SalesDock ロゴSalesDock
業務改善

営業の案件管理シートを1枚で回す—ステータス・次回アクション日・COUNTIF集計の設計

スプレッドシートで案件管理を作るとき、列を増やすほど更新されなくなります。1枚で回すための列の決め方、ステータスの粒度、抜け漏れを見つける式を整理します。

最終更新 2026年8月11日8分で読める

この記事で答えること

スプレッドシートで営業案件の進捗を管理する仕組みを自分で作りたい。その疑問に答えます。

この記事のポイント

  • 案件シートが機能しなくなる原因は、列が足りないことではなく、更新の手間が増えたこと。
  • 1行1案件にして、毎日触る列を3つに絞ると続く。
  • ステータスは工程ではなく「次に誰が動くか」で切ると、更新が判断にならない。
  • 抜け漏れは件数の集計ではなく、次回アクション日が過ぎている行を出すほうが早い。

列が多いシートは、正確だが更新されない

案件管理をスプレッドシートで作ると、だいたい列が増えていきます。確度、金額、受注予定日、競合、決裁者、次回アクション、担当、流入経路。どれも必要に見えます。

ただ、列が増えるほど1件あたりの更新にかかる時間が増えます。営業の側からすると、商談が終わったあとに10項目を埋める作業になる。忙しい週に飛ばされ、飛ばされたまま2週間経つと、シート全体が信用できなくなります。

信用できなくなったシートは、会議の直前にまとめて埋め直されます。そうなると、そこにあるのは進捗の記録ではなく、会議のための清書です。判断には使えません。

毎日触る列は3つに絞る

続くシートは、毎日更新する列と、たまに更新する列が分かれています。毎日触るのは、ステータス、次回アクション、次回アクション日の3つで足ります。金額や決裁者は動きが少ないので、変わったときだけ直せば十分です。

この3つに絞ると、商談後の更新が数十秒で終わります。終わるから続きます。続くから、シートを見れば今どうなっているかが分かる状態になります。ここから先、権限を分けたい・変更履歴を追いたいという話が出てきたらツール側の検討になりますが、人数が少ないうちはkintoneの最低契約が10ユーザーである点も含めて、急がない判断のほうが現実的なこともあります。

出典・一次情報: セル内にプルダウン リストを作成する(Google ドキュメント エディタ ヘルプ)。仕様は変わることがあるので、最新の手順は公表元でご確認ください。

更新の頻度入れ方
ステータス毎回プルダウンから選ぶ。自由入力にしない
次回アクション毎回動詞で1行。「見積提出」「再架電」など
次回アクション日毎回日付。空欄を許さない
金額・決裁者・流入経路変わったときだけ商談初回に埋めて、以後は据え置き

ステータスは工程ではなく「次に誰が動くか」で切る

ステータスを工程名で切ると、更新のたびに判断が要ります。「提案済み」なのか「検討中」なのかは、見る人によって解釈が変わるためです。判断が要る入力は、迷った瞬間に飛ばされます。

迷わない切り方は「次に動くのが誰か」です。こちらが動く、相手の返事待ち、日程が決まっている、判断が出た。この分け方だと、商談が終わった直後に迷いなく選べます。

この切り方には副次的な効果があります。「相手の返事待ち」が何件あって、それぞれ何日経っているかが一目で出るようになる。営業が止まる原因は、こちらがボールを持ったまま置いている案件よりも、返事待ちのまま忘れられている案件のほうに多いと感じています。

抜け漏れは、集計ではなく日付で見つける

件数の集計はCOUNTIFで出せます。ステータスごとの本数、担当ごとの本数。ただ、これは今の状態を数えているだけで、放置されている案件は見つかりません。ステータスが正しく入っている案件ほど、集計上はきれいに見えます。

放置を見つけるには、次回アクション日が今日より前の行を抽出するのが早いです。予定していた日を過ぎているのに動いていない案件が、そのまま並びます。ここに出てきた行を上から処理する運用にすると、シートが単なる記録ではなく作業リストになります。

件数の集計は、それとは別に週次でまとめて見れば足ります。日々の運用で見るのは、期限を過ぎた行のほうです。なお、集計そのものを毎週手作業でやっている場合は主題が変わるので、毎週月曜に2時間かけて営業数字を手集計している会社へで扱っています。

出典・一次情報: COUNTIF(Google ドキュメント エディタ ヘルプ)。仕様は変わることがあるので、最新の情報は公表元でご確認ください。

案件の数字を経営側の指標と並べて見たくなったら、同じ3枚構成の考え方が使えます。組み方はBIツールなしで経営ダッシュボードを作る—スプレッドシートだけで始める見える化にまとめています。

よくある質問

案件管理シートの列は、いくつぐらいに絞ればいいですか?

毎日更新する列は、ステータス・次回アクション・次回アクション日の3つで足ります。金額や決裁者、流入経路は動きが少ないので、変わったときだけ直せば十分です。列が増えるほど1件あたりの更新時間が増え、忙しい週に飛ばされ、飛ばされたままだとシート全体が信用できなくなります。3つに絞ると商談後の更新が数十秒で終わるので、続きます。

案件のステータスは、どう分けるのがいいですか?

工程名で切ると更新のたびに判断が要ります。「提案済み」なのか「検討中」なのかは見る人によって解釈が変わり、迷った瞬間に飛ばされるためです。迷わない切り方は「次に動くのが誰か」で、こちらが動く/相手の返事待ち/日程が決まっている/判断が出た、と分けると商談直後に迷いなく選べます。副次的に、返事待ちが何件あって何日経っているかも一目で出るようになります。

放置されている案件は、どうやって見つけますか?

COUNTIFでの件数集計では見つかりません。集計は今の状態を数えているだけで、ステータスが正しく入っている案件ほど集計上はきれいに見えるためです。放置を見つけるには、次回アクション日が今日より前の行を抽出するのが早く、予定日を過ぎているのに動いていない案件がそのまま並びます。ここに出た行を上から処理する運用にすると、シートが記録ではなく作業リストになります。件数の集計は、それとは別に週次でまとめて見れば足ります。

導入前のチェックリスト

1行1案件になっているか確認した
毎日更新する列を3つに絞った
ステータスを「次に誰が動くか」で切った
次回アクション日が過ぎた行を抽出できるようにした

SalesDockでできること

業務改善ロードマップ(無料資料)を受け取る

「スプレッドシート 案件管理 作り方」の上位はプロジェクト管理ツールのベンダー記事が中心で、ガントチャートやタスク管理の話に寄っている。BtoB営業の商談を1枚で回すときの列の決め方やステータスの粒度が書かれていない。SalesDockは営業の数字まわりのシートを実際に作り直す側なので、更新が続く形から書ける。 単体のツール選定だけで終わらせず、現場で使う業務の流れまで一緒に整えます。

詳しく見る

関連記事

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

代表メッセージを読む →

NEXT STEP

業務・判断・データの詰まりを、3分で整理

自動化やシステム導入の前に、自社が先に整える場所を確認できます。