AI導入の社内推進担当は誰がやるか|1人に決めないと進まない理由
人数を増やすほど、誰もやらなくなる
AI推進担当の決め方の結論
AI導入が進む会社と止まる会社の差は、ツールの選び方ではなく、誰がやるかを決めているかどうかに出ます。
- 推進担当は1人に絞ってください。複数人で研修すると、全員が「誰かがやる」になり、誰がどこまで進んでいるかも見えなくなります。
- 向いているのは、その業務を実際にやっていて、同じ作業の繰り返しを面倒だと感じている人です。ITに詳しいかどうかは後から追いつきます。
- 社長が兼ねるのは立ち上げの3ヶ月までです。その先は社長の時間が割り込みで埋まるため、実務の担当を別に立てます。
この記事は社内の推進体制を扱います。社内の反対への対処は社長や会長がAI導入に反対するとき、契約範囲はAI顧問はどこまでやってくれるかで扱っています。
AI導入の相談で、進む会社と止まる会社が分かれる場所ははっきりしています。トップが本気かどうかと、現場に推進する人が1人いるかどうかです。
そして人数は、多いほうがいいわけではありません。
なぜ1人に絞るのか
5人で研修を受けると、一見すると広がりそうに見えます。実際には逆のことが起きます。
向いている人の条件
- その業務を実際にやっている:外から指示する人ではなく、手を動かしている人。困りごとを自分の言葉で言えます
- 面倒くさがり:几帳面な人より、同じ作業を繰り返すのが嫌な人のほうが続きます
- 聞ける相手がいる:社内に相談先がなくても、外に月1回でも聞ける相手がいれば止まりません
- 時間が確保されている:通常業務にそのまま上乗せすると、必ず後回しになります
2つ目を意外に思われることがあります。几帳面な人より、同じ作業の繰り返しを嫌がる人のほうが続きます。手作業でもきちんとやれてしまう人は、そもそも変える動機が弱いためです。
社長が兼ねる場合の限界
立ち上げの3ヶ月は、社長が担当するのが最も速いです。決裁が要らず、優先順位をその場で変えられます。
ただしその先が続きません。社長の時間は割り込みで埋まるので、2ヶ月目、3ヶ月目と後回しになります。実際、設定作業だけで打ち合わせが終わり、次回に持ち越しになることが続きます。
現実的なのは、立ち上げは社長、実務は別の担当という分け方です。社長は時間の確保と優先順位づけに回ります。
担当が孤立しないための3つの決めごと
- 月に何時間使うかを決める:「空いた時間で」は確保されません。月4時間でもいいので予定に入れます
- 最初の対象業務を1つに絞る:複数を並行させると、どれも中途半端で終わります
- 止まったときの相談先を決める:設定でつまずいて2週間止まる、が最も多い失敗です
3つ目が効きます。設定でつまずいて2週間止まる、が最も多い失敗です。技術的に難しいからではなく、聞ける相手がいないまま放置されるからです。
AI推進担当についてよくある質問
社長が推進担当を兼ねてもいいですか?
立ち上げの3ヶ月までは有効です。決裁が速く、優先順位を変えられるためです。ただしその先は続きません。社長の時間は割り込みで埋まるので、実務の担当を別に立てて、社長は時間の確保と優先順位づけに回るほうが安定します。
IT担当がいないのですが、誰に任せればいいですか?
ITに詳しい人である必要はありません。その業務を実際にやっていて、同じ作業の繰り返しを面倒だと感じている人のほうが向いています。詳しさは後から追いつきますが、困りごとの実感は外から与えられません。
複数人で研修を受けたほうが早くないですか?
人数を増やすと進みが遅くなることのほうが多いです。全員が「誰かがやる」になり、誰がどこまで進んでいるかも見えなくなります。まず1人に絞って、その人が回せるようになってから広げる順番のほうが確実です。
担当者が辞めたらどうなりますか?
手順書が残っていれば引き継げます。逆に言えば、手順書を残さない進め方をすると、担当者と一緒にノウハウが消えます。最初から「やったことを手順書に落とす」を作業の一部に含めてください。
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泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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