AI活用入門 · 公開 · 10分で読める
最終更新
Claude for Microsoft 365とは?コネクタとOffice追加機能の違い、始め方、管理者が先に決めること
執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

結論
公式では「Claude for Microsoft 365」はMicrosoft AppSourceに載るOffice追加機能の名称で、コネクタは「Microsoft 365 connector」という別名で案内されています。検索ではこの2つが混ざって出てくるため、本記事では両方をまとめて扱います。探し物や要約をClaudeの画面で行うならコネクタ、Excelの表や資料を直接直すなら追加機能から始め、1週間試して判断します。
- 入口は2つです。Claudeの画面からSharePoint・OneDrive・Outlook・Teamsを読む「コネクタ」と、Excel・Word・PowerPoint・Outlookの中にClaudeを出す「追加機能」で、設定も管理者の作業も別です。
- コネクタは会社・学校のMicrosoft 365アカウントが前提です。コネクタはEntra全体管理者の一度きりの同意、追加機能は有料プランとMicrosoft AppSourceからの追加が要ります。
- 最初は読み取りだけで始めます。メール送信やファイル更新などの書き込みは、管理者が有効にした場合だけ動くため、1か月は切っておくのが無難です。
Claude for Microsoft 365は、コネクタと追加機能の2つの入口に分かれます
「Claude for Microsoft 365」と検索して出てくる情報は、実は2つの別の仕組みが混ざっています。1つ目は、Claudeの画面から会社のSharePoint・OneDrive・Outlook・Teamsの中身を検索して読むコネクタです。2つ目は、Excel・Word・PowerPoint・Outlookを開いたまま、横のサイドバーでClaudeに頼む追加機能(アドイン)です。
Microsoft 365を使っていない会社は、コネクタも追加機能も対象外です。2つの違いを表にまとめます。内容はAnthropicの公式ドキュメント(2026年10月時点)に基づきます。
| 観点 | コネクタ | 追加機能(アドイン) |
|---|---|---|
| 動く場所 | Claudeの画面(claude.ai) | Excel・Word・PowerPoint・Outlookの横のサイドバー |
| できること | SharePoint・OneDriveのファイル、Outlookのメールと予定、Teamsの会話を検索して読む | 開いているファイルやメールを読み、その場で書き換える |
| 使えるプラン | 公式の案内では Free・Pro・Max・Team・Enterprise | Pro・Max・Team・Enterprise(有料プラン) |
| 最初に要るもの | 会社・学校のMicrosoft 365アカウントと、Entra全体管理者の一度きりの同意 | Microsoft AppSourceからの追加と、Claudeアカウントでのサインイン |
| 向く場面 | 「あのファイルどこだっけ」「先週のやり取りを要約して」 | 「この表の数字を直して」「この表から資料を作って」 |
Claude for Microsoft 365のコネクタは、Microsoft Entraのテナントに属する会社・学校のMicrosoft 365アカウントが前提で、個人の @outlook.com・@hotmail.com・@live.com のアカウントでは使えません(公式ヘルプの記載)。追加機能については、公式ページで個人アカウントの可否まで確認できていないため、導入前に管理者へ確認してください。
コネクタの始め方|先に管理者の同意が要ります
コネクタを使う利用者の操作は短く、Claudeの「Customize」から「Connectors」を開き、Microsoft 365を探して「Connect」を押し、会社のアカウントでサインインするだけです。ただしその前に、管理者の作業が2つあります。1つはClaude側の有効化、もう1つはMicrosoft側の同意です。
| 項目 | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| 管理者の同意 | Microsoft Entraの全体管理者が、テナントごとに一度だけ同意する。同意がないと認証に失敗する | Microsoft 365の管理者 |
| 組織側の有効化 | TeamとEnterpriseでは、Claude組織のオーナーがMicrosoft 365を有効にする | Claudeの組織オーナー |
| 書き込み操作 | メール送信、予定の変更、ファイルの作成、Teamsへの投稿は、管理者が書き込みツールを有効にした場合だけ | 管理者 |
| 見える範囲 | 本人がMicrosoft 365で見られる範囲だけ。入っていない非公開のTeamsチャンネルは見えない | 利用者本人 |
| 使えないこと | 添付つきメールの作成・送信、OneNoteの読み取り、SharePointのサイト単位の絞り込み(Sites.Selected) | — |
