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AI活用入門

社長や会長がAI導入に反対するとき|説得ではなく、小さな実物を見せる

言葉で納得させるより、1つ動かして見せる

8分で読める

決裁者がAI導入に反対するときの結論

社内でAIを進めようとして最初に当たるのが、決裁者の反対です。資料を作り込んで再提案するより、反対の種類を見分けるほうが先に進みます。

  • 反対の理由は3つに分かれます。正確性が信じられない、投資対効果が見えない、業務を変えたくない。どれに当たっているかで打ち手が変わります。
  • 正確性への不信は、言葉では解けません。反対している本人の業務を1つ選んで、自社の実データで動かして見せるのが最短です。
  • 見せるときは完璧にしないでください。間違いも一緒に見せて、人が確認する工程を最初から含めた形にします。

この記事は社内の反対をどう扱うかを扱います。契約範囲の決め方はAI顧問はどこまでやってくれるか、担当者の決め方はAI導入の社内推進担当は誰がやるかで扱っています。

「AIを入れたいと話したら、『そんなすぐ作れるんか』という反応だった」。相談の場でよく聞く話です。反対されたとき、資料を作り直して再提案しても、たいてい同じ結果になります。

理由は、反対の中身を見ないまま反論しているからです。反対は3つに分かれていて、それぞれ効く打ち手が違います。

反対の3種類

  • 正確性が信じられない「そんなすぐ作れるんか」「時間をかけてもExcelで正確に作るべき」。過去に作り込んだ資産があるほど強くなります
  • 投資対効果が見えないいくら払って何が返るかが数字で言えない。金額の大小ではなく、上限が見えないことが止める理由になります
  • 業務を変えたくない今のやり方で回っている以上、変える理由が本人にない。年齢や役職が上がるほど、この比重が増えます

資料を厚くして効くのは2つ目だけです。1つ目と3つ目は、紙の上では動きません。

正確性への不信は、1つ動かして見せる

「AIは間違える」という指摘は正しいので、正面から否定しても勝てません。そのうえで、間違えても困らない工程から入れます。

うまくいかない順番資料で説明全社で導入を提案保留進む順番本人の業務を1つ実データで動かす続けるか判断
違いは順番だけです。提案を小さくして、判断を相手に返す形にします。

見せるまでの5ステップ

  • 1. 説得を目的にしない会議で理屈を並べても、正確性への不信は言葉では解けません。目的を「納得させる」から「1つ見せる」に変えます
  • 2. 反対している本人の業務を選ぶ他部署の効率化を見せても他人事です。本人が毎月時間を使っている作業から選びます
  • 3. 自社の実データで動かすデモ用のサンプルでは「うちのデータは特殊だから」で終わります。実際の書類・実際の数字を入れます
  • 4. 間違いも一緒に見せる完璧に見せると、後で1件間違ったときに全否定されます。最初から「人が確認する工程」を含めた形で見せます
  • 5. 判断は相手に返す「これを全社に入れましょう」ではなく「この業務だけ続けますか」を聞きます。範囲が小さいほど決裁は通ります

4つ目が抜けがちです。完璧に見せると、後で1件間違ったときに全否定されます。最初から確認の工程を含めておけば、間違いが出ても想定内として扱えます。

決裁者が別にいる場合

相談に来た方が決裁者でないことは珍しくありません。その場で決まらない前提で進めます。

渡す資料は、詳しい提案書ではなく1枚で上限が分かるものにします。含む作業、含まない作業、金額の上限、やめるときの条件。読む人が現場を知らない前提で作ると通りやすくなります。

そもそも向いていない場合もある

反対が正しいこともあります。1件ずつオーダーメイドで深く判断する仕事で、量をさばく必要がないなら、AIを入れる余地は小さいです。

同じ作業が毎月繰り返し発生しているか。ここが「いいえ」なら、無理に進めるより別の手を考えるほうが早いです。

最初に見せる1つを決める

反対の種類を見分けて、どの業務から見せるかを一緒に決めます。社内で回覧できる1枚にするところまでが目的です。

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社内の反対についてよくある質問

会議で反対されました。次は何をすればいいですか?

資料を作り直すより、反対した本人が毎月時間を使っている作業を1つ選んで、自社の実データで動く形を見せてください。正確性への不信は言葉では解けません。判断材料を「説明」から「実物」に変えるほうが早く進みます。

先代や会長が決裁者の場合はどうなりますか?

その場で決まらない前提で進めます。相談に来た方が持ち帰って説明することになるので、渡す資料は詳しい提案書ではなく、含む作業と含まない作業、金額の上限、やめるときの条件が1枚で分かるものにします。読む人が現場を知らない前提で作ります。

「AIは間違えるから使えない」と言われます。

その通りだと認めたうえで、間違えても困らない工程から入れます。下書きを作らせて人が確認する形なら、間違いは確認で止まります。逆に、最終判断や金額の確定をAIに任せる提案から始めると、この反対は正しいので通りません。

小さく始めると言っても、何から始めればいいですか?

毎月必ず発生して、間違えてもすぐ気づけて、担当が1人に偏っている作業です。この3つが重なるところが最初の1つになります。止まると困る業務ほど効果は大きいですが、最初の1つには向きません。

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泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。

運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。

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