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工数計算をエクセルで行う方法|回数×時間の表と、SUMIFS・稼働率の逆算式
工数計算をエクセルで行う方法を、作業名・回数・1回の時間の表から解説します。人日・人月への換算、担当別のSUMIFS、見積と実績の比、時間入力の誤りの避け方、期間からの逆算式まで、計算例付きでまとめました。
公開: ・ 最終更新: ・ 読了目安 9分
執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

結論
工数計算のエクセルは、1行に1作業を置き、「回数×1回の時間」を全行に同じ式で入れる表です。合計を時間で出してから、1日の時間で割って人日、1か月の日数で割って人月に直します。工数の考え方そのものは、親記事の工数の計算方法で説明しています。この記事は、その計算をエクセルの表と関数に落とす手順に絞ります。
- 表は、作業名・担当・月の回数・1回の時間(分)・予備率・月の工数・根拠の7列で足ります。
- 月の工数は「回数×1回の時間÷60×(1+予備率)」を全行に入れ、合計から人日・人月に直します。
- 時間は分の数値で入力します。「1:30」のような時間表示は、足したときにずれます。
工数計算の表は、1行に1作業を置く7列で作ります
工数計算のエクセルは、列の設計でほぼ決まります。1行に1作業だけを置き、同じ式を全行に入れることで、行を足しても合計がずれません。
| 列 | 記入例(2行目) | 入れ方のルール |
|---|---|---|
| A列:作業名 | 請求書の仕分け | 1人が一続きでやる単位で書きます |
| B列:担当 | 経理 | 担当別の集計の条件にします |
| C列:月の回数 | 12 | 履歴やカレンダーで数えた回数です |
| D列:1回の時間(分) | 240 | 分の数値で入れます。「4:00」のような時間表示にしません |
| E列:予備率 | 10% | 慣れた作業は低く、初めての作業は高く置きます |
| F列:月の工数(時間) | =C2*D2/60*(1+E2) | 全行に同じ式を入れます |
| G列:前提・根拠 | 1回分を実測 | 後から見直せるように、数字の出どころを書きます |
予備率の置き方は、工数の計算方法の予備工数の節で、作業の慣れ具合ごとに整理しています。ここでの割合は、表の動きを見せるための仮置きです。
工数の計算式は、行ごとの式と合計の式の4本です
式は、行ごとに入れるものと、表の下や横に1回だけ入れるものに分かれます。1日の時間と1か月の日数は、式の中に数字を直接書かず、別のセルに置きます。前提の数字を式に埋め込むと、会社や契約で換算が変わったときに、全部の式を直すことになります。
月の工数(時間) F2: =C2*D2/60*(1+E2)
全体の合計(時間)F51: =SUM(F2:F50)
人日に直す =F51/$K$1 (K1に1日の時間 例:8)
人月に直す =F51/$K$1/$K$2 (K2に1か月の日数 例:20)次に、担当別の合計です。担当列を条件に、条件に合う行だけを足します。
担当別の合計 =SUMIFS(F2:F50, B2:B50, "経理")工数の計算例:3つの作業を表に入れて合計を出す
仮の数字で、3つの作業を表に入れます。F列は、各行に =C*D/60*(1+E) を入れた結果です。
| 作業名 | 担当 | 月の回数 | 1回の時間(分) | 予備率 | 月の工数(時間) |
|---|---|---|---|---|---|
| 請求書の仕分け | 経理 | 12 | 240 | 10% | 52.8 |
| 電話での追いかけ | 受付 | 90 | 5 | 10% | 8.25 |
| メールでの追いかけ | 受付 | 150 | 5 | 10% | 13.75 |
| 合計 | — | — | — | — | 74.8 |
- 人日:74.8時間 ÷ 8時間 = 9.35人日です。
- 人月:9.35人日 ÷ 20日 = 約0.47人月です。
- 担当別:経理は52.8時間、受付は22.0時間(8.25+13.75)になります。
合計だけを見ると、「約0.47人月」でひとかたまりに見えます。担当別に分けると、工数が経理の1作業に偏っていることが分かり、工数削減の進め方で、どの作業から減らすかを選ぶ材料になります。
時間の入力で起きる誤りは、4つに分かれます
式が合っていても、入力の仕方で数字がずれます。工数のエクセルで起きやすい誤りを、原因と直し方で並べます。
| 誤り | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 分と時間が混ざる | D列の単位がバラバラで、F列の式が一部の行だけ合わない | D列は分の数値に統一し、列の見出しに(分)と書きます |
| 「1:30」と時間表示で入力する | 足しても1.5時間にならず、0.0625のような小さな値になる | 分の数値(90)で入力します。時間表示を使うなら、24を掛けて時間数にします |
