kintone プラグインの選び方|無料で足りる範囲とカレンダー・ガントチャート
執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

結論
kintoneのプラグインとは、アプリの機能を拡張するために後から追加する部品のことです。kintoneのカレンダーは標準で足り、ガントチャートはプラグインかカスタマイズが要ります。プラグインはスタンダードコース以上で使え、無料かどうかは提供元ごとに違います。 無料のものを選ぶ場合も、更新が止まったときの窓口と直す人を先に決めておくと、あとから困りません。
- カレンダーは標準機能で表示できる。ガントチャートは標準になく、プラグインかカスタマイズが要る。
- プラグインはスタンダードコース以上で使える。無料かどうかは、プラグインの提供元ごとに違う。
- 無料のプラグインを探すときは、提供元の公式ページで料金を確かめる。選ぶ前に見るのは、料金・最終更新日・連絡先・使うフィールド・外したときの影響の5点。
- 入れる前に決めるのは、追加する人、不具合の窓口、直す人の3点。ここが空いていると、あとで止まる。
「kintoneのプラグインで、カレンダーやガントチャートを無料で足したい」という相談は、 たいてい検索の段階で製品名の比較に入ってしまいます。 ただ、先に確かめたいのはプラグインが本当に要るのかと、入れたあとに誰が面倒を見るのかの2点です。 無料の候補は、提供元の公式ページで探します。候補を比べる前に、料金・最終更新日・連絡先・使うフィールド・外したときの影響を確認してください。
「無料」のプラグインを選ぶときに確かめる5点
サイボウズのヘルプには、プラグインストアから追加したプラグインは自動で最新版に更新される、とあります。 料金については、連携サービスの紹介ページに各サービスは別途契約が必要とあり、提供元ごとに違います。
プラグインが無料でも、更新が止まったときの窓口や、外したときの影響は別に確かめる必要があります。kintoneのプラグインは、料金だけで選ばないでください。次の5点を、提供元の公式ページとテスト用アプリで確かめてから入れてください。
| 確かめる点 | 見る場所 | 記入例 |
|---|---|---|
| 料金 | 配布元の料金表記 | 無料/月額/ユーザー課金のどれか |
| 最終更新日 | 配布ページ・更新履歴 | 直近の更新が1年以上前なら要注意 |
| 連絡先 | 配布元の問い合わせ窓口 | メールか、フォームがあるか |
| 使うフィールド | 設定項目の説明 | 開始日・終了日・担当者など |
| 外したときの影響 | テスト用アプリで確認 | データは残るか、画面だけ消えるか |
5つめの「外したときの影響」は、確かめないまま入れてしまいやすい点です。 プラグインは、いつか外す日が来る前提で入れると、業務の中心に置きすぎずに済みます。 表示のためのプラグインなら、外してもレコードは残ると考えられますが、これはテスト用アプリで実際に外して確かめる前提です。 入力の自動計算を担わせると、外したときの影響は大きくなります。
まず標準機能で足りるかを確かめる
カレンダーは標準で表示できます。アプリの一覧の表示形式には「表形式」「カレンダー形式」「カスタマイズ」の3種類があり、 カレンダー形式では、日付にするフィールドとタイトルにするフィールドを指定します。 日付に使えるのは、作成日時・更新日時・日付・日時のフィールドです。 予定を月間で眺めたいだけなら、プラグインは要りません。
ガントチャートは標準にありません。サイボウズの案内では、カスタマイズまたはプラグインを適用すると表示できる、という扱いです。 そのため、ガントを理由にプラグインを探すのは自然です。 ただし、本当に必要なのは帯のグラフなのか、期限と担当者が並んで見えることなのかを先に分けると、 選ぶ範囲が小さくなります。
プラグインが使える条件と、追加する人
プラグインはスタンダードコース以上の機能です。サイボウズの料金ページでは、スタンダードコースが月額1,800円(1ユーザー・税抜、最小10ユーザー)で、 外部サービス連携やプラグインなどの拡張機能は、ライトコースでは提供されていません。 ライトコースで契約している会社が「無料のプラグインで足そう」と考えても、 先にコースの変更が必要になります。5人の会社でも最小10ユーザー分の月18,000円(税抜)からになります。 これは、kintoneスタンダードコースの公表単価に最小ユーザー数を掛けた当社の計算です。
