API廃止時の影響棚卸し|接続元・バージョン・代替・移行責任を追う
技術一覧ではなく、止まる業務と切替責任を見つける依存台帳
API廃止の通知を読んでも、自社のどの業務が対象か分からなければ動けない。コード検索だけでは外部連携サービスや手動実行を見落とす。API、接続元、利用業務、移行責任を一つの依存台帳へ結ぶ。
認証情報の置き場所はAPIキーのハードコード確認、システム全体の移行失敗は基幹システム刷新の失敗原因が扱う。接続元の候補は社内ツール棚卸しから逆引きし、この記事では特定APIの廃止通知を受けた時の影響棚卸しに絞る。
API名ではなく呼び出し単位で一行にする
同じAPIでも複数アプリ、複数version、異なる業務で使う。エンドポイントまたは連携機能ごとに接続元、実行環境、所有者を分け、分からない接続を「その他」にまとめない。
API・version
提供元、機能、呼び出している版
利用業務
顧客、請求、集計など止まる業務と利用時点
接続元
アプリ、スクリプト、連携サービス、実行環境、所有者
廃止・代替
公式通知、対象日、代替仕様、差分、戻し方
責任・証跡
移行責任者、試験、承認、切替ログ、完了判定
実行ログから現役の依存を確認する
リポジトリ、設定ファイル、連携管理画面、ネットワーク・アプリのログを突き合わせる。直近に動いていなくても月末、年次、障害時だけ使う経路があるため、業務責任者へ利用時点を確認する。
公式通知の対象と自社versionを結ぶ
Salesforce HelpはAPI versions 31.0 through 40.0に関する退役情報を公開している(Salesforce Help「API Versions 31.0 through 40.0 Retirement」)。日付や対象状態は通知の最新版を直接確認し、自社台帳には確認日とURLを残す。
代替仕様は受入条件で比較する
- 認証方式と必要権限
- 入力項目、型、必須条件
- 応答項目、状態、エラー
- 呼び出し量、再実行、重複防止
- 監視、ログ、障害時の戻し方
代替があることと、同じ業務結果になることは別だ。実データを匿名化した試験ケースで、新旧の出力と後続業務を比較する。
来週できる一歩:一つのAPIを逆引きする
- 公式通知から対象APIとversionを抜き出す。
- コード、設定、管理画面、ログで接続元を探す。
- 各接続が支える利用業務と責任者を確認する。
- 代替候補と受入条件を一行にする。
- 試験、切替、完了判定の日を置く。
AI内製・技術レビューカテゴリでは、技術変更を止まる業務と担当者へ結び直す記事をまとめている。
よくある質問
APIのバージョンはどこで確認しますか?
接続設定、リクエスト先、SDKやライブラリ、実行ログ、ベンダー管理画面を確認します。推測せず、実際に本番で使われた呼び出しと所有者を証拠付きで残します。
代替APIがあればすぐ切り替えられますか?
認証、項目、応答、制限、エラー処理が同じとは限りません。利用業務ごとに入出力と受入条件を確認し、並行試験と戻し方を決めます。
使われていない接続は削除してよいですか?
実行履歴、繁忙期や月次処理、障害時だけ使う経路を確認します。所有者が不明なまま削除せず、停止候補として期限付きで監視してから判断します。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
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