Claude for Microsoft 365のコネクタで、利用者が「Connect」を押しても認証で止まる場合は、利用者の設定ではなく、Microsoft Entra全体管理者の同意がまだ出ていないことが多いです。社内のMicrosoft 365管理者に、一度きりの同意が済んでいるか確認してください。同意は一度出せば、利用者が接続を切って入れ直すときに再承認は要りません。
コネクタが読めるファイル形式は、Word・Excel・PowerPoint(古い .doc・.xls・.ppt を含む)、PDF、テキストファイルです。それ以外の形式を読もうとするとエラーになります。パソコンの中にしかないファイルや、アップロードしたばかりのファイルは、すぐには検索に出ないことがあります。
追加機能の始め方|有料プランとMicrosoft AppSourceが入口です
追加機能は、Microsoft AppSourceの「Claude for Microsoft 365」を追加し、Excelなどを開いて有効化し、Claudeアカウントでサインインする流れです。使えるのは有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)で、利用量はふだんのClaudeアカウントと同じ上限に数えられます。
| アプリ | 提供状況と入れ方 | 条件・補足 |
|---|---|---|
| Excel・Word・PowerPoint | 有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)が対象。ExcelとWordは公式ページで一般提供と明記。PowerPointは提供状況を確認できていない。Microsoft AppSourceの「Claude for Microsoft 365」から追加する | Excelは、Microsoft 365版のWindows・Mac・ブラウザー版で動く。Excel 2016・2019の買い切り版、iPad、Androidでは動かない |
| Outlook | 公式ページでベータ版と明記されている。Pro・Max・Team・Enterpriseが対象。Exchange Onlineが必要で、オンプレミスのメールボックスは対象外 | 開いているメールまたは予定が対象 |
| 組織への配布 | 管理者がMicrosoft 365管理センターから、全員または特定のユーザー・グループへ配る | 「Officeストアへのアクセス」を許可していない環境では、管理者がマニフェストファイルで配る |
Excelの追加機能では、表についての質問に、参照したセルの場所つきで答えてもらえます。主な使い方は次のとおりです。
- 数式の関係を保ったまま、前提の数字を変える
- エラーの原因をたどる
- ひな形に値を入れる
マクロ・VBAの操作とデータテーブルは対象外です。公式は、人の確認なしの顧客向け成果物や、検算のない監査上重要な計算には勧めないとしています。
複数のアプリをまたぐ機能は、アプリごとに設定で有効にします
Excelの数字をPowerPointに写す、Wordの文書をスライドに要約する、といった作業を1つの会話で頼める機能があります。ProとMaxでは初期設定でオン、TeamとEnterpriseでは初期設定でオフです。Claudeが読み書きできるのは、そのとき開いているファイルとメール・予定だけで、ファイルを自分で開いたり閉じたりはしません。
会社で先に決める5つのこと|同意・書き込み・外部ファイル・記録・範囲
機能の説明よりも大事なのは、入れる前に管理者と責任者で決めておく項目です。5つに絞って表にしました。どれも、導入してから決めるより、導入前に決める方が揉めません。
| 決めること | 最初のおすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| コネクタの同意は誰が出すか | Entra全体管理者を決め、同意の日付を記録する | 同意者が不在だと、利用者が個別に試しても認証で止まる |
| 書き込みを有効にするか | 最初は読み取りだけにして、1か月は書き込みを切る | メール送信やファイル更新は、取り消しにくい操作 |
| 外から来たファイルを開くか | 取引先や外部のExcelは、Claudeを使う前に中身を確認する。ふだん使う雛形は信頼できる自社のコピーに限る | ファイルに隠れた指示で誤動作させる危険を、公式が警告している |
| 履歴と監査をどう扱うか | 追加機能の利用はEnterpriseの監査ログと書き出しには含まれないが、Compliance APIを有効にした組織ではセッションが対象になる(公開ベータ)。記録が必要なら、この方法を使えるか管理者に確認する | 公式ドキュメントに、監査ログに含まれないこととCompliance APIの扱いが明記されている |
| 入れる業務の範囲 | 最初は社内の資料だけに限り、顧客の個人情報を含むファイルは対象外にする | 導入後に範囲を広げる方が、狭めるより揉めない |
Claude for Excelの追加機能では、入力と出力はAnthropicのバックエンドから、受け取りまたは生成から30日以内に削除されます(公式が定める例外を除く)。チャット履歴はAnthropicのサーバーではなく、利用者のブラウザー内に保存されます。この保存期間と例外を会社の情報管理の基準で許容できるかは、情報システムの責任者と確認します。Claude全般の入力データの扱いはClaudeのセキュリティの記事にまとめています。
最初の1週間は、探し物・メールの要約・Excelの確認の3つで試します
