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AI活用入門

ai 導入 中小企業 社内体制|情シスがいない会社の担当と役割

必要な役割は4つ。専任は要らないが、名前が入っていない役割は消える

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この記事のポイント

情報システム部門がない会社でも、AI導入に必要な役割は4つに絞れる。決める人・業務を説明する人・手を動かす人・記録を持つ人。専任である必要はないが、名前が入っていない役割は必ず消える。技術に詳しい人がいないことが本当に効くのは設定と構築の場面だけなので、そこを外に出せば体制は成立する。

AI導入の相談で「まず体制を作らないと」という話になると、たいてい止まる。情報システム部門がない、詳しい人がいない、片手間では無理だ、という順に理由が並ぶ。ただ、実際に進んでいる会社を見ると、専任のAI担当を置いているところは多くない。動いているのは、役割が4つに分かれていて、それぞれに名前が入っている会社だ。この記事では、専任を置かずに回すための役割の割り振りを整理する。

体制が無いのではなく、役割が1人に寄っている

中小企業でよくあるのは、体制が空っぽの状態ではない。むしろ逆で、4つの役割が全部社長に乗っている。何をやるか決めるのも社長、業務の流れを説明できるのも社長、実際に触るのも社長、どう決めたかを覚えているのも社長。この状態は最初のうち速い。誰にも確認を取らずに進むので、1ヶ月で形になることもある。

止まるのは2ヶ月目からだ。社長の時間が別の案件に取られた瞬間、4つ全部が同時に停止する。現場は待つしかない。待っているうちに元の手順へ戻り、戻ったことを誰も報告しない。数ヶ月後に「あれ、どうなった」と聞くと、誰も使っていないことが分かる。

つまり必要なのは、人を増やすことではなく役割を分けることだ。分けたうえで、社長が抱えるのを1つか2つに減らす。

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必要な役割は4つ

役割やること誰が向くか
決める人対象業務を選ぶ、続けるか止めるかを判断する、費用を承認する経営者または役員。ここは外に出せない
業務を説明する人いまの手順を工程として話す、例外パターンを挙げる、成果物の見本を出すその業務のベテラン。技術の知識は不要
手を動かす人設定する、頼み方を試す、うまくいった形を残す若手や兼任で可。外部に出してもよい役割
記録を持つ人決めたことを1ヶ所に書く、見直しの日を押さえる、変更を反映する管理部門・総務など。地味だが、抜けると全部崩れる

4人必要という話ではない。2人でも成立する。ただし1人が3つ以上を持つと、忙しい週に飛ぶ。特に4つ目の「記録を持つ人」は、他の役割と兼ねると必ず後回しになるので、できれば別の人に振る。

このうち外に出しやすいのは3つ目だけだ。1つ目は経営判断なので出せない。2つ目は現場しか知らない。4つ目は自社に残さないと、契約が終わった時点で何も残らない。支援先とどう分担するかはAI導入 支援会社の選び方の範囲の表とあわせて見ると決めやすい。

役割を振る前に、対象業務を絞る

どの業務から手をつけるかが決まると、必要な役割も自然に決まります

診断する

兼任で回すときの3つの約束

兼任は現実的な選択だが、そのまま任せると日常業務に飲まれる。守るのは3つだけでいい。

  1. 業務時間として枠を取る。月に数時間を、既存の定例の後ろに固定する。「空いたときにやる」は発生しない。空く時間は永久に来ない
  2. 評価の対象に入れる。本業の数字だけで評価される人に頼むと、合理的な判断としてこちらが後回しになる。時間を使ったことが不利にならない状態を作る
  3. 報告の相手を決める。誰に何を報告すれば「やった」ことになるのかを決める。報告先が無い作業は、進んでいるかどうかを誰も把握できない

この3つは、AIに限らず新しい取り組みを社内で回すときの条件と同じだ。特別なことをしているつもりがないほうが、たいてい続く。

社長が抜けられる条件

最終的に目指すのは、社長の関与が月1回の見直しだけになる状態だ。そこに向かうときの順番は決まっている。

  1. 記録を先に手放す。決めたことを別の人が書く。社長の頭の中にある限り、他の役割も戻ってくる
  2. 手を動かす役割を渡す。設定や試行を他の人に移す。ここは失敗しても取り返せるので、渡しやすい
  3. 業務の説明を現場に返す。社長が現場より詳しい状態は、それ自体が属人化の兆候。ベテランが説明できる形にする
  4. 決める役割だけ持つ。月1回、続けるか変えるかを判断する。ここは最後まで社長に残る

この順番を逆にする、つまり決定だけを先に人に渡すと、判断の基準が分からないまま進んで戻ってくる。渡す順番は、記録・実作業・説明・決定の順で、決定がいちばん最後になる。

人を採るか、外に出すか

体制の話をすると、AI担当を採用するかどうかの検討になることがある。ここは、上の4つのどれが足りないかで判断が変わる。

  • 足りないのが「手を動かす人」だけなら、採用は急がない。外部に出せる役割なので、まず外で回して、必要になってから採る
  • 足りないのが「業務を説明する人」なら、採用しても解決しない。自社の業務を知っている人は、入社してすぐには生まれない
  • 足りないのが「記録を持つ人」なら、既存の管理部門に振れることが多い。新しい人を採るより早い

採用と外部活用の比較そのものはAI顧問と社員採用の比較で扱っている。ここでは、採る前に「4つのどこが空いているか」を確かめる話に留める。空いている場所が分からないまま採用すると、入った人が最初にやるのは社内の業務を聞き取る作業になり、それは自社側の時間を使う。

足りない役割だけを、外から埋めるという選択肢

SalesDockは、業務工程の整理と手を動かす部分を引き受けて、決める役割と記録は自社に残す形で入ります。4つのどこが空いているか分からない段階でも、初回30分の相談で当たりをつけられます。

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よくある質問

Q. 社内にITに詳しい人がいません。それでも体制は作れますか?

作れます。ここで必要なのは技術の知識ではなく、業務の工程を説明できることと、決めたことを記録に残せることです。詳しい人がいないことが本当に問題になるのは設定や構築の場面なので、そこだけを外に出せば、体制としては成立します。

Q. 専任の担当者を置いたほうが早く進みますか?

人数に余裕があれば早くなりますが、専任にしたことで「あの人の仕事」になり、現場が関与しなくなる例もあります。専任かどうかより、業務時間として月に数時間を明示的に確保できているかが効きます。兼任でも枠が取れていれば進み、専任でも枠が他業務に食われれば止まります。

Q. 社長が自分で全部やっている状態から、どう抜けますか?

先に手放すのは、決定ではなく記録と確認です。決めたことがどこに書いてあるか、その通りに動いているかを別の人が見る状態を作ると、社長の関与は月1回の見直しまで減らせます。逆に、記録が社長の頭の中にある限り、何を渡しても戻ってきます。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

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