AI導入支援・AIコンサル会社の選び方|4つの型の違いと比較の5観点
研修型、顧問型、実装型、内製化型。同じ「AI導入支援」でも中身が違います
大阪・関西を中心に中小企業のAI導入を支援しているSalesDockが、依頼先を選ぶときに実際に見ている点を整理しました。
結論:AI導入支援会社は、社内で手を動かせるかで選ぶ
「AI導入支援」という同じ名前で、研修だけの会社と、仕組みを作って納品する会社が並んでいます。料金表を横に並べても比べられないのは、売っているものが違うからです。まず自社の担当者が手を動かせるか、外部へ構築を任せるかを決めれば、選ぶ型を絞れます。
- 複数の社員へ基礎を広げたい会社は研修型、動ける担当者がいて判断だけ必要なら顧問型を選ぶ
- 対象業務は決まっているが手が足りない会社は実装型、担当者と手順を社内に残したい会社は内製化型を選ぶ
- 比較するのは、費用、期間、社内に残るもの、向く会社の規模。見積もりでは範囲と終了条件も揃える
AI導入支援とは、どこまでを指すのか
AI導入支援は、AIを社内の業務で使える状態にするまでを外部が手伝うことの総称です。法律で決まった定義があるわけではないので、「AI導入支援」を名乗る会社が何をしてくれるかは、会社ごとに違います。
実際に問い合わせてみると、半日の研修を売っている会社、月額で相談に乗る会社、業務システムを作る会社が同じ検索結果に並びます。どれが良いという話ではなく、必要な段階が違います。研修が要る会社に仕組みを納品しても使われませんし、手が足りない会社に研修をしても、翌週から誰かの仕事が減るわけではありません。
そこで、支援の中身を4つの型に分けて見ていきます。分け方の軸は1つで、誰が手を動かすかです。
AI導入支援会社の4つの型を比較
4つの型を一覧にしました。自社がどれに当たりそうかを見当づけてから、下の説明を読んでください。
| 型 | 費用の性質 | 期間 | 手元に残るもの | 向く会社の規模 |
|---|---|---|---|---|
| 研修型 | 受講料。業務への実装は別途必要 | 決められた研修日程 | AIの使い方の理解と、研修中に作った試作 | 複数人の受講者を出せる規模の会社 |
| 顧問型 | 月額の相談料。実作業は自社負担 | 判断支援が必要な期間 | 毎月の判断と、その記録 | 規模より、動ける担当者がいる会社 |
| 実装型 | 構築費。追加変更の条件を確認 | 完成条件を満たすまで | 動く仕組みと、それを回す運用ルール | 規模より、対象業務が決まっている会社 |
| 内製化型 | 支援費に加え、担当者の稼働が必要 | 担当者が自社で回せるまで | 動く仕組みに加えて、手順書と、回せる担当者 | 規模より、担当者の時間を確保できる会社 |
研修型
研修が終わっても、翌週の手順書が変わるわけではありません。研修の後に誰が業務へ落とすかを、申し込む前に決めておきます。
向いているのは複数の社員が使い、全体の底上げをしたい会社です。反対に、特定の業務を1つ変えたい会社には合いません。手を動かすのは受講した社員で、支援が終わったときに手元へ残るのはAIの使い方の理解と、研修中に作った試作になります。
顧問型
相談できる相手がいるだけでは、業務は変わりません。月に何時間、誰が手を動かすのかを先に決めておくと、顧問型が効きます。
向いているのは動ける担当者が社内にいて、進め方の判断だけ迷っている会社です。反対に、手を動かせる人を社内に置けない会社には合いません。手を動かすのは自社の担当者で、支援が終わったときに手元へ残るのは毎月の判断と、その記録になります。
実装型
対象があいまいなまま発注すると、作り直しのたびに費用が増えます。何ができたら完成なのかを、契約前に文章にしておきます。
向いているのは対象の業務が決まっていて、社内にAIを触る余裕がない会社です。反対に、何を変えるかがまだ決まっていない会社には合いません。手を動かすのは支援会社で、支援が終わったときに手元へ残るのは動く仕組みと、それを回す運用ルールになります。
内製化型
担当者の稼働がそのまま成果に響きます。週に何時間その人を空けられるかで、進む速さが変わります。
向いているのは外注を続けず、社内にやり方を残したい会社です。反対に、担当者の時間を確保できない会社には合いません。手を動かすのは自社の担当者と支援会社で、支援が終わったときに手元へ残るのは動く仕組みに加えて、手順書と、回せる担当者になります。
4つは順番に並んでいるわけではなく、途中で移ることもあります。実装型で1つ作ってもらってから内製化型に移る、内製化型を終えてから顧問型で相談だけ続ける、といった進み方が現実的です。SalesDockでも3つのサービスを、この移り方に合わせて分けています。
