SalesDock ロゴSalesDock
業務改善

顧問とは?種類・役割・契約と料金の見方を、中小企業の依頼側から整理

9分で読める

執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

顧問とは?種類・役割・契約と料金の見方を、中小企業の依頼側から整理

結論

顧問とは、会社が外部の専門家や経験者に、継続的な相談や助言を頼む立場、またはその契約のことです。資格名でも登記される役職でもなく、会社ごとに意味が違います。大きくは、社内の肩書きとして置く名誉職型、弁護士・税理士などの士業型、経営・技術・AIなどの専門家型の3つに分かれます。依頼する側は、肩書きではなく「何を相談でき、何が成果物として残り、どこから別料金か」で選ぶと失敗が減ります。

「顧問」という言葉は、退職した元役員の肩書きにも、顧問弁護士・顧問税理士にも、最近ではAI顧問やIT顧問にも使われます。同じ言葉でも、会社との関係も払うお金も違います。この記事では、中小企業が顧問を頼む側の目線で、種類と契約の見方を整理します。

顧問の3つの種類

① 社内の肩書き型元役員など。報酬は社内規程② 士業型弁護士・税理士など。顧問契約③ 専門家型経営・技術・AIなど。業務委託
同じ「顧問」でも、会社との関係と費用の決まり方は3つで別物です。まず自社が頼みたいのがどれかを決めます。

表にすると、違いは「誰が決めるか」と「何に払うか」に出ます。

種類主な役割契約・費用の決まり方
社内の肩書き型経験を活かした助言、対外的な挨拶、引き継ぎ社内規程で報酬・出社頻度・関与範囲を決める
士業型法律、税務、労務など資格が要る領域の相談と手続き顧問契約書で相談の範囲と月額を決める。個別の手続きは別料金のことがある
専門家型経営、営業、技術、IT、AIなど領域の助言と優先順位づけ業務委託契約。月額・時間単位・回数単位があり、実装の有無で大きく変わる

弁護士・税理士などの顧問は、資格に基づく独占業務があるため、頼める領域がはっきりしています。一方、経営・IT・AIなどの専門家に頼む顧問は、資格が要らず誰でも名乗れるので、実績と担当範囲を依頼する側が確かめる必要があります。

顧問を置くメリットと、先に知っておく限界

顧問のメリットは、正社員を採らずに、必要な領域の判断材料を継続的に得られることです。社内に答えを持つ人がいない分野で、経営者が一人で悩む時間を減らせます。

一方で、顧問は「相談に答える人」であって、「作業をしてくれる人」ではありません。助言を受けても、社内で動く担当者が決まっていなければ、議事録だけが増えます。顧問に頼む前に、助言を受けたあと誰が手を動かすかを決めておく必要があります。

顧問料の見方:金額より「何に払うか」を先に決める

顧問料に一律の相場を示しにくいのは、職種と支援範囲で幅が大きく、金額を公的に集計した統計も見当たらないためです。目安を知りたいときは、複数社に同じ条件で見積りを頼み、金額の前に次の3点を揃えて比べます。

  1. 相談の量:月に何回・何時間まで含まれるか。上限が無い契約でも、実際の返信の速さを確認する
  2. 残る成果物:議事録だけか、フロー図・手順書・判断基準まで含むか
  3. 別料金の線:資料作成、設定、開発、研修がどこから別見積りか
月額の顧問料別見積り相談への回答優先順位づけ月次の見直し判断基準の整理システムの開発ツールの設定社内研修の実施大量の資料作成
助言は月額、作業は1件ごとの見積りに分けると、何に払っているかが見えます。全部を月額に混ぜると、使わない人が作業費を負担します。

支援の現場で起きがちな3つのつまずき

ここからは、SalesDockの支援・商談で見聞きした、顧問型の契約で起きやすかったことを、業種を伏せて書きます。件数や割合を示すものではなく、そうした例があるという紹介です。

  • 月額の中に何でも入れて続けるやり方は、見直しが必要になりました。定額の顧問で何でも受けるやり方を、数か月続けて見直した例があります。毎月同じ金額で何でも受けると、助言と作業の境目がぼやけるためです。
  • 見積りは「作る費用」と「直し続ける費用」に分けると安心されました。アプリの見積りで、開発は1本ごとの買い切り、作ったあとの改修は月額の伴走の中で見る形に分けたところ、そこが一番安心されたという気づきがあります。
  • 金額が何に対するものかは、言わないと伝わりません。支援費の見積りに対して高いとは言われませんでしたが、何に対する金額かを説明しておらず、相手には「設定代」に見えていたことがありました。顧問料の中身を、先に言葉にして渡す必要があります。

