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AI内製・技術レビュー

外部CTOを中小企業が持つ費用—採用と比べて何が安く、何が足りないのか

CTO・技術顧問・相談特化は、安い順に並んだ同じものではない

最終更新 2026年8月11日9分で読める

この記事の数値について

SalesDockが自社の運用と自社サービスの提供のなかで記録した数値です。公表された統計ではありません。

この記事のポイント

CTO・技術顧問・相談特化は役割が違う。CTOは技術で事業を伸ばす役、相談特化は技術リスクを避ける役。多くの中小企業が実際に困っているのは後者。判断基準は「自社でシステムを開発しているか」で、していないならCTOは要らない。

「社内にエンジニアがいないので、外部CTOを検討している」——AI活用が進むにつれて、この相談が増えている。ただ、話を聞いていくと本当に必要なのはCTOではないことも多い。CTOと技術顧問と相談サービスは、金額が違うだけでなく役割そのものが違う。この記事では、それぞれ何をする人なのか、費用はどう違うのか、自社にはどれが必要なのかを整理する。

3つの役割は「安い順」ではない

役割何をする人か決めるのは誰か
CTO
(外部CTO含む)
技術戦略、技術選定、エンジニア採用、開発体制づくり。技術で事業を伸ばすCTO自身が決める(責任を持つ)
技術顧問技術的な助言、方針の相談、体制づくりの支援会社側が決める
相談特化持ち込まれた案件の懸念点と選択肢の整理。技術リスクを避ける会社側が決める

重要なのは一番右の列。CTOだけが「決める人」で、あとの2つは「決める材料を出す人」だ。ここを取り違えると、顧問を雇ったのに何も進まない、という状態になる。逆に、決めるのは自分でやりたい会社がCTOを入れると、役割がぶつかる。

費用の考え方

金額だけを並べると誤解を招くので、何と比べるかを先に決める。

正社員のCTOを採用する場合

人件費に加えて、採用コスト(紹介手数料は年収の3割前後が一般的)、教育、そして採用が失敗したときのやり直しコストがかかる。さらに現実問題として、CTO級の人材が中小企業の求人に応募してくるかという問題がある。募集して1年決まらないケースは珍しくない。

固定費として毎月発生するので、技術的な意思決定が常時発生している会社でないと、費用に見合わない。

外部CTO・技術顧問を使う場合

月額で契約する。採用コストがかからず、合わなければ契約を終えられる。一方で常勤ではないので、日々の細かい判断や現場対応は含まれない。「いるといないとでは違うが、社員と同じようには動かない」という前提で使う。

相談特化を使う場合

さらに範囲が狭く、その分安い。判断が必要になったときに相談する形。手を動かす人が社内にいることが前提になる。

価格帯ごとの中身はAI技術顧問の月額相場で分解している。

自社に必要なのはどれか

判断は1つの問いでほぼ決まる。

自社でシステムやサービスを開発しているか?

  • している(開発チームがある、自社プロダクトがある)→ CTOまたは技術顧問を検討する
  • していない(業務でAIツールを使う、社内ツールを内製している)→ CTOは要らない。相談できる相手がいれば足りる

AI活用をきっかけに外部CTOを検討する会社の多くは、後者にあたる。技術で事業を伸ばしたいのではなく、技術のせいで事故を起こしたくないという状態だからだ。この2つは似ているようで、必要な人材も費用もまったく違う。

よくある失敗

肩書きで選んでしまう

「CTO経験者」という肩書きは、その人が自社の規模と段階に合うかを保証しない。大企業でCTOをしていた人が、従業員50名の会社で内製ツールのレビューをするのは、噛み合わないことがある。必要なのは肩書きではなく、扱う案件と近い経験。

範囲を決めずに契約する

「なんでも相談してください」で始めると、双方の期待がずれる。月に何回、何を、どこまでを契約時に決めておく。特に「対応外」を明記してもらうと、後の揉め事が減る。

決められる人がいないまま助言を買う

顧問は材料を出すが、決めるのは会社側。社内に決裁できる人がいないと、助言が溜まるだけで何も進まない。誰が決めるのかを先に決めておく。

CTOが必要か、相談相手で足りるか。そこから話せます

テクミルは、社内で作ったAIツールについて、第三者のエンジニアが懸念点と対応方針を整理するサービスです。上の表でいう「相談特化」にあたります。月額8万円(税別)から、初回の相談は30分無料。

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まとめ

外部CTOは「安く技術責任者を持つ方法」ではなく、技術で事業を伸ばす役割を、常勤以外の形で置く方法だ。多くの中小企業がAI活用で直面しているのは、事業を伸ばす手前の「事故を起こさずに使う」段階で、そこにはCTOより相談相手が要る。自社がどちらの段階にいるかを見極めてから、金額を比べるといい。

よくある質問

外部CTOと技術顧問は何が違いますか?

責任の範囲が違います。CTOは技術に関する意思決定の責任を持ち、技術選定・採用・体制づくりまで担います。技術顧問は助言する立場で、決めるのは会社側です。相談特化のサービスはさらに範囲が狭く、持ち込まれた案件について懸念点と選択肢を整理します。費用の差は、この責任範囲の差です。

正社員のCTOを採用するのと比べて安いのですか?

月額だけを見れば外部のほうが安くなります。ただし外部CTOは常勤ではないため、日々の細かい判断や現場対応は含まれません。採用の場合は人件費に加えて採用コスト・教育・離職リスクが発生し、そもそも中小企業がCTO級の人材を採用できるかという問題もあります。比較すべきは金額ではなく「常時必要か、必要なときだけでよいか」です。

従業員30〜100名の会社に外部CTOは必要ですか?

自社でシステムやサービスを開発しているなら検討する価値があります。一方、業務でAIツールを使っている・社内ツールを内製しているという段階なら、CTOではなく相談できる相手がいれば足りることが多いです。CTOは技術で事業を伸ばす役割で、技術リスクを避ける役割とは別物です。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

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