スプレッドシートでシフト表を作る方法|シフト管理の列設計・不足人数チェック・限界の目安
執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

結論
完成形の見本表と、シートの構成、式を載せています。自分のスプレッドシートに写して使えます。先にシフトのルールを文章にしておくと、あとでツールに移すときにも作り直しが減ります。
- シフト表は、シフト種類・希望休・シフト表・集計の4シートに分けると、スプレッドシートだけで回せます。
- シフト表本体は縦に人、横に日付を取り、セルはドロップダウンで記号を選びます。実働時間と不足人数はCOUNTIFとSUMPRODUCTで自動で出します。
- 毎月の修正に時間がかかる、拠点や雇用形態が増えた、休み申請の反映漏れが続くといった状態になったら、専用ツールを検討する目安です。
この記事は、シフト表をスプレッドシートで作る方法を扱います。有給の管理は有給管理をExcelで無料で始める方法、勤怠の打刻や集計はクラウド勤怠の費用と要件で扱っています。
シフト表をスプレッドシートで作っている会社は少なくありません。1枚の表に全部を書き込むやり方でも始められますが、人数が増えると、希望休の集計も人数のチェックも手作業になります。ここでは、無料のGoogleスプレッドシートで、4つのシートに役割を分けて作る方法を示します。
完成形のシフト表は、名前×日付に記号を並べた表
完成形のシフト表は、縦に名前、横に日付を取り、各セルに「早」「遅」「短」「休」などの記号を入れた表です。その下に、日ごとの人数と必要人数、不足の行を置きます。次の表は、5日分の見本です(名前と人数は例です)。この見本の人数の行は「早」だけを数えています。
| 名前 | 11/1(日) | 11/2(月) | 11/3(火) | 11/4(水) | 11/5(木) |
|---|---|---|---|---|---|
| 佐藤 | 早 | 早 | 休 | 遅 | 遅 |
| 鈴木 | 遅 | 休 | 早 | 早 | 休 |
| 高橋 | 短 | 短 | 遅 | 休 | 早 |
| 早の人数 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
| 必要人数 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 |
| 不足 | 不足 |
この表を作るための4つのシートの分け方と式を、次の見出しから順に示します。
シフト表は4つのシートに分けて作る
シフト表は、決まりごとを書くシートと、毎月書き換えるシートを分けると壊れにくくなります。1枚に全部入れると、勤務時間のルールを変えたときに表の式まで崩れます。次の4枚に分けます。シフト種類と希望休は、ルールが変わったときだけ書き換える決まりごとのシートです。シフト表と集計は毎月使うシートです。
| シート | 入れる内容 | 書き換える頻度 |
|---|---|---|
| シフト種類 | 記号・開始・終了・休憩・実働 | 年に数回。ルールが変わったときだけ |
| 希望休 | 名前・日付・状態(申請/取り下げ) | 締め切りまでの間、本人が入力 |
| シフト表 | 縦に人、横に日付。記号を選ぶ | 月初に作り、確定後は修正履歴を残す |
| 集計 | 日ごとの人数、人ごとの実働時間 | 式のみ。手で書き換えない |
まず「シフト種類」のシートで記号と実働時間を決める
実働時間は、シフト表に直接書かず、シフト種類のシートに1回だけ書きます。あとから休憩時間を変えても、1か所を直せば全員の集計が更新されます。記入例は次のとおりです(時間は例です)。
| A 記号 | B 開始 | C 終了 | D 休憩(分) | E 実働(時間) |
|---|---|---|---|---|
| 早 | 8:00 | 17:00 | 60 | 8 |
| 遅 | 12:00 | 21:00 | 60 | 8 |
| 短 | 9:00 | 14:00 | 0 | 5 |
| 休 | - | - | - | 0 |
休憩は、労働基準法で、労働時間が6時間を超えるなら45分以上、8時間を超えるなら60分以上と決まっています。表の「早」「遅」の休憩60分は、実働8時間の例です。自社の就業規則に合わせて入れ替えてください。
シフト表本体は人と日付の表にして、不足人数を式で出す
シフト表は、縦に人、横に日付を取り、セルをドロップダウンにすると、入力ミスと表記ゆれが消えます。セルを選び、データの入力規則で「プルダウン(範囲内)」を選び、範囲にシフト種類のA列を指定します。完成形の見本は冒頭の表のとおりです。