| 合計が24時間を超えると表示が切れる | 合計が「1:00」のように見える | 表示形式を[h]:mmにします |
| 実績が0の行で割り算がエラーになる | 比の列に #DIV/0! が出る | IF関数で、見積もりが0の行は空欄にします |
最も多いのは、分と時間の混在です。エクセルは「1:30」を1日を1とする値(0.0625)として保存します。そのため、時間表示のセルをそのまま足しても、時間数にはなりません。分の数値に統一しておけば、60で割るだけで時間になります。
見積もりと実績は、別の表に分けて比を出します
見積もりの表に実績を混ぜると、元の見積もりが書き換わって比較できなくなります。見積もりの表はそのまま残し、実績は別の表に作業名をそろえて入れます。
見積もり(時間)B2: 作業一覧のF列の値
実績(時間) C2: 実際にかかった時間
比 D2: =IF(B2=0,"",C2/B2)請求書の仕分けが見積もり52.8時間に対して実績68.6時間なら、比は約1.30で、3割多くかかったことになります(仮の数字です)。直すのは式ではなく、その作業の1回の時間です。実績を案件別の原価に結びつける表は、プロジェクト原価管理をエクセルで行う方法に続きます。
期間と人数から使える工数を出す式も、同じ表に置けます
「この仕事を10営業日で終えたい」という問いには、逆向きの式を使います。人数・日数・1日の時間・稼働率をそれぞれ別のセルに置いておくと、前提を変えて試せます。
使える工数(時間)= 人数 × 日数 × 1日の時間 × 稼働率
必要な人数 = F51 ÷(日数 × 1日の時間 × 稼働率)稼働率は、会議や問い合わせ対応を引いて、実際にその仕事に使える割合です。74.8時間の仕事を10営業日で終え、1日8時間、稼働率を70%と置くと、1人が使える時間は10×8×0.7=56時間です。必要な人数は74.8÷56で約1.34人になり、2人で足ります。稼働率を100%にすると、必要な人数は約0.94人と出て、会議などの時間が見えなくなります。
エクセルで足りなくなる目安と、次の一手
工数計算は、最初はエクセルで足ります。ただし、入力する人が増えて同じファイルを取り合う、毎月の集計に時間がかかる、といった状態が続くようになったら、表の見直しの時期です。
- 入力が衝突する:ファイルを複製して管理すると、どれが最新か分からなくなります。
- 集計に手間がかかる:月ごと・担当ごとの合計を、毎回手で組み直している状態です。
- 行数が増える:行数の上限や重さの目安は、Excelの最大行数で確認できます。
工数管理のツールに移す判断は、Excelからシステムへ移すタイミングが目安になります。賃率を出して製品別に配る表は、労務費の計算をエクセルで行う方法で扱っています。
来週までに試す3つの確認
- 1つの業務を選び、作業を5〜10行に分けて、A〜G列を埋めます。
- D列を分の数値にそろえ、F列に同じ式を全行入れて、合計を出します。
- 1つの作業だけ実績を測り、見積もりとの比を出して、1回の時間を直します。
工数の考え方と単位の換算から確認したい場合は、工数の計算方法に戻って読んでください。
工数の前提を、判断に使える表に整える
SalesDockは、成長に経営管理と業務の整理が追いつかない中小企業を支援しています。いまの作業の一覧を見ながら、回数・1回の時間・人数の前提を60分で一緒に整理します。
無料で相談するよくある質問
工数計算のエクセルは、まず何列あればよいですか?
作業名・担当・月の回数・1回の時間(分)・前提や根拠の5列があれば始められます。予備の割合と月の工数(時間)の列を足すと、そのまま合計と人日への換算に使えます。
工数を足し算するとき、時間の表示(1:30など)で入力してもよいですか?
おすすめしません。エクセルは「1:30」を1日を1とする値(0.0625)として保存するため、時間数として足すには24を掛ける必要があります。分を数値で入力し、60で割って時間にする形に統一すると、誤りが起きにくくなります。
担当ごと・月ごとの工数を集計するには、どの関数を使いますか?
条件に合う行だけを足すSUMIFS関数です。担当列を条件にすれば担当別、月の列を条件にすれば月別の合計が出ます。条件を2つ並べれば、担当別かつ月別の合計も出せます。
見積もりと実績の比が1.3になりました。何を直しますか?
1.3は、見積もりより3割多くかかったことを表します。式ではなく、その作業の「1回の時間」を実績に合わせて書き換えます。全作業を一度に直さず、比の大きい作業から直します。
エクセルでの工数計算は、どの段階でツールに移しますか?
入力が複数人で衝突する、毎月の集計に手間がかかる、といった状態が続いたときが目安です。移す時期の判断は、Excelでの管理を見直すタイミングの記事でも整理しています。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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