SalesDockは実装型と内製化型を中心に、利用後の顧問型まで扱う会社です。研修だけを一度実施したい会社や、社内担当者の時間を確保できないまま内製化したい会社には向きません。
比較するときに見る5つの観点
型が絞れたら、同じ型の中で会社を比べます。提案書の見た目や事例の数ではなく、次の5つを揃えて聞くと差が出ます。
1. 誰が手を動かすか
最初の分かれ道です。自社の担当者が動くなら顧問型か内製化型、動かないなら実装型に絞れます。ここが決まらないまま話を進めると、どの提案も良く見えてしまいます。
2. 何が手元に残るか
資料だけが残るのか、動く仕組みが残るのか、それを回せる人が残るのか。3つは別物です。提案書の「成果物」の欄に、この3つのどれが書かれているかを見ます。
3. 費用の内訳
初期費用と月額の切り分け、AIツールの利用料が含まれるかどうか、追加で作りたくなったときの扱い。3つが書かれていない見積もりは、後から金額が動きます。
4. どういうときに失敗するか
商談の場で聞いてみてください。答えられる会社は、止まった案件を振り返っています。「失敗はありません」と返ってくる場合は、うまくいった話しか手元にないと考えた方が安全です。
5. 契約期間と、やめ方
最低契約期間、更新が前提かどうか、途中でやめる場合の条件。作ったものを引き渡してもらえるのか、支援が終わると使えなくなるのかも、ここで確認します。
4つ目の「どういうときに失敗するか」は、いちばん短い時間で相手が分かる質問です。止まった案件の話が出てくる会社は、止まる条件を知っています。
AI顧問と生成AIコンサルの役割を先に切り分けたい場合は、AI顧問と生成AIコンサルの違いもあわせて確認してください。
失敗する選び方3つ
支援そのものより、選び方の段階でつまずいている例をよく見ます。3つ挙げます。
1. 事例の数とロゴの数で選ぶ
掲載されている社名が多くても、自社と同じ規模で、同じ業務を扱った実績があるとは限りません。聞くべきは件数ではなく、従業員数が近い会社で、同じ業務をどう変えたかです。近い事例が無いなら、無いと言ってもらった方が後の判断が楽になります。
2. いちばん安いところに、いちばんあいまいな仕事を出す
対象業務が決まっていないほど、見積もりは安く出ます。範囲が書かれていないからです。金額を比べる前に、同じ範囲の見積もりになっているかを確かめます。範囲が違う2枚の見積書を金額だけで比べても、判断材料になりません。
3. 社内の担当者を決めずに発注する
窓口が決まっていないと、支援会社からの確認が誰にも届かず、そこで止まります。実際に止まる理由の多くは、技術ではなく確認待ちです。業務を説明できる人と、対象範囲を決められる人。この2人が誰かを、契約前に決めておきます。
契約前に聞く7つの質問
どれも、事前に用意した回答では答えにくい質問です。答えの中身より、その場で自社の状況に沿って具体的に答えられるかを見ます。
- 最初の1か月で、うちの誰の時間を何時間もらう予定ですか。 自社側の作業量を見積もっていない提案は、必ず遅れます。
- 対象にする業務を1つ挙げるとしたら、どれですか。理由も含めて。 初回の情報だけでも仮説は出せます。出ない相手は、あとからも出にくいものです。
- 支援が終わったあと、これは誰が動かしますか。 自社の誰かの名前が出るか、外部が持ち続ける前提かで、費用の性質が変わります。
- うまくいかなかったとき、どこで止める判断をしますか。 やめる条件を先に置ける相手は、進める条件も明確に持っています。
- 作ったものや設定は、契約が終わったあと自社で触れますか。 アカウントの名義、データの持ち出し、手順書の有無を先に確認します。
- 過去の支援で、想定と違ったことは何でしたか。 成功事例より、この回答に情報があります。
- この範囲は自社でやったほうが早い、と思う部分はありますか。 自社に残す範囲を自分から言える相手は、線引きができています。
外に出してよい範囲と、自社に残す範囲
支援先を選ぶ前に決めておくと効くのが、この線引きです。決めずに始めると外部が全部を持ち、契約が切れた瞬間に何も動かなくなります。
| 範囲 | どちらで持つか | 理由 |
|---|---|---|
| 何のためにやるかの決定 | 自社 | 外に出すと、途中の判断がすべて外部の解釈になる |
| 現状の業務の説明 | 自社(聞き出しは外部) | 工程を知っているのは現場だけ。書き出す作業は外部が引き取れる |
| 工程の整理・設計 | 外部が主導、自社が確認 | 日常業務の合間では終わらない作業。ここが支援の本体 |
| 構築・設定 | 外部 | 習熟の差が大きく、自社でやると時間だけが伸びる |
| 毎日の入力・確認 | 自社 | ここを外注すると、業務が自社から離れて戻らなくなる |
| 見直しの判断 | 自社(材料は外部) | 続けるか変えるかは経営判断。材料の作成だけ任せる |