使う式は次の5つです。名前のシートや行番号は、自分の表に合わせて読み替えます。
| やりたいこと | 式 | 補足 |
|---|---|---|
| 実働時間(シフト種類のE列) | =(MOD(終了-開始,1))*24-休憩/60 | 夜をまたぐ勤務でも、マイナスにならない |
| 日ごとの「早」の人数 | =COUNTIF(C$5:C$14,"早") | 5〜14行目が従業員。日付ごとに下へ数える |
| 不足の表示 | =IF(C$16<C$17,"不足","") | 16行目が実際の人数、17行目が必要人数 |
| 人ごとの月間実働時間 | =SUMPRODUCT(COUNTIF($C5:$AG5,シフト種類!$A$2:$A$5),シフト種類!$E$2:$E$5) | 記号の個数 × 実働時間を合計する |
| 曜日の表示 | =TEXT(C$3,"aaa") | ファイルの地域を日本にしておく |
不足の行は、条件付き書式で「テキストが完全一致 不足」のとき、セルを赤にします。この行が示すのは「早」の不足だけです。遅や短も確認するなら、記号ごとに人数の行と必要人数の行、不足の行を足します。
日付と曜日は自動で出し、土日と休みを色分けする
日付は月初の1日分だけ手で入れ、残りは「前の日+1」で並べると、翌月は1セルの書き換えで作り直せます。曜日はTEXT関数で出し、土日と休みの色分けは条件付き書式で行います。曜日・色分け・日数の式は次の表にまとめました。範囲の行番号と列は、自分の表に合わせて読み替えます。
| やりたいこと | 式 | 使い方 |
|---|---|---|
| 月初の日付 | =DATE(2026,11,1) | C3セルに入れる。D3以降は左のセル+1(=C3+1)で、月末まで右へ伸ばす |
| 曜日の表示 | =TEXT(C$3,"aaa") | C2セルなど日付の上の行に入れ、右へ伸ばす。ファイルの地域を日本にしておくと「月」「火」と出る |
| 土日の色分け | =OR(WEEKDAY(C$3)=1,WEEKDAY(C$3)=7) | 条件付き書式の「カスタム数式」にこの式を入れると、土日の列に色が付く。適用範囲はシフト表全体にする |
| 休みのセルをグレーにする | =C5="休" | 条件付き書式の「カスタム数式」に =C5="休" を入れると、休みのセルがグレーになり、休みの並びが目で追える。適用範囲の左上のセル(最初の人の1日目)をC5に合わせる |
| 人ごとの休日数 | =COUNTIF($C5:$AG5,"休") | 行の右端に置く。月の公休日数と合うか確認する |
| 人ごとの出勤日数 | =COUNTA($C5:$AG5)-COUNTIF($C5:$AG5,"休") | 空欄は数えない。未入力の日があると少なく出る |
祝日は日付だけでは判定できないため、祝日の一覧を別のシートに置き、COUNTIFで一致を調べて色を付ける方法が使えます。祝日を休みにするかどうかは会社の就業規則で決まるので、先に確認してください。
人ごとの実働時間は、法定労働時間(原則は1日8時間・週40時間。変形労働時間制を使う場合は期間の平均で週40時間以内)と並べて見ます。月間の合計だけでは週ごとの超過が見えないため、週ごとの合計で確かめます。常時10人未満の商業・サービス業などの特例事業場では、週の上限は44時間です。法定労働時間を超えて働かせるには、時間外・休日労働に関する協定(36協定)を結び、労働基準監督署へ届け出る必要があります。シフト表では、集計シートに人ごとの週ごとの実働時間を並べ、この上限を超えていないか、特定の人に勤務が偏っていないかを確定前に確かめます。
共有するときは、集計と式のセルを保護し、入力してよい範囲だけを開けます。メニューの「データ」から「シートと範囲を保護」を選び、式の入った行や、シフト種類のシートを編集不可にします。シフト表のセルを書き換えられる人は、シフトを組む人だけに絞ります。Googleスプレッドシートなら「ファイル」→「版の履歴」→「版の履歴を表示」で、誰がいつ編集したかを確認できます。
希望休は専用のシートに集め、取り下げも消さずに残す
希望休は、チャットや口頭で受けずに、本人が1行ずつ入力するシートに集めます。列は「名前・日付・状態」の3つで足ります。状態はプルダウンで、「申請」と「取り下げ」の2種類にします。
取り下げの扱いには、実際に漏れが出やすい箇所があります。医療の支援先では、休みの申請を取り下げても、事務が見る表に出てこない問題がありました。そこで、取り下げた分も消さずに、事務が毎日見る表へいったん載せる運用に変えています。希望休のシートでは、取り下げられた申請の行を削除せず、状態の列を「取り下げ」に変えます。そうすると、シフトを組む人が「いったん出て、取り消された」申請に気づけ、反映漏れを防げます。
