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不動産

レインズの登録期限を社内の運用に落とす|専任・専属専任で何日以内か、休業日をどう数えるか

11分で読める

この記事と既存記事の棲み分けについて。媒介契約の3類型、契約書面、書面の電子化まで含めた実務確認項目の全体像は「媒介契約の実務確認項目」で扱っています。この記事はそのうち登録期限という1点だけを取り出し、日数の数え方と、期限を守るための社内の当番・台帳・月次点検に絞って書いています。媒介契約全体の設計を見直したい場合は先に上の記事を、期限が守れていない実感がある場合はこの記事をご覧ください。

この記事のポイント

登録期限は契約日からの一律日数では出せない。起算は契約締結日の翌日で、自社の休業日とレインズ休止日は数えない。会社ごとに休業日が違う以上、期限は自社の営業日カレンダーから計算するしかない。

専任媒介・専属専任媒介を預かったら、レインズに登録する。ここまでは全員が知っています。問題になるのは、「いつまでに」を正確に言える人が社内に何人いるかです。

「1週間くらい」「専属はもっと早かったはず」という答えが返ってくると、たいてい期限管理は担当者の感覚で回っています。実際、締結から3日で登録している会社がほとんどなので、事故にはなりません。ただ、決算期や連休を挟んだとき、担当が休んだとき、契約が金曜の夜だったときに、静かに超えます。

この記事では、日数の数え方を確認したうえで、それを社内の運用に落とすところまでを整理します。ルールを知ることと、ルールが守られる仕組みを持つことは別の作業です。

期限は「翌日から」数え、休業日は数えない

国土交通大臣の指定を受けて運営されている不動産流通機構の案内では、登録期限は次のように示されています。

媒介の種類レインズへの登録業務処理状況の報告
専属専任媒介媒介契約締結日の翌日から5日以内(自社の休業日・レインズ休止日を除く)1週間に1回以上、文書または電子メールによる報告
専任媒介媒介契約締結日の翌日から7日以内(自社の休業日・レインズ休止日を除く)2週間に1回以上、文書または電子メールによる報告
一般媒介登録は法定の義務ではない報告は法定の義務ではない(依頼者から求めることは可能)

公益財団法人東日本不動産流通機構「媒介契約制度」(2026年8月11日確認)に基づく、2026年8月時点の整理です。制度は改正されることがあります。個別案件の取扱いは最新の案内と管轄でご確認ください。

実務で効いてくるのは、太字にした部分ではなくカッコの中です。起算が契約締結日ではなく「その翌日」であること、そして自社の休業日は日数に含めないこと。この2つがあるため、期限は「契約日+5日」のような固定式では出せません。

同じ契約日でも、会社によって期限が違う

水曜が定休日の会社と、日曜が定休日の会社では、同じ日に専属専任媒介を締結しても期限日が変わります。数え方の違いを並べてみます。

前提数える日期限(5日目)
金曜に締結/水曜が定休日/土日は営業土・日・月・火(水は数えない)・木翌週の木曜
金曜に締結/土日が休業月・火・水・木・金(土日は数えない)翌週の金曜

上表は数え方を説明するための例です。レインズの休止日が挟まる場合はさらに変わります。実際の期限は自社の営業日と最新の案内でご確認ください。

この表を見せると、多くの現場で「思っていたより余裕がある」という反応になります。それ自体は間違っていません。ただ、余裕がある前提で後回しにすると、担当が休んだ週にちょうど重なります。期限に余裕があることと、期限を管理しなくてよいことは別です。

現実的な運用は、法定の期限とは別に社内の締切を先に置くことです。たとえば「締結日の翌営業日中に登録」と決めてしまえば、休業日の数え方を毎回考える必要がなくなります。法定期限は、社内締切を守れなかったときの最終ラインとして持ちます。

登録して終わりではない3つの続き

期限内に登録できていても、その後で抜けやすい作業が3つあります。件数としては、登録もれよりこちらのほうが多い印象です。

1. 登録証明書の交付

登録が完了したことを証明する書面を依頼者へ渡します。登録作業をした人が「あとで渡す」と思ったまま、渡した記録が残らないケースが起きます。台帳に交付日の列を作り、空欄なら未交付として扱うのが確実です。

2. 取引状況の更新

申込みが入った、売主都合で一時止めた、といった状況を事実に合わせて更新します。ここが実態と合っていないと、他社からの問い合わせの受け答えとも食い違います。売主が自分で確認できる仕組みもあるので、社内の認識と登録内容がずれたままにしないことが大事です。