追加は2段階です。まずkintoneシステム管理者がシステム管理でプラグインを読み込み、 そのあと、アプリの設定を担当する人が、アプリごとに追加して必要項目を設定します。 1つのアプリに入れられるプラグインは20個までで、複数入れると互いに競合する場合がある、と案内されています。 信頼できる提供元のものだけを読み込む点も、ヘルプに書かれています。
kintoneのプラグインとは何か|JavaScriptカスタマイズとの違い
kintoneのプラグインは、アプリの機能を拡張する追加部品です。サイボウズのヘルプ「プラグインを管理する」では、プラグインとは、設定画面用のHTML・JavaScript・CSSファイルがパッケージングされたものと説明されています。 JavaScriptやCSSでアプリを直接カスタマイズする方法と比べると、プラグインはzipファイルとして読み込み、アプリの設定画面から項目を入れて使える点が違います。 コードを書かずに使えるものが多い一方で、中身は提供元が作ったプログラムです。そのため、信頼できる提供元のものだけを読み込む必要があります。
| 管理の場面 | できること | 担当 |
|---|---|---|
| 読み込み | zipファイルのままプラグインを追加する | システム管理者 |
| 利用許可 | プラグインを使えるアプリを限定する | システム管理者 |
| アプリへの追加 | 許可されたアプリに追加し、項目を設定する | アプリの設定を担当する人 |
| 棚卸し | 利用状況の確認と、一覧のCSVダウンロード(アプリ名の表示とCSVはcybozu.com共通管理者のみ。それ以外は利用アプリの件数だけ) | cybozu.com共通管理者 |
kintoneでアプリにプラグインを追加できないときは、アプリの設定を探す前に、システム管理で次の2点を確認します。1つ目はそのプラグインが読み込まれていること、2つ目は追加したいアプリに利用許可が出ていることです。 プラグインの一覧には、読み込み済みで、そのアプリの利用が許可されたものだけが表示されるためです。 入れたあとに増えやすいのは、誰が何のために入れたか分からないプラグインです。システム管理のプラグイン一覧で利用状況を確かめ、cybozu.com共通管理者がCSVで一覧を出すと、定期的に使われているかを見て整理しやすくなります。
入れたあとに止まる理由は、機能ではなく保守の担当
支援先の中小企業では、外部に作ってもらった業務ツールを少し直したいとき、 毎回相手の返事を待つことになった、という話をよく聞きます。 社内ツールを納品したあと、文言を1つ変えるだけでも作り手に連絡が来て、 作り手が手を動かすまで本番が変わらなかった例もありました。 プラグインも同じ構造で、直せる人が決まっていないと、小さな不具合で止まります。
不動産会社の商談では、「kintoneのカスタマイズが属人化している」という悩みも出ます。 プラグインやJavaScriptのカスタマイズが増えるほど、設定の意味を知る人が限られるためです。 サイボウズのヘルプでも、カスタマイズやプラグインに関する問い合わせは、カスタマーサポートの対象外とされています。 kintoneにプラグインを入れる前に、プラグインの名前・導入日・提供元の連絡先と、外すときの担当者・手順を、アプリの説明欄か社内の文書に書き残しておきます。
記入例:①このアプリは、○○のプラグインで△△を表示している(導入日・提供元の連絡先)。 ②外す場合は、システム管理者の□□さんが手順書に沿って外し、画面の確認は□□さんと担当の2人で行う。
アプリが増えたあとの定着はkintoneを入れたのに社内で使われない理由、 外部連携の保守はkintone連携が止まる原因で、それぞれ扱っています。
小さく試す手順
- 必要な見え方を1行で書く:「案件ごとの開始日と終了日を、担当者別に一画面で見たい」など。
- 標準の一覧で先に試す:テスト用のアプリを作り、カレンダー形式や表形式で、その1行が満たせるかを見る。
- 足りない部分だけ、プラグイン候補を2つに絞る:上の5点を、配布元のページで埋める。
- テスト用アプリで1週間使う:担当者2人で入力して、外したときの画面も確かめる。 サイボウズの料金ページに30日間の無料お試しがあります。
- 本番に入れる日と、見直す日を決める:導入から3か月後に、まだ使っているかを一覧のアクセスで見る。
案件管理の設計から整えたい場合はkintone 原価管理の記事で、合計を保持する設計にプラグインが要る場面を扱っています。 kintone以外の道具も含めて選び直すなら、プリザンターとkintoneの比較が使えます。