働き方が違う人は、1枚にまとめず表を分ける
勤務の形や報酬の形が違う人を1枚に混ぜると、式も入力も例外だらけになります。広告制作の支援先では、稼働管理のシートを、報酬の形ごとに3つに分けました。時給の人、月額で働く人、成果で支払う人を同じ表に置かない、という考え方です。
シフト表でも同じで、店舗スタッフと事務、正社員とアルバイトで、記号・休憩・集計の見方が違うなら、シート(タブ)を分けます。分けるときは、4つのシートの考え方は共通にして、列の並びだけをそろえておくと、あとで合算しやすくなります。
スプレッドシートで回らなくなる目安と、移す前の注意
スプレッドシートのシフト表は、人数の多さよりも、確認と修正の手間が増えたときに限界が来ます。毎月の確認と修正に何時間もかかる、申請の取り下げや交代の反映漏れが続く、拠点や雇用形態が増えて表が分かれた。この3つのうち1つでも当てはまれば、専用のシフト管理ツールや勤怠システムの検討を始める目安です(下の図も同じ基準です)。
移す前の準備は、今のシフト表でどの記号と式を使っているかを書き出しておくことです。
シフトを別のツールにするなら、そのツールと、今ある勤怠や有給の管理がどうつながるかを先に決めておきます。有給の管理は管理簿の項目と関数、スプレッドシートを土台に業務を組む考え方はスプレッドシートをデータベースとして使う方法が参考になります。
来週やってみる手順と、効果の測り方
- 今使っているシフトの種類を全部書き出し、月に1回も使わないものを外す。
- この記事の「シフト種類」のシートを作り、開始・終了・休憩・実働を入れる。
- 来月の希望休を、専用シートで集める。取り下げは行を消さず、状態を変えてもらう。
- 2〜3人分だけ、シフト表と不足人数の式を作り、手計算の結果と合うか確かめる。
効果は、毎月のシフト作成にかかった時間と、確定後に直した回数で測れます。作り始める前の1か月分を数えておくと、スプレッドシートのままで足りるか、移すかを数字で決められます。シフトは、経営管理の基盤を支える日々の記録のひとつで、SalesDockが接続コンサルとして支援する、業務・データ・仕組みの接続の入口になる領域です。
一次情報・公式情報
- 労働基準法(e-Gov法令検索):休憩と休日の定め。
制度は改定されます。最新の内容は公表元でご確認ください。この記事は2026年11月1日時点の内容です。
スプレッドシートのシフト表のよくある質問
スプレッドシートでシフト表は無料で作れますか
作れます。Googleスプレッドシートは無料で使え、複数人が同時に開けます。シフトの種類を決めたシート、希望休を集めるシート、シフト表本体、人数と時間の集計の4つがあれば、日々の運用に必要な機能は足ります。ただし、誰がどこを書き換えたかを残す運用は自分で決める必要があります。
シフト表の不足人数はどう自動で見つけますか
日付ごとに、確認したい記号(たとえば「早」)の人数をCOUNTIFで数え、必要人数の行と比べます。足りない日に「不足」と出す式と、その日のセルを赤くする条件付き書式を組み合わせると、一覧を目で追わなくても足りない日が分かります。「遅」や「短」も見るなら、記号ごとに人数と不足の行を足します。
シフトの記号は何種類に絞るのがよいですか
決まった数はありませんが、最初は実際に使っているものだけで始めるのが無難です。記号が増えるほど、実働時間の計算表と入力のドロップダウンも増えます。月に1回も使わない記号は、表から外すか「その他」にまとめます。
シフト表の休憩や休日の決まりはどこで確認しますか
労働基準法で、労働時間が6時間を超えるなら45分以上、8時間を超えるなら60分以上の休憩が必要で、休日は原則として毎週1日以上(または4週間に4日以上)です。会社ごとの就業規則と合わせて、シフトの種類の表に休憩を入れておくと、実働時間の計算にも使えます。
スプレッドシートからシフト管理ツールに移す目安はありますか
毎月の修正と確認に時間がかかっている、拠点や雇用形態が増えて表が分かれすぎた、休み申請の取り下げや交代の反映漏れが続いている、という状態が目安です。ツールに移す前に、自社のシフトのルールを文章にしておくと、ツール選びも作り直しも楽になります。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
代表者情報を読む →この記事の数値について
本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。