google フォーム 活用 事例|社内業務で使われる6つの型と限界
執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

結論
Googleフォームを使い続けるか専用の仕組みに移すかは、その業務が「入力したあとに中身を更新しない一方通行」かどうかで決まります。入力後に状態が変わる、前の回答を見て入力する、人によって見せる範囲を変えたい、のどれかに当たる業務だけを専用の仕組みに移します。
- よく使われるのは、申請、点検報告、問い合わせ受付、日報、申込、アンケートの6つの型です。
- フォームで足りるのは、出したら終わりの一方通行の入力です。
- 入力したあとに状態が変わる業務は、その1つだけを専用の仕組みに移します。
Googleフォームは、無料で作れて回答がスプレッドシートに並ぶため、中小企業の社内業務で最初に使われる道具のひとつです。Googleフォームはアンケートの道具として知られていますが、アンケート以外にも多くの使い方があります。
この記事では、社内業務での使われ方を6つの型に分け、型ごとに入れる項目の例、フォームで足りる条件、足りなくなる境目を整理します。フォームとスプレッドシートの組み方そのものはGoogleフォームの回答をスプレッドシートで集計する設計にまとめているので、ここでは「どの業務に使うか」に絞ります。
社内業務で使われる6つの型
活用事例として挙がる使い方は、入力する人と受け取る人の関係で6つに分けられます。下の表は、型ごとに最初に入れる項目の例です。そのまま自社のフォームの項目表に写して使えます。
| 型 | 主な場面 | 最初に入れる項目の例 |
|---|---|---|
| ① 申請 | 休暇、備品、出張 | 申請者、種別(選択式)、希望日、理由 |
| ② 点検報告 | 設備点検、現場の作業報告 | 対象(選択式)、実施日、判定(良・要対応)、所見 |
| ③ 受付 | 問い合わせ、内覧希望 | 氏名、連絡先、希望の対象、希望日時、連絡方法 |
| ④ 日報 | 営業、現場の日次報告 | 日付、担当、訪問先、結果(選択式)、次の一手 |
| ⑤ 申込 | 研修、説明会、イベント | 氏名、所属、参加日(選択式)、連絡先 |
| ⑥ アンケート | 満足度、社内の意見収集 | 評価(5段階)、理由(自由記述) |
Googleフォームの活用事例:型ごとの使いどころ
① 申請と② 点検報告:選択式を増やす
申請と点検報告は、集計する項目をほとんど選択式にできる型です。種別、対象、判定を選択式にすると、回答シートで件数を数えるだけで「要対応が何件か」「どの対象が多いか」が分かります。自由記述にするのは所見のような、数えない項目だけにします。たとえば設備点検の報告を「良・要対応」の選択式にすると、月末に要対応の件数を数えるだけで、修繕の優先順位を決める材料になります。休暇の申請なら、種別と希望日を選択式にしておくと、事務が日付順に並べて重なりを確認できます。
申請で注意したいのは取り下げです。休みの申請を取り下げても、事務が見る表に反映されない例があります。取り下げた分も、事務が毎日見る表にいったん載せる形にすると、取り下げた事実が見えなくなりません。申請の型では、出す側だけでなく取り下げ・訂正の経路も先に決めておきます。
③ 受付:専用でないぶんの限界を見込む
問い合わせや内覧希望の受付は、フォームの入口としてよく使われます。ただ、たとえば内覧受付にGoogleフォームを使う不動産会社では、不動産専用ではないぶん、物件ごとの出し分けや日程の重複確認、その後の追客を、フォームだけで持つのは難しくなります。内覧の希望を受けるところまではフォームで足りても、希望日が重なった時点で人が表を見比べる手間が出ます。
受付の型では、入口はフォームに残し、受けたあとの管理を別に持つという分け方が現実的です。不動産業の反響管理の考え方は不動産会社のExcel管理の限界でも扱っています。
④ 日報:入力が続かないときは通知を作る
日報は、始めたあとに入力が止まりやすい型です。たとえば営業の日報を、チャットに投稿して終わりにしていると、あとから表に集まりません。お願いを重ねるより、入力が無いことを知らせる通知を作るほうが続きます。通知の作り方はメールを送る前に決める判定条件にまとめています。