この線引きを提案の前に渡すと、相手の見積もりが具体的になります。渡さないままだと、範囲の広い提案と狭い提案が並び、金額だけを比べることになります。
見送ったほうがよい提案の形
提案そのものが悪いのではなく、自社の状態と噛み合っていない形があります。
- 製品名から始まる提案。どの業務のどの工程に入るかの説明が後回しなら、順番が逆です。
- 効果の数字が先に出てくる提案。自社の現状の所要時間を測っていない段階では、削減率は計算できません。
- 対象業務が「全社の生産性」になっている提案。対象が広いほど、成果の判定ができなくなります。
- 自社側の作業量が書かれていない提案。実際には必ず発生するので、書かれていないだけです。
- 終わり方が書かれていない提案。いつ何が残った状態で終わるのかが読めないと、延長の判断ができません。
見積もりを取る前に決める3つのこと
この3つが決まっていると、複数社の見積もりが同じ土俵に乗ります。決まっていない状態で相談すると、各社が別々の前提で見積もるので、金額を比べても意味がありません。
1. 任せる業務を1つ、始点と終点で書く
「営業を効率化したい」では見積もりが出ません。「問い合わせのメールを受けてから、初回返信を送るまで」のように、どこから始まってどこで終わるかを1行で書きます。この1行があると、支援会社ごとの提案の差がはっきり見えます。
2. 自社でやる範囲を決める
全部任せるのか、担当者が横について覚えるのか。前者なら実装型、後者なら内製化型が近くなります。担当者を置く場合は、週に何時間空けられるかまで決めておくと、期間の見積もりがぶれません。
3. データがどこにあるかを確認する
AIに読ませる元の情報が、担当者ごとのファイルに散らばっていることがあります。顧客の一覧が複数あってどれが最新か分からない状態だと、作る前の整理に時間がかかります。心当たりがあれば、着手前に一度棚卸ししておくと見積もりが正確になります。
費用の考え方をもう少し詳しく知りたい場合はAI導入・開発費用の相場に、SalesDockの各サービスの金額と進め方は料金の目安とサービスにまとめています。
選ぶ手順
ここまでを、実際に動く順番に並べます。1と2は社内だけで進められます。
- 1変えたい業務を1つ選び、始点と終点を書きます。
- 2社内で手を動かせる人がいるかを確認し、4つの型のどれに当たるかを絞ります。
- 3同じ条件で2社から3社に相談します。書いた1行をそのまま渡すと、提案を並べて比べられます。
- 4見積もりの範囲、失敗する条件、契約期間とやめ方を突き合わせます。
- 5いちばん小さい範囲で一度試し、別の担当者が同じ手順を再現できるか確かめてから広げます。
5番目の「別の担当者が同じ手順を再現できるか」は、支援を広げてよいかの判断に使えます。1人しか回せない状態で範囲を広げると、その人が抜けた時点で全部止まります。
実際にどう変わったかは支援事例に載せています。自社に近いものが見つからない場合は、無料相談で状況を伺ったうえで、合う型をお伝えします。合うサービスが無ければ、その場でそうお伝えします。
よくある質問
AI導入支援とは何ですか。
AIを社内の業務で使える状態にするまでを、外部が手伝う支援の総称です。研修だけを行うもの、月額で相談相手になるもの、仕組みを作って納品するもの、社内の担当者が回せる状態まで持っていくものがあり、内容は会社によって大きく違います。同じ名前でも中身が別物なので、何をしてくれる支援なのかを先に確認します。
AI導入支援の会社を選ぶとき、最初に見るべきことは何ですか。
誰が手を動かすかです。自社の担当者が操作するのか、支援会社が作って納品するのか。ここで研修型、顧問型、実装型、内製化型のどれに当たるかが決まり、比べる相手も絞れます。事例数や料金を比べるのは、この後で構いません。
AI導入支援の費用はどのくらいかかりますか。
支援の型によって幅があります。月額の相談だけで済む場合と、初期費用をかけて仕組みを作る場合では、桁が変わることもあります。費用の考え方はAI導入・開発費用の相場の記事に、SalesDockの料金は料金の目安とサービスのページにまとめています。
AIコンサルと開発会社は、どちらに頼めばよいですか。
作るものがすでに決まっているなら開発会社が早く、安く済みます。何を作るかを決めるところから必要なら、業務を見る側に頼む方が結果的に安くなります。判断の目安は、要件を書いた文章が手元にあるかどうかです。
AI導入支援が失敗するのは、どういうときですか。
対象の業務が決まっていない、社内の窓口が決まっていない、データがそろっていない。この3つのどれかが欠けているときです。技術的にできないから止まるのではなく、決める人がいないまま確認待ちになって止まります。
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