まとめ
kintoneのプラグインは、標準で足りないと分かってから、小さく足すのが安全です。 SalesDockは、中小企業の業務を整理したうえで、kintoneのような道具が現場で使われ続ける状態を伴走で支援しています。 プラグインの選定や、入れたあとの担当の決め方を相談したい場合は、現在の使い方を伺ったうえで整理します。
出典
- サイボウズ「kintone 料金プラン」:スタンダードコース月額1,800円(1ユーザー・税抜)・最小10ユーザー、ライトコースは外部サービス連携・プラグインなどの拡張機能が提供なし(2026年11月時点の掲載)
- kintoneヘルプ「プラグインを管理する」:プラグインの定義(設定画面用のHTML・JavaScript・CSSファイルのパッケージ)、一覧のCSVはcybozu.com共通管理者
- kintoneヘルプ「プラグインを追加/削除する(kintoneシステム管理)」:システム管理者による追加、ライトコースでは利用不可、プラグイン同士が競合する可能性、サポートは提供元
- kintoneヘルプ「プラグインを追加/削除する(アプリの設定)」:読み込み済みで、そのアプリの利用が許可されたプラグインを追加、1アプリ20個まで
- kintoneヘルプ「一覧の表示形式を設定する」:表形式・カレンダー形式・カスタマイズの3種類、カレンダー形式の日付とタイトル
- kintoneヘルプ「ガントチャートを表示したい」:標準機能ではガントチャートを作成・表示できず、カスタマイズかプラグインで表示できる
- kintoneヘルプ「開発者向けのよくある質問」:プラグインや連携サービスの問い合わせはカスタマーサポートの対象外
- kintone「連携サービス」:プラグイン・連携サービスはスタンダードコース以上、各サービスは別途契約
※ 本記事は公開されている資料をもとにした一般的な整理です。引用した料金・仕様はサイボウズが公表している内容で、変更される場合があります。 無料の候補を探すときは、プラグイン提供元の公式ページで最新の料金と仕様を確認してください。 保守の担当に関する整理は、当社が支援の現場で観察した傾向であり、統計ではありません。
よくある質問
kintoneのプラグインは無料で使えますか?
プラグインを使う権利と、個々のプラグインの料金は別の話です。サイボウズの公表では、プラグインはスタンダードコース以上で使えるとされ、ライトコースでは使えません。そのうえで、各プラグインや連携サービスは提供元との別契約になる場合があり、無料か有料かは提供元ごとに違います。導入前に、配布元の料金表記と更新状況を1つずつ確かめてください。
kintoneのカレンダー表示にプラグインは必要ですか?
予定を日付で並べて見るだけなら、標準機能のカレンダー形式の一覧で足ります。日付と、タイトルにするフィールドを指定すると表示できます。プラグインを探すのは、標準のカレンダー形式で試して、足りない動きがはっきりしてからで遅くありません。標準でできる操作の範囲は、サイボウズのヘルプ「一覧の表示形式を設定する」で確かめられます。
kintoneでガントチャートは使えますか?
標準機能にはありません。サイボウズの案内では、カスタマイズかプラグインを適用すると表示できるとされています。工程を日付の帯で見たいだけなら、期間を持つ案件アプリに、開始日・終了日・担当者を入れて、標準の一覧で並べる方法から試せます。依存関係の線や進捗の塗りまで必要になったときに、プラグインを検討します。
プラグインが動かなくなったら、サイボウズに聞けますか?
サイボウズのヘルプでは、プラグインを使ったカスタマイズのサポートは提供しておらず、問い合わせ先はプラグインの提供元とされています。そのため、入れる前に、提供元の連絡先と、不具合時に誰が窓口になるかを決めておく必要があります。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
代表者情報を読む →この記事の数値について
本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。
CASE
実際の支援では、こう変わりました
人材紹介3ヶ月の伴走支援
サイトの文言変更を、担当者が一人で本番公開まで完了。
防災メーカー3ヶ月の伴走支援
見積書づくりで人が行うのは、粗利をどうするかの判断だけに。
外国人材の就職支援試作からの伴走支援
書類の回収・仕分けと履歴書づくりを、どこまで自動にし、どこを人が確認するかを決めて試作まで完了。