3分で診断結果がその場で分かる

20問に答えるだけ。御社の課題と優先順位を自動判定します

無料で診断
SalesDock ロゴSalesDock
CRM

CRMに入れたデータが検索しても出てこない。原因は「命名規則」だった

10分で読める

この記事のポイント

CRM導入時にプロパティ名の命名規則を決めておかないと、後から統合・分析が困難になります。部門横断で使える命名テンプレートを最初に設計することが成功の鍵です。

CRM導入プロジェクトで最も地味だが、最も後から効いてくるのが「プロパティ(項目)の命名規則」だ。営業部は「初回アポ日」、マーケ部は「初回接触日」、カスタマーサクセスは「オンボーディング開始日」。同じ概念を3つの名前で呼んでいる状態でCRMに突っ込むと、半年後にはプロパティが200個に膨れ上がり、誰も正しいデータがどこにあるかわからなくなる。

部門ごとのExcel管理→CRM統一で起きる問題

従業員30〜100名のBtoB企業でありがちなのが、営業・マーケ・CSがそれぞれ独自のExcelやスプレッドシートで顧客情報を管理しているパターン。各部門のExcelは、その部門にとって最適化されているが、用語体系がバラバラだ。

概念営業部の呼び方マーケ部の呼び方CS部の呼び方
最初の接点初回アポ日初回接触日-
案件の金額見込み金額MQL金額契約金額
顧客のステージ商談フェーズリードステータス契約ステータス
失注・解約の理由失注理由離脱理由解約理由

この状態のままCRMにデータを移行すると、「初回アポ日」と「初回接触日」が別プロパティとして作成され、片方にしかデータが入っていない。レポートを作ろうとすると、どちらを参照すべきかわからない。この混乱は、CRM導入後3ヶ月で必ず表面化する。

命名規則テンプレート:カテゴリ_項目名_属性

プロパティ名は「カテゴリ_項目名_属性」の3層構造で統一する。英語のスネークケース(小文字+アンダースコア)が基本。

命名規則の構造

カテゴリ(どの領域か)

lead_ / deal_ / company_ / cs_ / billing_

項目名(何のデータか)

first_contact / amount / stage / lost_reason

属性(データの性質)

_date / _amount / _status / _count / _flag / _note

命名例

lead_first_contact_date ← リードの初回接触日

deal_expected_amount ← 案件の見込み金額

deal_stage_status ← 案件のステージ

deal_lost_reason_note ← 失注理由(自由記述)

cs_onboarding_start_date ← CS開始日

cs_churn_reason_status ← 解約理由(選択式)

日本語のラベル名(CRM上の表示名)は自由に設定してよい。重要なのは、内部名(API名)が統一されていること。HubSpotの場合、プロパティの「内部名」は後から変更できないので、最初に正しく設定する必要がある。

HubSpotのプロパティ設計で避けるべき5つのアンチパターン

1. 同じ概念を複数プロパティで持つ

「初回アポ日」と「初回接触日」を別プロパティで作るパターン。データが分散し、レポートの信頼性が落ちる。1つの概念は1つのプロパティに統一する。部門ごとに「表示名」を変えたい場合は、ビューのカスタマイズで対応する。

2. 自由記述フィールドを乱発する

「備考」「メモ」「その他」のような自由記述フィールドは便利だが、集計・分析ができない。失注理由を自由記述にすると「価格が高い」「高い」「コスト的に難しい」「予算超過」が全て別データになる。選択式にして、選択肢に「その他(自由記述)」を設けるのが正解。

3. 日本語の内部名を使う

HubSpotのプロパティ内部名に日本語を使うと、API連携やワークフローでの参照が煩雑になる。外部ツールとの連携時にエンコード問題が発生するケースもある。内部名は必ず英語のスネークケースで統一する。

4. プロパティグループを整理しない

HubSpotはプロパティをグループ単位で管理できる。グループを使わずにプロパティを作り続けると、100個を超えたあたりから「どこに何があるか」がわからなくなる。最低限、以下のグループ分けをしておく。

推奨プロパティグループ

- basic_info:基本情報(会社名、住所、業種等)

- lead_management:リード管理(リードソース、スコア、ステータス)

- deal_management:案件管理(フェーズ、金額、確度)

- cs_management:CS管理(契約開始日、利用状況、NPS)

- marketing_tracking:マーケ計測(流入元、キャンペーン、CV日)

- custom_scoring:カスタムスコアリング(独自の評価項目)

5. 削除せずにプロパティを増やし続ける

使われなくなったプロパティを放置すると、データ入力時に「どれに入れればいいかわからない」状態になる。四半期に1回、プロパティの利用状況を確認し、過去90日間で1回も更新されていないプロパティは非表示にするか削除する。HubSpotの場合、プロパティの「最終更新日」でフィルタリングできるので、この棚卸し作業は30分程度で完了する。

10名以上の営業チームでの運用ルール

命名規則を決めただけでは、運用は回らない。10名以上の営業チームで統一的にCRMを使い続けるには、以下の3つのルールが必要になる。

ルール1:プロパティ追加は管理者のみ

一般ユーザーにプロパティ追加権限を与えない。追加が必要な場合は、Slackの専用チャンネルでリクエストし、管理者(1〜2名)が命名規則に沿って作成する。

ルール2:プロパティ辞書を維持する

全プロパティの一覧表(内部名・表示名・説明・データ型・作成者・作成日)をスプレッドシートで管理する。新規追加時に必ず辞書に追記する運用を徹底する。

ルール3:四半期に1回の棚卸し

使われていないプロパティ、重複しているプロパティ、入力率が10%以下のプロパティを洗い出す。不要なものは非表示化し、プロパティ辞書を更新する。

まとめ:命名規則は「CRMの基礎工事」

プロパティの命名規則は、CRMの設定の中で最も地味な作業だ。しかし、ここを手抜きすると半年後に「データがぐちゃぐちゃでレポートが信用できない」「どのプロパティを見ればいいかわからない」という状態になる。CRM導入の最初の1〜2週間で命名規則とプロパティ辞書を整備する。この「基礎工事」が、1年後のデータ活用の可否を決める。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

代表メッセージを読む →

CRMのプロパティ設計を相談

御社の営業プロセスに合わせた命名規則とプロパティ設計をご提案します

無料で相談する