システム開発を外注するときの流れと費用|依頼前に決める4つのこと
会社を探す前に、1つの業務と完了の条件を決めておく
大阪でシステム開発・AI受託開発を行うSalesDockが、システム開発の外注を初めて検討する中小企業向けに、相談から運用までの流れと、依頼前に決めること、契約の形、見積もりの比べ方をまとめました。SalesDockも依頼先の1つなので、自社の金額は事実として載せ、他社の評価は書いていません。
執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援
結論
外注の成否は、会社選びより「1つの業務」と「完了の条件」を先に決められるかで分かれる
「システム開発を外注したい」と思っても、何から決めればよいか分からないまま会社に相談すると、見積もりの条件がそろわず、比べられません。先に4つを決めておくと、相談が短く済み、複数社の見積もりも同じ条件で並べられます。
- 流れは、相談、要件の整理、見積もり・契約、試作・開発、検収、運用の6段階です。
- 依頼前に、直す業務を1つ、完了の条件、判断する担当者、予算の上限の4つを決めておきます。
- 要件が固まっていないなら、小さな試作を先に作り、動くものを見て本実装を決める進め方が、手戻りを抑えやすくなります。
システム開発を外注する流れ6段階
会社や契約の形で細部は変わりますが、大きな流れは同じです。各段階で、発注する側が用意するものを並べました。
| 段階 | やること | 発注する側が用意するもの |
|---|---|---|
| 1. 相談・ヒアリング | 困っている業務、今のやり方、使っている道具を伝える | 今の作業の流れが分かる資料(Excel、帳票、画面のスクリーンショット) |
| 2. 要件の整理 | 何を作り、何を作らないかを決める。完了の条件を決める | 判断できる担当者と、使う人の声 |
| 3. 見積もり・契約 | 範囲、金額、納期、契約の形(請負か準委任か)、権利の扱いを書面にする | 予算の上限と、いつまでに使いたいか |
| 4. 試作・開発 | 動くものを早めに見せてもらい、使い方を確かめながら作る | 試作を触って意見を出す人の時間 |
| 5. 検収・公開 | 決めた完了条件のとおりに動くか確認して受け入れる | 実際のデータでの確認と、受け入れの判断者 |
| 6. 運用・改善 | 使いながら直す。問い合わせや変更の窓口を決めておく | 保守の範囲と費用の取り決め |
依頼する前に決める4つのこと
相談の前に次の4つを書き出しておくと、会社側も見積もりを出しやすくなります。決まらない項目があれば、それ自体を最初の相談で聞いてかまいません。
1. 最初に直す業務を1つに絞る
「全部をシステム化したい」から始めると、見積もりも納期も膨らみます。毎月手間がかかっている業務を1つ選び、その業務だけで効果が測れる形にします。
2. 完了の条件を、数字か操作で書く
「使いやすいこと」ではなく、「請求書1枚の作成が5分以内に終わる」「月末の突合作業が半日で終わる」のように、できたかどうかを確かめられる形にします。
3. 判断する担当者を1人決める
仕様の判断が複数人に割れると、手戻りの原因になります。使う人の意見は集めつつ、決める人は1人にします。
4. 予算の上限と、使い始めたい時期を決める
上限を先に伝えると、その範囲に収まる作り方を提案してもらえます。固まらないときは、小さな試作から始めて、結果を見て本実装の予算を決める進め方もあります。
いま手作業やExcelで回している業務のうち、どれを最初にシステムへ移すか迷う場合は、Excelで回している業務をシステムに移す時期が参考になります。社内にIT担当者がいない会社で抜けやすい点はIT担当者がいない中小企業のシステム導入支援の選び方にまとめています。
請負と準委任の違い
開発の契約は、大きく請負と準委任に分かれます。どちらが良いかは、作るものがどこまで固まっているかで決まります。
| 契約の形 | 作る側が負う責任 | 向いているとき | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 請負契約 | 決めた成果物を完成させる責任を、作る側が負う | 作るものと完了条件が固まっているとき | 仕様が曖昧なまま結ぶと、「どこまでが範囲か」で揉めやすい |
| 準委任契約 | 決めた業務を行う責任を負う。成果物の完成は約束の対象でないことが多い | 要件が固まっていない、試しながら決めたいとき | 成果の基準を決めておかないと、費用だけがかさむことがある |
要件が固まっていない段階の試作は準委任で小さく始め、動くものを見て範囲が決まってから本実装を請負にする、という分け方もできます。契約書の文言は、金額や期間が大きい場合は弁護士などの専門家に確認してください。発注の書面に何を入れるかはCRM開発を発注するときのチェックリストにまとめています。
見積もりを同じ条件で比べる3つの確認
2〜3社から見積もりを取るときは、金額の大小より、次の3点が揃っているかを見ます。見積書の項目の意味と、「一式」の中身の確かめ方はシステム開発の見積もりの見方にまとめています。
1. 見積もりに含まれる範囲
要件整理、設計、開発、テスト、データ移行、操作説明、公開後の不具合対応のどこまでが含まれるかを、項目ごとに聞きます。「開発一式」だけの見積もりは、後から追加費用が出やすくなります。
2. 完成した後の権利と引き継ぎ
作ったものの著作権や、ソースコード・設計書を受け取れるかを確認します。契約で決めない場合、著作権は原則として作った側に残ります。別の会社へ保守を移すときに困らないよう、受け取るものを書面に入れます。
3. 変更が出たときの扱い
途中で仕様が変わったときに、追加見積もりになる条件と、断れる範囲を聞きます。変更の窓口と判断の速さも、進めやすさを左右します。
費用は「範囲」で決まる。小さく試す場合の考え方
システム開発の費用は、対象にする業務の数、連携する外部システム、必要な画面の量で大きく変わります。同じ金額でも、要件整理、テスト、保守が含まれているかで中身は違うため、金額だけを並べても比べられません。
SalesDockでは、1つの業務に絞った「1業務スタート」を50万円〜(税別)、試作の結果を受けた本実装を個別見積もりとしています。試作で動きを確かめてから本実装に進むため、「作ったが使われなかった」ことで払う金額を小さく抑えられます。対応範囲はシステム開発・導入支援をご覧ください。費用の内訳の見方はアプリ開発費用の内訳、AI開発の見積もりの見方はAI開発を外注するときの費用にまとめています。依頼先の型で比べたい場合は大阪のシステム開発会社の選び方も参考になります。
システム開発の外注についてよくある質問
システム開発の外注は、いくらから頼めますか。
対象の業務の数、連携する外部システム、画面の量で大きく変わるため、一律の相場は言えません。SalesDockでは、1つの業務に絞った「1業務スタート」を50万円〜(税別)、試作の結果を受けた本実装を個別見積もりとしています。
要件が固まっていなくても外注できますか。
できます。ただし、固まっていないまま全体を請負で頼むと、範囲の食い違いが起きやすくなります。1つの業務に絞った試作を先に作り、動くものを見ながら要件を決める進め方が、手戻りを抑えやすい方法です。
請負と準委任は、どちらで頼むのがよいですか。
作るものと完了条件が固まっているなら請負、試しながら決めるなら準委任が向きます。試作は準委任で小さく始め、本実装を請負にする分け方もあります。契約書の文言は、必要に応じて弁護士などの専門家に確認してください。
外注した後に、自社で直せますか。
ソースコードや設計書を受け取れるか、使っている道具が特定の会社に依存していないかで決まります。契約の前に、納品物に何が含まれるかを聞いておきます。
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