3. 定期報告

専属専任は1週間に1回以上、専任は2週間に1回以上。文書または電子メールによる報告とされています。頻度が決まっている以上、次回の期日は機械的に決まります。台帳に次回報告日を持たせて、期日が来たら自動で目に入る形にします。

成約や契約終了のときの処理も忘れやすい箇所です。掲載の終了と社内台帳の更新をセットにする話は「ポータルの更新もれを防ぐ」で扱っています。

社内の運用に落とす4つ

やること中身
1. 台帳の列を決める媒介の種類/契約締結日/社内締切/法定の期限日/登録日/登録証明書の交付日/次回報告日/担当者。この8列があれば、抜けはすべて空欄として見えます
2. 期限日を計算で出す自社の営業日カレンダーを1枚持ち、契約締結日と媒介の種類から期限日を計算する。人が毎回数えない
3. 当番を決める登録作業を担当営業に任せず、週ごとの当番制にする。担当営業の忙しさと期限が連動しなくなります
4. 月次で1つだけ数える「社内締切を守れた件数 ÷ 当月に締結した専任・専属専任の件数」。法定期限の遵守率ではなく社内締切の達成率を見ると、悪化の兆しが早く出ます

4番の考え方が肝です。法定期限の遵守率を指標にすると、ほぼ100%のまま推移するので、崩れる直前まで数字が動きません。社内締切という少し厳しい線で測ると、80%から60%へ落ちる過程が見えます。落ちている理由はたいてい、契約が増えたことか、当番が回っていないことのどちらかです。

まとめ

レインズの登録期限は、専属専任媒介が締結日の翌日から5日以内、専任媒介が翌日から7日以内。どちらも自社の休業日とレインズ休止日は数えません。会社ごとに休業日が違う以上、期限は自社の営業日から計算するしかなく、「契約日+何日」の暗算では出せません。

運用に落とすなら、法定期限より手前に社内締切を置き、期限日は計算で出し、登録は当番制にし、月次で社内締切の達成率だけを数える。この4つで、期限管理を担当者の記憶から外せます。

媒介契約まわりの確認項目を全体として見直したい場合は「媒介契約の実務確認項目」を、法令・制度の改正動向は「不動産の法改正まとめ」をあわせてご覧ください。

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※ 登録期限・報告頻度・登録証明書に関する記述は、公益財団法人東日本不動産流通機構「媒介契約制度」に基づきます(2026年8月11日に内容を確認、2026年8月時点)。制度・運用は改正されることがあり、地域の流通機構によって案内が異なる場合もあります。個別案件の判断は、最新の公表内容、所属する流通機構、管轄の行政庁および専門家にご確認ください。この記事は法的助言を目的としたものではありません。

よくある質問

レインズへの登録期限は何日以内ですか?

東日本不動産流通機構の案内では、専属専任媒介契約は媒介契約締結日の翌日から5日以内、専任媒介契約は媒介契約締結日の翌日から7日以内に登録する義務があるとされています。いずれも、不動産会社の休業日とレインズの休止日は除いて数えます。一般媒介契約については、登録と定期報告は法定の義務ではないとされています(2026年8月時点)。個別の取扱いは最新の案内と管轄でご確認ください。

休業日はどのように数えればよいですか?

起算日は媒介契約を締結した日ではなく、その翌日です。そこから数えていき、自社の休業日とレインズの休止日は日数に含めません。たとえば水曜が定休日の会社が金曜に専属専任媒介契約を締結した場合、土曜から数え始め、土日を営業しているなら土日は日数に入り、翌週の水曜は入らない、という数え方になります。自社の休業日は会社ごとに違うので、期限は「契約日+一律の日数」では出せません。台帳側で自社の営業日カレンダーを持って計算する形にするのが確実です。

期限内に登録すれば、それで完了ですか?

登録の後にもう2つあります。1つは登録が完了したことを証明する書面(登録証明書)を依頼者へ交付すること、もう1つは業務処理状況の報告です。報告の頻度は、専属専任媒介が1週間に1回以上、専任媒介が2週間に1回以上とされ、文書または電子メールによると案内されています。加えて、販売中の取引状況を事実に合わせて更新することも必要になります。社内の運用としては、登録日だけでなく証明書の交付日と次回報告日まで台帳に持たせると、抜けが見えるようになります。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

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