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中小企業向けCRM比較—HubSpot・kintone・スプレッドシート、結局どれがいい?

人数と予算で選ぶ、現実的なCRM選定ガイド

9分で読める

この記事は中小企業のAI導入 完全ガイドの一部です。全体像を知りたい方はまず完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

5人以下→Googleスプレッドシート(0円)、5〜30人→HubSpot無料版(0円)、30人超→kintone(月1,500円/人〜)またはSalesforce(月3,000円/人〜)。大事なのは「高機能なツールを選ぶこと」ではなく「社員が毎日使える仕組みを作ること」。

「CRMを導入したい」と思って調べると、選択肢が多すぎて逆に迷う。Salesforce、HubSpot、kintone、Zoho、Notion、スプレッドシート—どれも「中小企業向け」を謳っているが、本当に自社に合うのはどれか。この記事では、従業員30〜100名の中小企業が現実的に選べる4つの選択肢を、費用・機能・定着しやすさの3軸で比較する。

CRM選定の前に確認すべきこと

CRMを選ぶ前に、まず「何のためにCRMを入れるのか」を明確にする。よくある導入目的は3つ。

①顧客情報の一元管理:営業担当ごとにExcelがバラバラで、引き継ぎのたびに情報が消える。全員が同じデータを見れる状態にしたい。

②対応漏れの防止:商談の進捗が見えず、フォローが抜け落ちる。「あの案件どうなった?」が口癖になっている。

③営業活動の可視化:誰が何件の商談を持っていて、今月の見込みがいくらなのかが見えない。数字に基づいた判断ができていない。

①だけが目的なら、スプレッドシートで十分なケースが多い。②③まで求めるなら、CRMの導入を検討する価値がある。

4ツールの費用・機能比較表

中小企業向けCRM 費用比較(2026年3月時点)

ツール月額費用初期費用向いている規模
Googleスプレッドシート0円(Workspace有料版は680円〜/人)0円1〜5人
HubSpot(無料版)0円(有料版は5,400円〜/人)0〜20万円5〜30人
kintone1,500円/人〜10万〜50万円10〜100人
Salesforce3,000円/人〜50万〜200万円30人超

10人チームで1年間使った場合の費用比較

ツール年間コスト備考
スプレッドシート0円無料Googleアカウントで利用可
HubSpot無料版0〜20万円初期設定を外注する場合の費用
kintone18万〜68万円月額1,500円×10人+初期費用
Salesforce36万〜236万円月額3,000円×10人+初期費用

人数別のおすすめ

営業5人以下 → Googleスプレッドシート

営業が5人以下で、顧客数が200件以下なら、スプレッドシートで十分。共有スプレッドシートに顧客リスト・商談進捗・対応履歴を入れて、週1回の営業ミーティングで更新状況を確認する。これだけでCRMの基本機能はカバーできる。

ポイントは「テンプレートを最初にちゃんと作る」こと。列の設計が雑だと、すぐに使いものにならなくなる。SalesDockでは中小企業向けのスプレッドシートCRMテンプレートを提供しているので、ゼロから作るのが面倒な方は相談してほしい。

営業5〜30人 → HubSpot無料版

5人を超えるとスプレッドシートの限界が見えてくる。同時編集で上書き事故が起きたり、「誰がいつ更新したか」が追えなくなる。この段階でHubSpotの無料版に移行するのがスムーズ。

HubSpot無料版の強みは、ユーザー数無制限で顧客管理・商談管理・メールトラッキングが使えること。スプレッドシートからのデータ移行もCSVインポートで簡単にできる。有料版は月額5,400円/人からだが、無料版で3ヶ月使ってから判断すればいい。

営業30人超 → kintone or Salesforce

30人を超えると、承認フローや部門間の連携が必要になってくる。kintoneは月額1,500円/人からで、CRMだけでなく社内申請や受発注管理もアプリとして作れるのが強み。日本語のサポートが充実しているのも安心材料。

Salesforceは月額3,000円/人からで、機能は圧倒的に豊富だが、設定・カスタマイズに専門知識が必要。導入コンサルの費用も含めると初年度200万円以上になることが多い。「営業プロセスが複雑」「多拠点で統一管理が必要」な場合に検討する。

CRMが定着しない3つの原因と対策

原因1:入力が面倒で誰も使わなくなる

対策:入力項目を最小限にする。最初は「会社名・担当者名・次のアクション・期限」の4項目だけでいい。項目を増やすのは定着してから。

原因2:マネージャーが見ていない

対策:週1回の営業ミーティングで「CRMの画面を見ながら進捗を確認する」をルールにする。マネージャーが見なければ、部下も入力しない。

原因3:既存のExcelと二重管理になる

対策:CRM導入時にExcel管理を完全にやめる。並行運用は絶対にうまくいかない。移行期間は最大2週間。それ以上は定着しない。

スプレッドシートからCRMへの移行手順

1

データの棚卸し(1日)

現在のスプレッドシートから、移行すべき顧客データを選別。半年以上更新がない顧客は移行しない。

2

CRMの初期設定(2〜3日)

項目設定・パイプライン設計・ユーザー登録。この段階で入力項目を増やしすぎないのがコツ。

3

データ移行(1日)

CSVエクスポート→CRMにインポート。重複データの除去もこのタイミングで行う。

4

社員研修+切り替え(1週間)

30分のレクチャーを2回。初日はCRMだけを使い、スプレッドシートは翌日にアクセス権を外す。

まとめ:ツールの機能より「使い続けられるか」で選ぶ

CRM選びで最も重要なのは、「高機能かどうか」ではなく「社員が毎日使えるかどうか」。Salesforceを入れても誰も更新しなければ意味がない。スプレッドシートでも全員が毎日更新していれば、立派なCRMとして機能する。

迷ったら、まずスプレッドシートかHubSpot無料版から始める。0円で始められて、合わなければすぐにやめられる。CRMは「入れること」より「使い続けること」が本当の課題だから。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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