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業務改善

中小企業のIT活用で受注を増やす—ツール導入前に見直す案件化までの業務フロー

営業ツールを増やす前に、次の担当と期限が切れない流れを作る

9分で読める

先に答え

中小企業がIT活用で受注を増やすには、先に問い合わせ→初回対応→商談→提案→受注を一つの案件番号でつなぎ、各工程の担当、期限、次へ進む条件、止まった理由を決めます。ITは入力・通知・集計を支える手段で、ツール導入自体を成果にしません。

フォームの通知はメール、商談メモは手帳、提案書は共有フォルダ、受注は会計ソフト。この分断では、問い合わせ件数と売上は分かっても、どこで案件が止まったか分かりません。予算配分は中小企業のIT投資配分に譲り、この記事は受注までの接続だけを扱います。

直近案件を工程別に並べる

中小企業庁の2025年版小規模企業白書は、デジタル化の段階として、売上・顧客情報などをシステムで管理しながら業務フローを見直す状態と、蓄積データを販路拡大へ使う状態を分けています。最初から高度な分析へ進まず、案件の受け渡しを記録可能にします。

工程同じ案件に残す情報最初に測る項目
問い合わせ流入元、企業、相談内容、希望時期、担当未対応件数・初回対応までの時間
初回対応確認した課題、予算・時期、次回予定接続件数・期限超過
商談課題、決裁者、判断条件、競合・代替提案へ進んだ件数・保留理由
提案範囲、金額、期限、次の判断日提案件数・再提案・回答待ち
受注・失注受注内容または失注理由、引き継ぎ受注件数・工程別の停滞理由

工程の出口を「次の予定がある状態」にする

初回返信を送っただけでは初回対応完了としません。次の質問、商談候補日、見送りのいずれかが決まり、担当と期限が入った状態を出口にします。商談も議事録作成ではなく、提案するか、追加確認するか、保留・失注かが決まった状態まで進めます。製造業の例ですが、工程分解は営業プロセスの記事でも確認できます。

入力項目は判断に使うものだけに絞る

  • 流入元と問い合わせ日時
  • 現在の工程、担当者、次の対応、期限
  • 顧客の課題、希望時期、判断条件
  • 提案内容、金額、回答予定日
  • 受注内容、失注・保留理由

入力されない項目を増やすより、会議で毎週使う項目を固定します。SFAの導入単位は中小企業のSFA導入、CRMとの役割分担は中小企業向けCRM比較を参照してください。

自動化は漏れを見つける場所から始める

  1. 問い合わせ受信時に案件を作り、担当へ通知する
  2. 期限を過ぎても次の予定がなければ担当と責任者へ知らせる
  3. 商談メモから提案に必要な未確認項目を一覧にする
  4. 工程別の件数、時間、停滞理由を週次で集計する

受注可否や顧客への約束を自動確定せず、担当者が確認します。通知が多すぎて無視される場合は、期限と重要度を見直します。

来週できる一歩:直近20案件を一枚にする

  1. 直近20案件を一行ずつ並べ、現在工程を付ける
  2. 担当、次の対応、期限が空欄の案件を数える
  3. 失注・保留理由を顧客事情、時期、条件、社内対応に分ける
  4. 最も停滞が多い一工程だけ、完了条件と必須項目を決める
  5. 既存ツールで通知と週次集計を試し、不足機能を記録する

before / afterで測る項目

  • 問い合わせから初回対応、商談、提案までの時間
  • 工程ごとの到達件数と次工程へ進んだ件数
  • 担当・期限・次の対応が空欄の案件数
  • 失注、保留、期限超過の理由別件数

よくある質問

ITツールを入れれば受注は増えますか?

導入だけでは増えません。問い合わせが誰に渡り、いつ初回対応し、商談・提案へ進む条件と次の担当が決まっている必要があります。ツールはその記録、通知、集計を支えます。

最初にCRMやSFAを選ぶべきですか?

先に直近案件を一行で並べ、工程名、必須項目、担当、期限、停滞理由を決めます。その運用に必要な機能が分かってから既存ツールの設定や製品を選びます。

売上以外に何を測ればよいですか?

工程ごとの到達件数、次工程への移行、初回対応と提案までの時間、期限超過、失注・保留理由を測ります。売上だけではどこを直すべきか分かりません。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

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