を数えるかから決めたい場合はCRM戦略の立て方、既製品でなく自社用に作る場合はCRM開発を発注する前に決めることを参照してほしい。
業種別おすすめCRM
「結局うちにはどれがいいの?」という声が多いので、業種別に整理してみる。あくまで傾向なので、最終的には自社の業務フローに合うかどうかで判断してほしい。
不動産業
物件情報と顧客情報を紐づけて管理する必要があるなら、kintoneが使いやすい。物件管理アプリを自社でカスタマイズできる。反響(問い合わせ)の管理をメインにしたい場合は、HubSpotの無料プランで反響からの対応履歴を追跡する運用も合う。
製造業
受注管理・在庫管理・顧客管理をまとめて一元化したいなら、kintoneの自由度が活きる。業務アプリを自分で作れるので、見積書管理や納期管理も同じプラットフォーム上で完結できる。
クリニック
患者フォローのワークフロー(来院後のお礼メール、定期検診のリマインドなど)を自動化したいなら、Zoho CRMの有料版のワークフロー機能が向いている。まず小さく始めるなら、HubSpotの無料プランで問い合わせ対応の履歴管理から入るのもあり。
CRMの前に「スプシを整理すべき」ケース
CRMを入れる前に「今のスプレッドシートを整理する」だけで解決するケースもある。
顧客リストのフォーマットを統一する。入力ルールを決める。ステータス管理の列を追加する。自動集計のダッシュボードを作る。担当者が少なく件数も多くないうちは、これで十分回ることが多い。
スプシが整理された状態でCRMに移行すれば、データ移行もスムーズ。「スプシの整理→CRM導入」の2ステップが、無駄な費用を出しにくい進め方だ。
CRM導入の判断の目安(SalesDockの判断軸)
顧客数50件未満 → スプレッドシートで十分なことが多い
顧客数50〜200件 → スプシを整備した上でHubSpot or Zoho CRMの無料プランを試す
顧客数200件以上 → HubSpot有料 or kintone or Zoho有料を本格検討
営業10名以上+複雑な承認フロー → Salesforceを検討
まとめ:CRMは「使われてこそ」意味がある
CRM選びで一番大事なのは、「社員が実際に使うかどうか」。高機能なCRMを入れても、使われなければ月額費用が垂れ流しになるだけ。
中小企業であれば、まずはHubSpotの無料プラン、Zoho CRMの無料プラン、またはkintoneで小さく始める。その前段階として、スプレッドシートの顧客リストを整理し、何を管理し誰が更新するかを決めておく。これが最もリスクの低い進め方。
候補が2つに絞れない、管理項目や更新の決め方から一緒に整理したい場合は、システム導入・業務改善支援で、現在の顧客リストと業務の流れを見ながら、最初に整える1業務から相談を受けている。
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中小企業におすすめのCRMはどれですか?
使う人が2人までならHubSpotの無料CRM、3人までならZoho CRMの無料プランから試すのが負担の少ない始め方です。10人以上で顧客管理と案件・日報などの業務アプリをまとめたいならkintone、承認や権限を細かく分けたい営業組織ならSalesforceが候補になります。人数だけで決めず、必要な権限、レポート、自動化、日本語サポートが無料範囲に含まれるかを確認してください。
小規模向けCRMの料金の目安は?
2026年9月25日時点の公式料金では、HubSpotとZoho CRMに期限なしの無料プランがあります。有料版の入口は、kintoneライトコースが1ユーザー月額1,000円(税抜・最小10ユーザー)、Zoho CRMスタンダードが月額1,760円(年間契約)、HubSpot Starterが1シート月額1,800円から、SalesforceのStarter Suiteが月額3,000円です。契約前に各社の公式ページで最新の金額を確認してください。
無料CRMと無料トライアルは何が違いますか?
無料CRMは機能や人数に制限があっても期限なく使えるプランです。無料トライアルは有料機能を一定期間試すもので、期間終了後は契約か利用停止の判断が必要です。試験運用後も無料で続けたい場合は、無料プランの上限を確認してください。
CRM導入で失敗しないためのポイントは何ですか?
機能の多さで選んで、現場が使いこなせないのがよくある失敗です。①最初に管理したい項目を5つ以内に絞る、②無料プランや無料トライアルで現場の担当者に2週間使ってもらう、③導入後3ヶ月は週1回、入力されているかを確かめる。高機能なツールより「現場が毎日開くツール」を選んでください。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI自走プラン(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。
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人材紹介3ヶ月の伴走支援
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