導入の判断は、機能の一覧ではなく、自社の実際の作業で決めます。1週間で試す3つの作業と、測るものを表にしました。どれも読み取り中心で、取り消しにくい操作を含みません。
| 日 | 作業 | 頼み方 | 測るもの |
|---|---|---|---|
| 1〜2日目 | コネクタで探し物 | 「先月の見積書がSharePointのどこにあるか」を3件探させ、実際のファイルと照合する | 見つかった件数と、手で探した場合の所要時間 |
| 3日目 | メールの要約 | 特定の取引先とのやり取りを要約させ、自分の記憶と突き合わせる | 要約の抜け・誤りの数 |
| 4〜5日目 | Excelで集計の確認 | 自社のコピーした表で、数式の意味を説明させ、エラーの原因を探させる | 直した箇所の数と、直す前の所要時間 |
1週間で見るのは、時間の短縮だけではありません。探し物が見つかった割合、要約の抜けの数、直した箇所の数を記録し、使い続けるかを判断します。測り方の考え方はAI導入の効果測定にまとめています。
Microsoft 365 Copilotとの違いと、使い分けの考え方
同じMicrosoft 365をAIで動かす選択肢として、マイクロソフト自身のCopilotがあります。Claude for Microsoft 365は、AnthropicのClaudeを使う別のサービスで、課金も管理者の設定も別です。どちらかに決める前に、AIツール全体の比べ方をAIツール比較2026で整理しておくと、自社の条件に合う方を選びやすくなります。
Copilot側の自律的な作業機能の使い方はCopilot Coworkの使い方、Claude側のCowork・Claude Codeとの違いはClaudeのAIエージェントの記事にあります。ChatGPTとの違いを先に知りたい場合はChatGPTとClaudeの業務での違いが参考になります。
SalesDockは、成長に経営管理・業務・データの仕組みが追いついていない中小企業に、経営管理基盤の実装と定着を月額で支援しています。Claudeを入れるかどうかの前に、どの業務のどの資料を整えるかを決めるのが、その最初の仕事です。
NEXT STEP
Claudeにつなぐ業務と、人が押す操作を整理する
いまのメール・資料・Excelの流れを見ながら、コネクタと追加機能のどちらから始めるか、管理者に出してもらう設定、効果の測り方を60分で整理します。
無料相談を申し込むClaude for Microsoft 365でよくある質問
Claude for Microsoft 365は無料で使えますか?
コネクタ(Claudeの画面からSharePoint・OneDrive・Outlook・Teamsを読む機能)は、Anthropicのヘルプでは Free を含むプランで使えると案内されています。一方、Excel・Word・PowerPointの追加機能は、Pro・Max・Team・Enterpriseの有料プランが対象です。コネクタは、個人のOutlook.comやHotmailのアカウントは対象外で、会社・学校のMicrosoft 365アカウントが必要です。追加機能の個人アカウントの扱いは公式ページで確認できていないため、導入前に管理者に確認してください。
コネクタと追加機能は、どちらから始めればよいですか?
探し物と要約が中心ならコネクタ、Excelの表や資料を直接直したいなら追加機能から始めます。コネクタはClaudeの画面で動き、追加機能は各アプリのサイドバーで動きます。会社の管理者の作業も違うため、まず1つに絞って1週間試すのが安全です。
ClaudeはMicrosoft 365の中身をすべて読めますか?
いいえ。Anthropicの説明では、本人がMicrosoft 365で見られる範囲だけが対象で、バックグラウンドで勝手に検索することもありません。非公開のTeamsチャンネルに入っていなければ見えず、OneNoteは中身を読めません。
Microsoft 365 Copilotとは何が違いますか?
Copilotはマイクロソフトのサービスで、Claude for Microsoft 365はAnthropicのClaudeをMicrosoft 365につなぐ仕組みです。課金も管理者の設定も別です。Copilot側の使い方は、Copilot Coworkの記事で整理しています。
メールを勝手に送られることはありますか?
書き込みツールを管理者が有効にしていなければ、メールの送信や予定の変更はできません。有効にした場合でも、Teamsへのチャット送信とチャンネル投稿は、公式の説明では必ず本人の確認が入ります。最初は書き込みを切っておくのが無難です。
出典・一次情報
- Connect to Microsoft 365(Claude ヘルプセンター)
- Microsoft 365 connector(Claude)
- Use Claude for Excel(Claude Docs)
- Work across M365 apps(Claude Docs)
機能・提供状況・プランの条件は更新されます。最新の情報は公式ドキュメントでご確認ください。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI自走プラン(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
代表者情報を読む →この記事の数値について
本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。