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業務改善

デジタル顧問とは?IT顧問・DXコンサル・AI顧問との違いと選び方

肩書きではなく、90日後に何が社内へ残るかで選ぶ

10分で読める

Excel・会計・CRM・メールが分断している会社へ

Excel、会計、CRM、メールが別々に増え、社長や管理職が毎回つないでいる会社向けです。デジタル顧問を「詳しい人への相談料」で終わらせず、業務が回る状態へつなげる選び方を整理します。

「デジタル顧問」という名前で探しても、出てくる支援はかなり違います。パソコンやセキュリティの相談窓口、SaaSの選定、DX方針の策定、生成AIの導入支援まで、同じ名前で並んでいるからです。

先に結論を書くと、デジタル顧問は統一された資格名や業務区分ではありません。中小企業が外部の専門家を継続的に借りる契約形態の一つとして使われる言葉です。だから「デジタル顧問かどうか」ではなく、何を決め、何を作り、誰へ引き継ぐ契約かを確認する必要があります。

デジタル顧問が扱う4つの領域

領域扱うテーマ残すべき成果物
IT運用端末、アカウント、権限、セキュリティ、障害対応台帳、権限表、問い合わせ手順
業務改善二重入力、承認待ち、属人化、引き継ぎ現状フロー、改善後フロー、例外一覧
データ活用売上、案件、原価、在庫、KPIの集計項目定義、更新ルール、ダッシュボード
AI活用文章作成、検索、分類、下書き、自動処理利用ルール、プロンプト、検証記録、手順書

4領域をすべて1人で実装できる必要はありません。重要なのは、問題を切り分けて、社内担当・製品ベンダー・開発会社へ渡せることです。たとえば会議用の売上集計に半日かかっているなら、BIツールを勧める前に、元データ、項目名、更新時点、数字が合わない例外を整理します。

ツールの前に業務とデータを揃える手順は、業務プロセス改善の5フェーズCRM導入前のデータ定義書でも具体化しています。

IT顧問・DXコンサル・AI顧問との違い

呼び名は会社ごとに違うため、次の表は一般的な傾向として使ってください。見積書と提案書に書かれた実際の範囲が優先です。

支援中心となる仕事向く状態
IT顧問IT環境を安全・安定して使う専任者がおらず、端末・アカウント・障害対応が不安
DXコンサル経営課題から変革計画とプロジェクトを組む全社の方針、投資順、体制を一定期間で決めたい
AI顧問AIを使う業務と人が判断する範囲を決め、定着させるAIを試したが個人利用で止まり、社内へ広がらない
デジタル顧問IT・業務・データの間を継続的につなぐ困りごとが複数部署と複数ツールにまたがっている

「相談できます」だけでは、月末に議事録しか残らないことがあります。逆に、開発まで全部含む契約では、改善テーマが決まっていないのに実装費が先に増えます。DXコンサルの費用を見るときと同じく、助言、設計、設定、開発、運用を分けて確認するのが安全です。

AI担当を採用する前に読む 中小企業のAI活用設計ガイド

業務・判断・道具の3層で現在地を整理する30項目のチェックリストと、90日の進め方をまとめました

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契約前に確認する7項目

  1. 対象業務:営業、経理、受発注など、どこまでを見るか
  2. 成果物:業務フロー、項目定義、設定、手順書のどれを残すか
  3. 実装範囲:助言だけか、設定・開発まで含むか
  4. 社内責任者:誰が優先順位を決め、承認するか
  5. 連絡方法:定例以外の相談、返信目安、緊急対応の扱い
  6. 別料金:ツール代、開発、データ移行、研修、保守
  7. 終了条件:契約後に社内へ何を引き継げれば卒業できるか

外部専門家を使うこと自体がゴールではありません。IPAのDX調査でも、人材確保の方法として社内育成、既存人材の活用、外部専門家との契約などが分けて調査されています。外部を使う場合も、社内側の責任者と育成を同時に置く必要があります。

最初の90日で測る数字

開始時に現状値を取り、同じ測り方で30日ごとに確認します。

  • 集計時間:定例会議用の数字を出すまでの時間
  • 二重入力:同じ情報を別ツールへ転記した件数
  • 確認待ち:社長・管理職の判断待ちで止まった件数と日数
  • 入力率:期限内に必要項目が埋まった案件の割合
  • 引き継ぎ可能率:担当以外が手順書で完了できた業務の割合

削減時間だけでなく、止まった件数と判断待ち日数を見ると、経営者の負担が本当に減ったかを確認できます。

来週やること

  1. 過去1週間で社長や管理職へ確認が戻った仕事を10件書き出す
  2. IT運用、業務、データ、AIの4領域に分ける
  3. 最も件数が多い1業務について、現状フローと使うツールを書く
  4. 外部へ頼む部分と社内に残す判断を分ける
  5. 候補先へ同じ7項目を質問し、成果物で比較する

よくある質問

デジタル顧問とは何をする人ですか?

社内のIT運用だけでなく、業務の整理、データの持ち方、ツール同士のつなぎ方、改善後の定着までを継続的に支援する外部人材を指すことが多い言葉です。ただし公的な資格名や統一されたサービス区分ではないため、名称ではなく成果物と担当範囲で比較する必要があります。

IT顧問とデジタル顧問の違いは何ですか?

IT顧問は端末、アカウント、セキュリティ、システム選定などIT環境の安定運用が中心です。デジタル顧問はそこに加え、どの業務をどう変え、どの数字で効果を確認するかまで扱う場合があります。実際の契約では呼び名より業務範囲を確認してください。

社内にIT担当がいなくても依頼できますか?

依頼できます。ただし外部へ丸投げすると社内に判断が残りません。経営側の責任者を1人決め、月次の優先順位、承認事項、担当者、引き継ぐ資料を一緒に管理する形が必要です。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

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