3分で診断結果がその場で分かる

20問に答えるだけ。御社の課題と優先順位を自動判定します

無料で診断
SalesDock ロゴSalesDock
不動産

賃貸管理の業務改善、どこから手をつける?—入居者対応・修繕管理・家賃回収の効率化

8分で読める

この記事は不動産業界のAI活用・業務効率化 完全ガイドの一部です。全体像を知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

賃貸管理の効率化は「入居者対応→修繕管理→家賃回収」の順で着手するのが定石。いきなりシステム導入ではなく、まず業務フローの可視化と問い合わせの分類から始めると、現場に無理なく定着する。

賃貸管理の現場は、入居者からの問い合わせ、修繕手配、家賃の入金確認と督促—日々の対応に追われて「改善したいけど手が回らない」状態になりがちだ。管理戸数が300戸を超えるあたりから、人手だけでは回らなくなる場面が増えてくる。

とはいえ、「DX」「システム導入」と聞くと大げさに感じるかもしれない。実際のところ、賃貸管理の業務改善は高額なシステムがなくても始められる。大事なのは「どこから手をつけるか」の優先順位だ。

賃貸管理の3大業務と、それぞれのボトルネック

賃貸管理の業務は大きく3つに分けられる。入居者対応、修繕管理、家賃回収。それぞれに「ここで時間を食っている」というボトルネックがある。

1. 入居者対応—問い合わせの7割は「同じ質問」

「ゴミの出し方を教えてほしい」「エアコンのリモコンが動かない」「契約更新の手続きはどうすれば?」。入居者からの問い合わせを記録してみると、内容の約7割は定型的な質問だということがわかる。

にもかかわらず、毎回電話で個別対応しているケースが多い。1件あたり5〜10分、1日10件なら50〜100分。これが毎日続く。

改善の方向性:まずは問い合わせ内容を1ヶ月分記録し、カテゴリ別に分類する。定型質問はFAQページやPDFにまとめて入居者に案内するだけで、電話対応の件数を3〜4割減らせる。さらにLINE公式アカウントやチャットフォームを併用すれば、営業時間外の対応も自動化できる。

2. 修繕管理—「誰が・いつ・何を」が追えない

修繕依頼の受付から業者手配、完了確認、オーナーへの報告。この一連の流れが担当者の記憶やメモ帳に依存していると、対応漏れや二重手配が起きる。管理戸数が増えるほどリスクは高くなる。

改善の方向性:修繕案件ごとに「受付日・内容・手配業者・対応状況・完了日」を一覧で管理する。スプレッドシートでも十分だが、ステータス管理(未対応/手配済み/完了)を入れるのがポイント。週1回、未対応案件を棚卸しするだけで漏れは大幅に減る。

写真付きで修繕箇所を記録しておけば、オーナーへの報告書作成も楽になる。Googleフォームで入居者から写真付きの修繕依頼を受け付ける仕組みにすれば、電話の聞き取りミスも防げる。

3. 家賃回収—滞納の初動が遅れるほど回収率は下がる

家賃の入金確認と滞納督促は、賃貸管理で最もストレスの大きい業務の一つ。手作業で通帳や管理ソフトの入金データを突き合わせ、未入金者をリストアップし、電話やSMSで催促する。この作業だけで月に20〜40時間を費やしている管理会社も珍しくない。

改善の方向性:入金データの突合をスプレッドシートの関数やスクリプトで半自動化するだけでも、確認作業の時間は半分以下になる。さらに、滞納発生から何日以内に・どの手段で(SMS→電話→書面)連絡するかをルール化しておけば、担当者による対応のばらつきもなくなる。詳しくは家賃回収の自動化に関する記事も参考にしてほしい。

「入居者対応→修繕→家賃回収」の順で着手する理由

3つの業務すべてを同時に改善しようとすると、現場がパンクする。おすすめは「入居者対応→修繕管理→家賃回収」の順番だ。理由は3つある。

1. 入居者対応は効果が見えやすい。FAQ整備やチャット導入で電話件数が減れば、スタッフが「楽になった」と実感できる。改善への抵抗感が薄れ、次のステップに進みやすくなる。

2. 修繕管理は仕組み化の練習になる。案件をリスト化し、ステータスで管理する経験は、他の業務にも応用できる。「記録して・一覧化して・定期的に棚卸す」という型を身につけるステップとして最適だ。

3. 家賃回収は既存の仕組みとの連携が必要。会計ソフトや銀行の入出金データとの突合が絡むため、ある程度デジタル化が進んでから着手したほうがスムーズに進む。

いきなりシステム導入が失敗する理由

「賃貸管理システムを入れれば全部解決する」と考える方もいるが、現場の業務フローが整理されていない状態でシステムを入れると、かえって混乱する。よくあるのは以下のパターンだ。

  • システムに入力する項目が多すぎて、現場が使わなくなる
  • 既存のやり方(電話メモ・紙の台帳)とシステムが二重運用になる
  • 月額費用だけ発生して、導入前と業務量が変わらない

まずはスプレッドシートやGoogleフォームなど無料ツールで業務フローを整理し、「何をどう管理すれば回るか」が見えてからシステム投資を検討するほうが失敗しにくい。不動産業界全体のDXの進め方については不動産業界の業務効率化 完全ガイドにまとめている。

管理戸数300戸で試算する効率化の効果

管理戸数300戸の賃貸管理会社を想定して、各施策の効果を試算してみる。

施策改善前(月間)改善後(月間)削減時間
入居者問い合わせ対応約40時間約15時間▲25時間
修繕管理・業者手配約20時間約10時間▲10時間
家賃入金確認・督促約30時間約8時間▲22時間
合計約90時間約33時間▲57時間

月57時間の削減は、フルタイムスタッフ約0.3人分に相当する。浮いた時間をオーナー営業や新規管理受託に充てれば、売上増にもつながる。

まとめ—まずは1ヶ月分の記録から

賃貸管理の業務改善は、大きなシステム投資から始める必要はない。まずやるべきことは、1ヶ月分の問い合わせ内容を記録し、分類すること。それだけで「何に時間を取られているか」が見えてくる。

見えたら、定型対応のFAQ化、修繕案件のリスト管理、入金確認の半自動化と、一つずつ進めていけばいい。焦ってすべてを変える必要はない。現場が「これなら続けられる」と感じる粒度で進めるのが、結果的に一番早い。

よくある質問

Q. 賃貸管理の業務改善は何から始めるべきですか?

まずは入居者からの問い合わせ内容を1ヶ月分記録し、カテゴリ別に分類するところから。約7割は定型質問なので、FAQ化するだけで電話対応を3〜4割減らせる。効果が見えやすく、現場のモチベーションも維持しやすい。

Q. 管理戸数が少なくても効率化する意味はありますか?

100戸未満でも効果はある。ただし、費用対効果が明確に出やすいのは300戸以上が目安。少ない場合はGoogleフォームやスプレッドシートなど無料ツールでの整理から始めるのが現実的だ。

Q. 賃貸管理のDXにはどれくらいの費用がかかりますか?

スプレッドシート+Googleフォームでの整理なら初期費用ほぼゼロ。専用の賃貸管理システムなら月額3〜10万円程度が相場。まずは無料ツールで業務フローを可視化し、ボトルネックを特定してからシステム投資を検討する順番が失敗しにくい。

関連ソリューション

賃貸管理の業務効率化について詳しく知りたい方は、賃貸管理向けソリューションもご覧ください。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

代表メッセージを読む →

賃貸管理の業務改善、無料相談を受付中

「うちの管理体制、このままで大丈夫?」そんな相談からで大丈夫です

無料で相談する