⑤ 申込と⑥ アンケート:いちばん失敗が少ない
研修やイベントの申込、満足度のアンケートは、出したら終わりの性質がいちばん強い型です。フォームの機能だけで足り、専用ツールへ移す理由が出にくい領域です。たとえば研修の申込なら、参加日を選択式にすると、回答シートで日ごとの人数がそのまま分かり、会場の手配に使えます。最初の1本はここから試すと、フォームと回答シートの感覚をつかめます。
反響メールを一覧表に並べる使い方(進行中の例)
フォームを使わずに「入る時点で表の形にする」考え方を広げた例もあります。小規模な不動産会社と取り組んでいる仕組みでは、複数の一括査定サイトから届く反響メールを、スプレッドシートの反響一覧へ並べる設計を進めています。これは進行中の取り組みで、効果の数字はまだ出していません。
ここで言いたいのは、人が読んで打ち直す工程をなくす発想は、フォームの外でも同じだということです。転記をなくす場所を、入り口に置く。フォームは、その入り口を無料で作れる手段のひとつです。
フォームで足りるか、移すかの分かれ目
Googleフォームの社内活用(申請、点検報告、受付、日報、申込、アンケート)のうち、長く使い続けられるのは、出したら中身を更新しない業務です。入力後に状態が変わる、前の回答を見て入力する、人によって見せる範囲が違う、のどれかに当たる業務は、その業務だけを専用の仕組みに移す判断を始めます。
- 入れたあとに状態が変わる:申請から承認、完了へ進む業務は、状態を持つ仕組みが要ります
- 前の回答を見ながら入れる:在庫の残りや進捗を見て入力する業務です
- 人によって見せる範囲が違う:金額や個人情報を、見せる人と見せない人で分けたい場合です
移す先をどう選ぶかは、業務の全体像を見てからのほうが失敗しません。Excel業務をシステムにする線引きと、業務棚卸しのやり方を合わせて読むと、どの業務を残してどれを移すかを決めやすくなります。
まとめ
Googleフォームの活用事例は、申請、点検報告、受付、日報、申込、アンケートの6つの型で整理できます。フォームで足りるのは、出したら終わりの入力です。入力後に状態が変わる、前の回答を見る、見せる範囲を分けたい、のどれかに当たった業務だけを、専用の仕組みに移します。
SalesDockは、中小企業の経営管理基盤を、業務の構造を整理するところから支援しています。フォームを増やす前に、いま人が打ち直している業務を1つ選び、どの型に当たるかを見分けることから始めてみてください。
よくある質問
Googleフォームは社内業務のどんな場面で使われていますか?
大きく6つの型に分かれます。休暇や備品の申請、点検や作業の報告、問い合わせや内覧の受付、日報、研修やイベントの申込、アンケートです。共通しているのは、入力する人が出したら終わりで、あとから中身を更新しない一方通行の入力という点です。
Googleフォームで足りなくなるのはどんなときですか?
入力したあとに状態が変わるとき(申請から承認、完了へ進む業務)、前の回答を見ながら入力する必要があるとき、人によって見せる範囲を変えたいときです。この3つに当たったら、その業務だけを専用の仕組みに移す判断を始めます。全部を作り替える必要はありません。
Googleフォームの回答を担当者に自動で知らせることはできますか?
できます。回答の通知メールを設定する方法と、Google Apps Scriptで条件に当たった回答だけを知らせる方法があります。どちらを選ぶ場合も、先に「どの回答を誰が見るのか」を決めておくことが重要です。
不動産会社の内覧受付にGoogleフォームを使うのは向いていますか?
受付の入口としては使えますが、不動産専用の道具ではないので、物件ごとの出し分けや日程の重複確認、その後の追客までを1つで持つのは難しくなります。件数が増えたら、受付だけフォームに残して管理を別に持つ形を検討します。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。
CASE
実際の支援では、こう変わりました
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