もう一つ、頻度にも注意が要ります。月1回で始めた会社で、環境設定の確認だけで打ち合わせの時間が終わったことがありました。進み具合の確認と、詰まった場所探しに時間を使ったためです。月1回の打ち合わせで顧問に頼む場合は、前回の宿題の進み具合と今回の相談事項を、打ち合わせの前日までに書面で顧問へ渡しておくと、確認だけで時間が終わるのを防げます。

AI顧問・IT顧問は、専門家型の一つ

最近よく見る「AI顧問」「IT顧問」「デジタル顧問」は、③専門家型の中で領域を絞った呼び名です。資格や統一された基準はなく、支援範囲は会社ごとに違います。違いの見分け方はデジタル顧問とは、料金の見方は月10万のAI顧問は割に合うか、複数社を並べて比べたいときはAI顧問サービスの比較で詳しく書いています。

AI顧問の月額は、公的な統計がなく一律には言えません。SalesDockの公開料金(税別)では、AI顧問は月5万円(6ヶ月契約から)で、月1回の面談とチャットによる継続支援です。ただしAI顧問は単体では申し込めず、初期15万円+月10万円〜で90日の「AI内製化」か、AI受託開発のあとに続けるサービスです。システムの本実装は個別見積りで、ツール利用料や毎月の業務の代行も月額には含まれません。月額に入る範囲と別料金の範囲を分けて確かめる、という本記事の見方と同じ考え方です。AI顧問の料金の詳しい見方は前段の記事に、向き不向きはAI顧問契約で失敗する5つのパターンにまとめています。

頼む前に決める5項目

  1. 頼みたい領域:法務・税務などの資格領域か、経営・IT・AIなどの専門家領域か
  2. 社内の窓口:助言を受けて動く担当者を1人決める
  3. 含める範囲:相談の回数・時間と、残す成果物
  4. 別料金の線:開発・設定・研修は別見積りにするか
  5. 見直し時期:2〜3か月後に続けるか判断する日を先に決める

費用と範囲の考え方を、実装まで含めて比べたいときはDXコンサルの費用の見方も参考になります。

よくある質問

顧問とは何ですか?

会社が特定の分野の専門家や経験者に、継続的に相談や助言を頼むときの立場や契約を指す言葉です。法律上の資格名ではなく、役員のように登記される地位でもありません。弁護士や税理士の顧問契約、元役員が就く役職、経営や技術の外部専門家など、使われ方が広いため、肩書きでなく契約の中身で判断します。

顧問と相談役の違いは何ですか?

どちらも法律で定義された役職ではなく、会社ごとの呼び方です。社内の肩書きとして置く場合は、報酬の有無、出社頻度、意思決定への関与を社内規程で決めます。外部の専門家と結ぶ場合は、業務委託として担当範囲と成果物を契約書に書きます。

顧問料はどう決まりますか?

月額の固定、相談回数に応じた金額、稼働時間に応じた金額などがあり、職種と支援範囲で大きく変わります。比べるときは金額だけでなく、相談が何回・何時間まで含まれるか、資料作成や実装が含まれるかを揃えて確認してください。

顧問と外注(業務委託)は何が違いますか?

顧問は、判断や助言を継続的に受ける関係です。外注は、決まった作業や成果物を作ってもらう関係です。両方が必要な場合は、助言は月額の顧問料、作業は別見積りに分けると、何に払っているかが見えやすくなります。

泉

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。

運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。

代表者情報を読む →

この記事の数値について

本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。

関連記事

CASE

実際の支援では、こう変わりました

  • 人材紹介3ヶ月の伴走支援

    サイトの文言変更を、担当者が一人で本番公開まで完了。

  • 防災メーカー3ヶ月の伴走支援

    見積書づくりで人が行うのは、粗利をどうするかの判断だけに。

  • 外国人材の就職支援試作からの伴走支援

    書類の回収・仕分けと履歴書づくりを、どこまで自動にし、どこを人が確認するかを決めて試作まで完了。

支援の様子を見る

NEXT STEP

比較する前に、判断の基準を持っておく

業種別のガイドと、すぐ使えるテンプレートを無料でお渡ししています。