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不動産

不動産営業の歩合給設計パターン|採用と定着を両立する報酬制度の考え方

完全歩合・固定+歩合・チーム歩合の3パターンを比較

9分で読める

この記事は不動産会社のDX・業務改善 完全ガイドの一部です。不動産業の効率化を体系的に知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

不動産営業の歩合給を完全歩合・固定+歩合・チーム歩合の3パターンで比較。歩合率の相場感や設計ミスのリスク、見直しチェックリストまで。

不動産営業の報酬制度は、採用力と定着率に直結する経営判断。歩合率が低すぎればトップ営業が辞め、高すぎれば会社の利益が残らない。この記事では、完全歩合・固定+歩合・チーム歩合の3パターンを比較し、中小不動産会社が「採用できて、辞めない」報酬制度を設計するための考え方を整理する。

3つの報酬パターン比較

不動産営業の報酬パターン比較

項目完全歩合固定+歩合チーム歩合
固定給なし(または最低保証のみ)月20〜30万円月20〜25万円
歩合率売上の30〜50%売上の10〜20%チーム売上の5〜15%
採用のしやすさ経験者のみ応募未経験者も応募あり未経験者の応募多い
定着率低い(成績不振で離職)中程度高い
会社の利益率高い(固定費なし)中程度安定しやすい
向いている会社売買仲介・投資用売買・賃貸の両方賃貸管理・総合不動産

歩合率の相場感

不動産営業の歩合率は業態によって大きく異なる。以下は2026年時点の一般的な相場。

業態別の歩合率相場

業態完全歩合の場合固定+歩合の場合
売買仲介仲介手数料の30〜50%仲介手数料の10〜20%
賃貸仲介仲介手数料の40〜60%仲介手数料の15〜25%
投資用不動産売上の20〜40%売上の5〜15%
買取再販利益の15〜30%利益の5〜15%

賃貸仲介の完全歩合が高いのは、1件あたりの手数料が低い(家賃1ヶ月分が上限)ため。売買仲介は1件あたりの手数料が大きいため、歩合率が低くても金額は大きくなる。

設計を間違えるとどうなるか

歩合率が高すぎる場合

トップ営業の年収は上がるが、会社に利益が残らない。固定費(事務所家賃、事務スタッフ人件費、広告費)を賄えなくなり、経営が不安定になる。また、トップ営業が「これだけ稼げるなら独立した方が良い」と判断して辞めるリスクもある。

歩合率が低すぎる場合

採用時に「歩合率が低い」という理由で経験者が応募してこない。入社しても「頑張っても報われない」と感じて早期離職する。特に売買仲介では、優秀な営業ほど歩合率の高い会社に移りやすい。

個人主義が行きすぎる場合

完全歩合制で個人成績のみで評価すると、情報共有や後輩育成が機能しなくなる。「自分の数字さえ上がればいい」という文化が定着し、チームワークが崩壊する。これは中長期的に組織力の低下につながる。

報酬制度のトレンド—固定+歩合+評価の3階建て

近年は「固定給+歩合+定性評価ボーナス」の3階建て構造が増えている。定性評価には「顧客満足度」「チームへの貢献」「後輩育成」などを組み込む。これにより、数字だけでなく会社への貢献度も報酬に反映される。

3階建て報酬の例(売買仲介・月収イメージ)

1階:固定給 25万円

2階:歩合給 仲介手数料の15%(月2件成約で約30万円)

3階:四半期ボーナス 定性評価で0〜30万円

年収イメージ:500〜800万円(成績による)

報酬制度の見直しチェックリスト

採用面:直近1年の応募数と質は十分か。「報酬条件が理由で辞退された」ことはないか。

定着面:入社1年以内の離職率は30%以下か。離職理由に「報酬への不満」が含まれていないか。

利益面:営業人件費率(歩合含む)が売上の40%を超えていないか。

公平性:同じ成績の営業が同じ報酬を得ているか。属人的な特別扱いがないか。

成長促進:成績が伸びた時に報酬が連動する仕組みがあるか。頑張るインセンティブがあるか。

チームワーク:個人成績だけでなく、チーム貢献や後輩育成を評価する仕組みがあるか。

まとめ:報酬制度は「経営戦略」の一部

歩合率は「業界の相場に合わせる」だけでは不十分。自社の業態・成長フェーズ・採用戦略に合った制度を設計する必要がある。完全歩合で攻めの採用をするのか、固定+歩合で安定した組織を作るのか—これは経営判断そのもの。

報酬制度の見直しと併せて、採用と定着の全体戦略を考えたい場合は「不動産会社の人材定着戦略」「不動産会社の採用難対策」も参照してほしい。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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